サブPCとして3年前に導入した「Aspire 5745 AS5745-A54E/K」。
Core i5-460M(Intelグラフィック)2.5GHz、8GB-RAM、750GB-HDD、SATA2……と
いった構成の比較的安価な2スピンドルノートPC(※増設・交換含む)だが、今日に
至るまで元気に稼働してくれている。
動画の編集やゲームといった負荷の高い作業はメインのPCで行い、日常のメールや
WEBブラウジングといった作業はサブPCであるこのノートで行っている。
15型クラムシェルは外に持ち運ぶにはやや大きいが、自宅で部屋を移動できる程度の
機動性はあるので大変便利に活用できている。
今回はこのサブPCのSSD化を行ったので簡単ではあるがレビューしてみたい。
なお、このPCそのものについては過去の記事でレビューしているので興味のある方は
別途ご参照いただきたい。
今回導入したSSDは「Samsung SSD 840 EVO」の「ベーシックキット」500GBモデルだ。
すでにSamsung製SSDは最新の850シリーズが販売されているが、今回は年末年始の
特売で840EVOがお得に入手できたことと、またPC世代の関係でSATA2・3Gbpsとしてしか
使えない点からコストパフォーマンスを考慮して旧世代のモデルを導入した。
最新モデルにも非常に興味があるので、価格がこなれてきた頃合いを見計らって
メインPCのストレージリプレースも検討していきたいと思う。
余談だが、この「Samsung SSD 840 EVO」には今回購入した基本構成となる
「ベーシックキット」のほかに、ノートPCのストレージリプレースを容易に行えるように
ノートPC用スペーサー(アダプタ)や今回のようにSSDへ移行するときに外付けUSBとして
接続できるSATA/USB3.0変換ケーブルなどを追加した「ノートパソコンキット」、また、
これらの付属品をデスクトップ用に置き換えた「デスクトップキット」などが用意されている。
私の場合、すでにこれらのケーブル類を持っていたのでよりリーズナブルな
「ベーシックキット」を購入したわけだが、接続ケーブルや変換ケーブルを持っていない
場合は別途用意せずに済む、これらのキットを選ぶと良いだろう。
ソフトウェアの出来もよく、これらユーザーへのスムースな移行を支援してくれる
メーカーの配慮には好感が持てる。SSDを選択する際の重要なポイントの一つだろう。
それではさっそく交換の手順を見ていこう。といっても難しいことはひとつもない。
クリーンインストールであれば、HDDとSSDを入れ替えた後、PCメーカーが指定した方法で
OSをインストールすれば完了であるが、今回は今までの環境を引き継いだ状態でHDDから
SSDに交換することにしたので、まずは現在のHDD-PCに「Samsung SSD 840 EVO」を
外付けHDDとしてUSB接続し、付属ソフトウェアである専用データ移行ソフトウエア
「Samsung Data Migration」でデータの移動を行うことにした。
記事の長さの都合上「Samsung Data Migration」の詳細は割愛するが、とにかく拍子抜け
するほど簡単確実にデータの移行が行えた。データを移動する時間はデータの量やマシンの
スペックによるが、手順としてはわずか数ステップで済む。
興味のある方は正規販売代理店であるITGマーケティング株式会社のサイトで詳しく解説
されているのでぜひチェックしてみてほしい。
◆SAMSUNG SSD Online - SSD 840 EVO シリーズ(ITGマーケティング株式会社)
http://www.itgm.co.jp/product/ssd840evo/
さて、無事データの移行が行えたら後はHDDとSSDを交換してPCを起動するだけである。
交換手順も使用しているPCによって手順が異なるため詳細は割愛させていただくが、
HDDの交換経験があるユーザーはもちろんだが、初めて交換に挑戦するユーザーも楽勝だ。
注意事項としては事前に自分でストレージ換装できる機種かどうかを確認してからSSDを
購入するようにしよう。もっとも、ここ数年のノートPCであればストレージやメモリの
交換がユーザーが行えるようにPC裏面のいくつかのネジを外すだけで簡単に交換
できるようになっているものがほとんどであるので、多くの場合特に問題はないだろう。
無事交換を終えたら電源ボタンを投入するわけだが、ONにしていきなり変化を感じた。
起動が早い!それも少しというレベルではない。HDDの場合、起動してデスクトップが
表示されてさらにHDDアクセスが落ち着いて操作ができるようになるまでに数分、
場合によってはお茶を淹れるくらい時間がかかる場合もあるのだが、数世代前のPCにも
関わらず電源投入からアイドル状態になるまで起動まで僅か十数秒。
サブPCとは言えそれなりにアプリケーションやデータが入っており、数年間使っている
PCが僅か十数秒で起動するのはHDDしか使ったことがなければ軽い衝撃だ。
この結果を鑑みれば「古いPCにSSDを入れても宝の持ち腐れ」……とは必ずしも言えない。
確かに最新のPCに最新のSSDを使えばさらに快適な環境は手に入れられるのは間違いないが、
現状まだまだ使えるマシンを甦らせるだけのポテンシャルは十分にあり、予算の都合や、
処分する程古くはないが、「もっさり」感が拭えない型落ちマシンを甦らせるには
必要十分である。
