そんな中で、カセットテープのような分野にまでバブルの申し子のような製品がいくつも生まれます。80年代後半には1本1,000円以上という高級テープが各社から発売されていましたが、その中でも最高価格製品の一つだったのが、TDK史上最高級となるMA-XG Fermoでした。TDKのカセットテープはベルマークの対象製品だったのですが、46分で18点(TDKのカセットテープでは、一般的にベルマークは商品価格100円に対して1点という点数付与でした)のベルマークが印刷されていました。もっとも、当時の希望小売価格は46分で1,980円だったと記憶していますので、少し控えめな点数だったといえますが…。
初代のMA-XGは、前作MA-Rと同様にアルミダイキャストフレームと、アクリル樹脂のクリアプレートを組み合わせたハーフを採用していましたが、このMA-XG Fermoはハーフの部品が細かく分かれ、それぞれに様々な素材を採用していました。表面の樹脂はFRPだったようです。
写真は保存用の未開封品ですが、使用中のものもありますのでそちらを使っての音質評価を行っています。EXCELIA (AIWA) XK-009との組み合わせでは、これが本当にカセットテープから出ている音なのかと思うほどの、素晴らしい情報量です。公称MOL(Maxium Output Level = 最大出力レベル)は7.5dBなのですが、XK-009ではそれを遙かに超えるレベルの録音でも余裕で耐える実力がありました。
もっとも、この後は高級カセットテープどころか高級カセットデッキ自体が滅んでしまい、これを超える水準のカセットテープは二度と発売されることはありませんでした。私個人としては最も気に入っているカセットテープがこの製品です。
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購入金額
480円
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購入日
不明
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購入場所
harmankardonさん
2013/10/10
一杯貯めたカセットテープは,何処?
jive9821さん
2013/10/10