TDKのMA-XGシリーズやMaxell Metal Vertex、SONYのMetal Master / Super Metal Master辺りが特に有名だったと思うのですが、カセットテープの世界ではあまりブランドを確立出来ていなかったDENONからも高級カセットテープが発売されていました。ちなみに当時は「デノン」ではなく「デンオン」です。
DENONブランドのカセットテープはコロンビアマグネプロダクツという子会社(現在は清算されています)が担当していて、AIWA(EXCELIA)XK-009のA.M.T.S.を利用した際に走行不良を起こすような製品(つまりハーフの剛性不足)を出したこともありましたが、比較的安価ながら特性に優れた、意欲的な製品を数多く発売していました。
私自身、特にDENONブランドのカセットテープは愛用していて、自宅にある本数で見てもTDKに次ぐ程度の使用量ではないかと思います。
このMG-Xは、DENONブランドの最初で最後ともいえる高級メタルカセットテープでした。当時の流行であった高剛性ハーフを実現するためセラミックコンポジット材を採用し、手に持つとずしりと重量感を感じさせられます。
磁気テープ部分の特性も素晴らしく、XK-009で使用するとレベルメーターが振り切れるぐらいの入力にも耐えるほどの出力特性を誇っていました。以前紹介したTDK MA-XG Fermoと比べれば少し安い製品なのですが、MA-XG Fermoと十分張り合える程度の実力はあったと思っています。
内容を考えれば、他社製品と比較してもコストパフォーマンスは優れていたと思うのですが、ブランドイメージの問題もあったのか、あまり評価されないまま終わってしまい、やがてDENONブランドのカセットテープそのものが姿を消してしまいました。
私がこの製品をよく買っていた時期には、処分品価格で1本200円前後という程度の扱いで、まだ中学生で金のなかった私は喜んで買いあさっていました。今でも未開封品が結構残っているほどですからね。
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購入金額
0円
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購入日
不明
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購入場所
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