レビューメディア「ジグソー」

第三の選択肢・ほぼ全部入り複合機

我が家では、業務の関係上FAXを受け取る事が多かった。

 

・そのため、購入するプリンタはFAX機能が搭載されていることが望ましい。

・ただ、自宅に電話とFAXの双方を繋ぐとなると、ちょいと面倒。

・出来れば、電話機の機能も付いているとうれしい。

 

そういうわけで、我が家において購入されるプリンタは、ほぼブラザーのみとなった。

ブラザーが発売するマイミーオ・シリーズ以外、電話機・FAX・プリンタという三機能を全て搭載する製品は、家庭向けには発売されていなかったからだ。

 

そういうわけで、今まで使っていたプリンタもこちらの製品だった。

プリンタとしての機能は普通だが、通信機能の充実っぷりは他メーカーとは比較にならない。

 

ただ、これがMFC-670CDを購入してから一年ちょっとで過去形となる。

一昨年辺りから、FAXを受け取らねばならない業務が無くなったからだ。

 

ただ、普通紙プリンタとして不満が特に無かったこと、かつてプレミアム・レビューにて頂戴した無線ルーター、WN-G300DGRがあればネットワークプリンタとして使えること、インクの持ちが良くランニングコストが安いことなどから、買い換える理由が見当たらなかった。

 

今回、プリンタを買い換えるに至った理由は、部屋にプリンタがない状況で、ちょいと苦労した経験からである。

 

・・・・オカンが常駐している場所で、こいつを刷るのは流石に辛かったのですよ(苦笑)

 

 

そういうわけで、今回お買い上げしたのがこいつである。

DCP-J952N-B、ブラザーのA4複合機だ。

FAXや電話機機能は今回不要なので、印刷とスキャン機能のみのモデルを選択した。

 

 

10000円前後という挑戦的な価格設定にも関わらず、機能は割と充実している。

 

1.家庭用なのに、両面印刷機能がある。

 

ビジネス向けでは当たり前の機能だが、オプション無しで両面印刷に対応している。

用紙節約になることもそうだが、印刷物の枚数が減るので嵩張らない。

また、両面印刷時はインクの量を自動的に抑え、裏写りや滲みを避ける。

この場合、どうしても印刷品質は落ちてしまうのだが、両面印刷を使うときは印刷品質よりも、情報が読めるかどうかのほうが重要なので、そこまで問題にはならない。

また、本機種は黒のみ顔料インクを採用しているため、文字印刷は両面でも鮮明。

 

この割り切りこそが、本機の持つ最大の特徴である。

印刷するシーンに併せて必要な性能に特化し、印刷品質、コスト、機能の三点を達成する。

同時に、両面印刷におけるもう一つの問題点である、印刷時間を短縮する。

普通紙印刷において、どの辺りを重視するのかという考え方次第で、評価は割れるかもしれないが、私はこの割り切りは大いにアリだと思う。

 

なお、地味に基本性能も優秀。

WebサイトのA4片面カラー印刷なら5秒弱程度で完了するなど、印刷速度は結構速い。

 

2.簡易的だがADFを搭載する。

 

複数枚をスキャンするとき、あると無いとで効率がまるで違うのがADF(自動原稿送り)だ。

ADFが無い場合、原稿をスキャンするには一枚読み込んでは原稿を交換、という動作を繰り返す必要があるが、ADFがあれば原稿を差し込むだけで自動的に連続スキャンしてくれる。

本機に搭載されるADFは簡易的なもので、最大20枚までしか連続スキャン出来ない。

ただ、あると無いとでは効率が大きく異なる。

家庭で連続読込させるとなれば、20枚を超える事のほうが稀であり、これもまた必要な性能に控えることで、低コストに機能追加出来た例の一つだろう。

 

3.スマホやタブレットから、Wifi経由で直接印刷出来る。

 

これは最近のプリンタで主流となった機能だが、本機もちゃんと対応している。

なお、WinRT機もWifi接続での印刷に対応しており、Surface 2からの印刷もあっさり成功。

Wifiから、プリンタの直接指定だけで利用できる。

 

スマホやタブレットからの印刷では、専用アプリのインストールのほか、Evernoteなどに格納したデータを、プリンタから直接指定して印刷することが可能。

 

