私が所有しているものは小振りなもので、大きさ的には改札鋏くらいのハンディサイズです。
名称の由来は、鍛冶屋さんが焼けた鉄をつかむのに使っていた『焼床鋏(やきどこばさみ)』から来ていると言われています。ただ、漢字では『矢床』と書くのが正しいようなので、別の由来があるのかも知れませんね。
今回登録したものは、大学生の頃に購入したものなので、既に30年は経っていることになります。
4〜5本まとめて購入したのですが、現存しているものはこの先平のものと先丸の2本となります。どちらも多少表面が錆びていますが、先端が黒く焼けているのが分かると思います。これは焼けた金属(銀や銅、真ちゅうなど)をつかんだり、掴んだままバーナーで炙ったために付いた焼き色です。この2本は基本的に炙る・つかむ用途に使用していました。
その他には先を曲げたり、特殊な形状に削ったりして使用していましたので、後々の使い道が無くて処分したのではないかと思われます(覚えていません…)
ちなみに、先端を加工する場合は、やっとこの先端が真っ赤になるまでバーナーで炙って、別のやっとこで先端を曲げたり、金床で叩いて延ばしたりします。最終的に焼きを入れて完成なのですが、水ではなく油に入れて「ジュワッ」と焼き入れしたような記憶があります。もしかしたらヤスリを曲げる時の焼き入れだったかも知れません^_^;
先平タイプの内側に『筋目ヤスリ』で筋目をつければペンチのような滑り止め付きのやっとこになります。ただ、やっとこには切る機能が無いので、ペンチの代用にはなりませんね。。。
大学卒業後はほとんど使わなくなったので、工具箱の中でひっそりと眠っていますが、なかなか味わいのある形なので、たまには使ってみようかなぁと思っています。
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購入金額
0円
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購入日
1983年頃
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購入場所
御徒町の工具店
hatahataさん
2013/11/08
「職人の道具」いいですねぇ。
自分でコテ先を加工するんですか。それも凄い。
izappyさん
2013/11/08
学校では、物作りの前にまずは工具作り(と言っても半分カタチになっているものを仕上げる感じです)から習うので、曲げたり削ったりするのは普通の行為でした。でも、流石に完成された市販の工具は勿体無くて加工できませんでした^_^;
職人の道具というほどのものではありませんが、自分用に仕上げてあるので、自分にとっては使いやすいものになっています。