今回SSDに交換して個人的には感じたことのひとつとして、PCの再起動が億劫でなくなった
ことが非常に大きい。Windowsマシンの宿命として(昔ほどではないにせよ)、定期的な
再起動によるアプリケーションやメモリのリフレッシュ(解放)は快適に利用するために
大なり小なりどうしても必要であるが、これがHDDだと再起動に何分も待たされるために
億劫だったのだ。
SSDに換装したことでとにかく起動・再起動が圧倒的に早く、レディ状態になるまでに
かかる待ち時間がHDDの十分の一(言い過ぎではないだろう)になる。これは作業時に
は特にありがたく感じるのだ。
たかが数分と言っても集中して作業している時に思考を途切れさせる数分間の再起動は
結構なストレスであり、また、日々のWindowsアップデートといった再起動を促される
ようなアクションは意外に多く、ここが改善されたのは非常に大きい。
もちろん、作業中も快適である。ブラウザ起動ひとつとっても「今までの待ち時間は
何だったのか」と思わせるスピードで、ファイルのコピーや簡易な画像編集、サムネイル
表示やウィルスチェックスキャンなども爆速であり、「まさかここまで快適になるとは……」と、
ここまで早くなるならもっと早く導入すればよかったと、喜びと驚きを感じぜずにはいられない。
HDDをガリガリと読み込ませている方にはおそらく感涙ものであろう。
それでは最後に簡易なものではあるが、crystal disk markによるベンチマークを掲載する。
なお、ここまで書いてきたとおり、今回の交換先のターゲットPCはSATA2までの対応マシン
であり、最大3Gbpsでの接続であることに特に注意していただきたい。本製品は最新の
SATA3(6Gbps)での接続が可能であり、対応マシンへの接続で更に高速で快適な体験が
できるのは言うまでもなく、HDDユーザーはもとより、エンスージアストユーザーの
リプレース、セカンドドライブとしてもぜひSAMSUNG SSDで快適な環境を手に入れて
いただきたいと思う。
まずは交換前の2.5インチHDD。5400回転750GBのものだ。
【交換前のHDDベンチマーク結果】
スコアは使い込んだこの世代のHDDとしては可もなく不可もなくといったところだが、
やはりシーケンシャル・ランダム共にスコアは低く、HDD特有の遅さは否めない。
これを大容量キャッシュ・高速回転のHDDに換装しても劇的な体感パフォーマンス
アップは望めないだろう。
次にSSDに移行し、アライメントを調整した後のスコアだ。
【SSD交換後(RAPIDモード:OFF)ベンチマーク結果(※SATA2動作)】
結果はもう一目瞭然。
非常に高速になっており、SSDの威力がベンチからもわかる。
特に普段の使い勝手はシーケンシャルよりランダムの方が効いてくるため、
これがPCの上で何をやってもキビキビとした操作感を提供してくれているわけだ。
もちろん理論値が半分の速度であるSATA2での動作であるため、このSSDの本当の
ポテンシャルは発揮できていないわけだが、それでもHDDと比べれば天と地ほども
快適さに差が出ている。これを最新のPCに搭載したら……。将来のメインPCの
ストレージリプレースがとても楽しみだ。
おまけとして、今回のSumsung SSDには付属の専用ユーティリティソフトウェア
「Samsung Magician Software」を利用した「RAPIDモード」と呼ばれる高速化ツール
があるので、これを有効にしてベンチマークを行ってみた。
【RAPIDモード有効でのベンチマーク結果(※SATA2動作)】
その結果、通常運用のSATA2では決して拝むことのできない凄まじい結果が出た。
素の性能だけでも非常に高速なため、ここまでくると大幅な体感向上はあまり感じないが、
それでもシチュエーションによっては効果絶大であろう。
SATA2でここまでの数字をたたき出すとは思わなかった。
RAPIDモードはメインメモリを最大で1GB前後確保して高速化するツールであるため、
搭載メモリ量に難がある場合は考慮すべきだが、十分なメモリがあるのであれば
付属ソフトのRAPIDモードをONにするだけでこの速さを手にできる。
環境に問題がなければ積極的に利用していきたいモードだ。
SSDの素晴らしさを今更書く必要もないかもしれないが、HDDと比べて圧倒的に早く、
しかも薄くて軽い。アクセス音もなければ衝撃にも強く低発熱・低消費電力。
今からストレージを導入するのであればSSDを選ばない手はないだろう。
そして各種ツールから始まるSUMSUNG SSDシリーズの手厚いサポート。
今回の換装は大満足であり、実はすでにもう一台導入しようと考えている。
「このパフォーマンスを体感したら、もうHDDには戻れない。」
このキャッチコピーに偽りはない。価格、信頼性、移行のしやすさ。
SUMSUNG SSD。どれをとっても諸手を挙げてお勧めできる一台だ。
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購入金額
25,800円
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購入日
2015年01月01日
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購入場所
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