birdは大沢伸一(MONDO GROSSO)のプロデュースの元、デビューした
女性ヴォーカリスト。当初は大沢色の強いダンサブルなソウル~ブラック系の薫り高いJ-POPを歌っていたが、その後独立し、ソングライターとしての才能も開花させる。
その後母になり、すこし創作ペースを落としていた頃の作品。オリジナルでなくてカバー集。「夏」をテーマに選定された曲達を、大沢時代よりナチュラルな音創りとなった彼女が歌う。コラボするのは南米系のミュージックシーンのアーティスト。打ち込みはあっても、マシンマシンしておらず、生な感じのバック。そのため夏の暑さよりも木陰の涼しさ、熱いアスファルトより吹き渡る風を思わせる、夏の「残像」感があるアルバムとなっている。
ブラジリアンミュージックのGIRA MUNDOが手がけた「セロリ」は山崎まさよし、もしくはその提供を受けたSMAPによる曲だが、ボサノヴァの軽いリズムが心地よい。すこしけだるい夏の午後、と言う風情。GIRA MUNDOのギターとKeikoの軽やかなピアノ、ヤマカミヒトミの流れるようなフルートが絡み心地よい。
「Point Of No Return」はCHEMISTRYの2ndシングル。オリジナルも声の力を感じた作品だが、このヴァージョンではbirdの古巣?MONDO GROSSOと親交がある南米系音楽のギタリスト兼ソングライターsaigenji が多重録音のギターで伴奏する。birdのメロディに寄り添う右chの対旋律がいいなぁ...
ソウル系ロックバンド真心ブラザーズの「サマーヌード」は会社員ギタリスト、ケンモチヒデフミ(釼持英郁)がバックアップ。マルチプレイヤーである彼がガットギターとベース、キーボードを弾きプログラミングで支える。自身のHPで(以下引用)私には高価な機材も、立派なスタジオも、素晴らしい演奏テクニックも、しっかりした音楽教養もありません。パソコンも使ってません。安い賃貸アパートの一室、少ない機材を使用して頭をひねりながら”気合い”でつくっています。(引用ここまで)という彼が気合いで創った?スピーディーなアレンジ。ギターのカッティング中心のイントロから歌がはじまるとベースとパーカッションが中心のザクッとした味わいに、Bメロで入るキーボードの広がり、そのままの風合いでCOOLなサビと音場・音像の変化が楽しい。この曲はぜひヘッドホンで聴いてほしい。
自身のヒット曲「BEATS」をレゲエ調にアレンジしたものも含み(初回盤のみ)、ギターの存在感が大きい。そのうちかなりの割合が生ギター系。その音色とbirdのどこかけだるげな声が夏ど真ん中、というより、「夏の想い出」というカンジ。
暑かったあの日を、その時駆け抜けていった涼しい風を想い出しながら聴くようなそんな曲達です。【収録曲】()内オリジナルアーティスト
1. 青い珊瑚礁 (松田聖子)
2. ジェットコースター・ロマンス (Kinki Kids)
3. ダンシング・シスター (The Nolans)
4. セロリ (山崎まさよし)
5. Hello, My Friend (松任谷由実)
6. Point Of No Return (CHEMISTRY)
7. 青い車 (スピッツ)
8. サマーヌード (真心ブラザーズ)
9. 恋とマシンガン (フリッパーズ・ギター)
10. 夏の終わりのハーモニー (井上陽水・安全地帯)
11. BEATS -reggae version- (bird) <BONUS TRACK>
「サマーヌード」
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購入金額
2,800円
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購入日
2008年頃
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購入場所
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