4.スキャンデータを自動的にPDF変換できる。

 

地味にこの機能、ADFとの組み合わせでスキャナの利用度を一気に引き上げる。

アプリケーションのインストールを必要とせず、プリンタが直接PDF化するため、PCの起動すら必要ない。

USBメモリを差込み、原稿をADFへ突っ込んだらプリンタからPDFスキャンを実行するだけで、ペーパーをPDF化することが出来る。

 

個人的に、本製品を買って最も利用頻度が高いのが、この機能だ。

プリンタからの操作など、正直やり辛いんじゃないかと思うかもしれないが、本機に限ってはPCからのほうが、むしろ面倒くさい。

 

操作手順としては、

プリンタの左側にあるカバーを開け、USBメモリを突っ込む。

 

・・・すると、画面が自動的に

この、初期メニューから.....

こちらの、メディアダイレクト用メニューに切り替わるので、スキャンのボタンを押す。

原稿を突っ込んで、スタートを押せば自動的にPDF化して指定メディアに記録する。

 

解像度の変更や、モノクロへの変更は上の写真では潰れてしまっているが、設定メニューが右上のタブを押すと開くので、そこから選ぶだけだ。

液晶も鮮明で見やすく、タッチ操作の反応も良く、操作反応も早いので、イライラは無い。

 

このように、基本的にアタマを使わなくても済む仕様になっており、PCの起動は必要ないのだ。

 

 

さて、私が基本的に使う機能がこの辺だけなので詳細は割愛するが、これ以外にも、機能は山ほどある。

レーベルプリント用トレイを引き出すと、自動的にレーベル「コピー」モードが起動する。

コピーモードを選択後、レーベルをコピーしたい対象のメディアを入れると、自動的にレーベル表面をスキャンし、次に入れたメディアへスキャンしたレーベルを自動的に印刷する。

面倒なレーベル作成も、これなら相当に手抜きに作れる。

 

メディアトレイも、ちゃんと専用の収納場所が確保されているので、いちいち箱から引っ張り出す必要はない。

 

インクも用紙も、前面補給式なので後方のスペースは最小限で済む。

 

なお、本機における最大の弱点もここにあり、給紙と両面印刷機能の仕様から、手差し印刷に対応出来ない。

そのため、特殊な大型封筒などへの印刷や、最初から切れ込みのある名刺用用紙などは印刷出来ないので、その点だけは要注意だ。

 

なお、葉書や写真、一般封筒は前面給紙トレイの上部に専用トレイがあり、そこに搭載しておくことで、切り替え印刷が出来るようになっている。

A4以下のB5やA5も、A4トレイ内にあるガイドを操作することで、対応可能だ。

 

 

このように、本機は他社製品と比較して、特殊な位置付けを持つ製品になっている。

 

過剰性能よりも、実用性。

これはビジネス向けの思想と言えばそうだが、『家庭用プリンタで求められる品質・性能・機能は、本当に写真の画質なのか?』という、ブラザーが他メーカーに突きつけた挑戦状だ。

 

第三の選択肢、というブラザーの売り文句は確かに的を得ている。

プリンターの使い方によっては、価格といい印刷コストといい、非常に優れた製品だ。

私の使い方なら、この製品の性能で十分過ぎる。

 

あー、あと・・・言及してないけど、写真印刷でもそんなに品質は悪くないよ(笑)

 

 

 

 

  • 購入金額

    9,950円

  • 購入日

    2014年02月09日

  • 購入場所

20人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • aoidiskさん

    2014/02/18

    ブラザーの複合機
    業務に向いているとなると
    実は、写真とか どうなのかなって思ってしまいますが、
    今じゃなかなかの物ですよね。
    使いやすくて、飽きの来ないデザインとか好きだな~
  • Vossさん

    2014/02/18

    基本機能で不足がないので、普通紙印刷中心ならこいつで十分過ぎるのですよ。
    写真についてはまったく言及していませんが、現行の普及機レベルは確保しています。

    ただ、個人的に写真印刷するならお店に出すほうが圧倒的に品質がいいので、お任せしちゃう方が幸せだと思うのです、はい。

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