レビューメディア「ジグソー」

飛翔前夜

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。地道に音楽活動していたアーティストが認められ、実力にセールスが追いつくときがあります。「ブレイク」、まさに突然世に認められ売れ始める瞬間。けれど才能というものは瞬間に開花するものではありません。そのブレイク以前にはその瞬間に発展するような進展、その華を支える芽吹きがあったはずです。そんなブレイク前夜の力が入った作品をご紹介します。

KATSUMI。以前ご紹介した

20世紀末に輝いたアーティスト。デビュー当時からパワーあふれる歌声と彼の書く良質でキャッチーな楽曲で注目され、CFとのタイアップなども多かったアーティストだが、当初から注目されたわりには一般的に開花するのは遅く、5thアルバムの“SUPER BALANCE”でのオリコン1位が頂点。本作はそれに先立つこと1年、直前の4thアルバム。

もともと久保田利伸をキャッチーにしたような、角松敏生をディープにしたようなR&B、ファンク、フュージョン、AORを内包するようなクロウト受けするJ-POP路線だったが、かなり磨きがかかってきて一般受けもするようになった作品たちが集められている。

「Real Time Of The World」はアレンジとしてはTOTOのような、明確なビート感はあるのに、2/4を挟んだり、スネアの位置をはずしたりして変拍子感を出したシカケのあるロック。それにKATSUMIの色気のあるヴォーカルが乗る。鳥山雄司

のギターソロもストーリー性があるもの。最後の全楽器ユニゾンのシカケもTOTOっぽいな。

「Every Time You Walk」はパーティのようなSEの後始まる疾走感あるJ-POP。生ブラスのオブリのラインと、オルガンっぽい音が芯にあるシンセのコードとシンベのコンビネーションがイイ!駆け抜けるサックスソロは20世紀末のPOP系サキソフォニストといえば、の“King of Sax”ことJake H.Concepcion!華を添えるのは初期の久保田利伸のライヴに同行していた女性コーラスグループAMAZONS。

「The Force-Energy Mix」は荘厳なまるでバロック音楽のようなイメージがある(実際にはぜんぜん違うけどw)ハイパーロック。パイプオルガン風の音で厚く彩られ、ゴスペルチックなパワーがあるコーラスがかぶさって高揚するアレンジ。跳ねるリズムで前へ前へと引っ張る。KATSUMIが好きだというQueenの故Freddie Mercuryを髣髴とさせるハイパートーンヴォーカルが気持ちいい。

ビッグヒット前のアルバムとして注目度はやや低い作品ですが、「売る」ための小細工を弄していない、好きなことをやって上昇気流に乗っている爽快感があります。結構なアナ、アルバムです。
なんか力(FORCE?)入ってますねw
なんか力(FORCE?)入ってますねw
【収録曲】
1. 明日に架ける夢
2. Real Time Of The World
3. 君と出会えたこの場所
4. 瞳を閉じて
5. Every Time You Walk
6. I Don't Know Why…?
7. Paradiseの子供達
8. Life Game
9. 楽しかった時を忘れないで
10. The Force-Energy Mix

「Every Time You Walk」

  • 購入金額

    3,000円

  • 購入日

    1993年頃

  • 購入場所

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