RATOC製のポータブルヘッドフォンアンプです.特徴は,バランス駆動型になっている事です.
入力が3.5mmステレオミニのアナログしかありませんから,フルバランスにはなりませんが,バッテリー駆動で,ヘッドフォンに特化したお手頃モデルになります.
フジヤエービックで3,990円で売られていたので,思わず確保.通販でも同じ価格で売られています.もう2年以上前のモデルなので,在庫処分でしょうか.発売時の価格は18800円で,今,RATOC直販でも15,223円です.それが3,990円ですから,自作キッで作るより安いです.バランス出力が2.5mmモノラル×2という構成なので,汎用性はありませんが,変換ケーブルを作れば問題解決です.
バランス出力が特殊なため,付属品として,2.5mmモノラルプラグが2個付きます.このプラグで,手持ちのヘッドフォンを改造しなさいということのようです.改造マニアルもあります.
この改造可能なヘッドフォンは,プラグ部まで4芯で接続されているものです.2線×2本のタイプなら間違いなく改造可能です.ケーブル1本の場合,2芯なのか4芯なのかを見分けるのは難しいです(専用テスターもありますが).ヘッドフォン側で,L/Rそれぞれに接続している場合でも,途中のY部で,変換している場合もありますから,安心できません.
付属品は,シリコンジャケット,2.5mmモノラルプラグ2個,3.5mmのステレオケーブル,取説,ケーブル改造マニアルです.
ポタアンなので,ハイインピーダンスのヘッドフォンには基本対応しません.ヘッドフォンを改造する場合には注意が必要ですが,HD650用のケーブルが販売されいますので,能率が高ければ大丈夫なのかもしれません. 実際,HD650をバランス化しましたが,問題ありませんでした.
バッテリーは,単3電池3本で,3.3~5V対応なので,充電池もOKです.HP上では,SRH180で,50時間とあります.
あと,ポタアンといいながら,ボリューム機能がありません.プレイヤー側で調整することになります.アナログ出力ではなく,必ずボリューム付きのヘッドフォン出力に接続しなければなりません.
スイッチは,電源ON/OFFしかなく,非常にシンプルな構成です.
ヘッドフォン出力が,2.5mmモノラル2本なので,ヘッドフォン側で改造が必要です.その旨,注意書きがあります.
では,早速ケーブル作製.
使用するヘッドフォンは,HD650にします.インピーダンスが300Ωもありますので,ポタアン向けではありませんが,チャレンジします.
使用するケーブルは,こちら.オリジナルではなく,サードパーティのHD25用ですが,コネクタが同じなので,HD650でも使えます.
Agメッキ銅線なので,解像度が非常に良くなるケーブルです.長さが1.2mなので,ポタアン用途に向いています.
3.5mmプラグ部で,ケーブルカット.3.5mmプラグは再利用します.
テスターで,LとRを確認しておきます. ホット側は接続を変えれば済みますが,対になるコールド側を間違わないようにします.
2.5mmプラグに交換/半田付け.
プラグは付属品ではなく,2.5mmミニミニモノラルプラグを使用します.2.5mmモノラルプラグって,まともなものがないんですよね.これは,50円/個くらいで買えます.
HotとColdを間違わないように半田付けし,熱収縮チューブで補強して,完成です.
では,聴いてみます.
すごくパワフルな音なのにスッキリとした聴きやすくなりました.そして,音の厚みがまします. 高域より,低域にメリットがある感じです.
PCMよりDSDの良さが際だち,P2Dも存在感が増します.
HD650でも全く問題無く音量が取れます.駆動できているかは別の問題ですが,前段のHPAに影響されている感じです.
HD650は,バランス駆動で聴いてこそその真価がわかると言われていますが,その片鱗を見た感じです.
据置のフルバランスで聴くと,さらに素晴らしい予感がします...(危険な香り)...
2台目は,オーテクのATH-AD2000もバランス化してみます.このATH-AD2000はリケーブル対応ではないので,バランス化するとバランス接続専用になります(変換ケーブルで元に戻りますが).オーテクとしては,ハイエンドですが,既にケーブル修理しているので,躊躇無く"切断".
使う2.5mmモノラルプラグは,同じLinkmanのものです.LとRのペアを間違わないようにすればよいので,作製自体は簡単です.
ATH-AD2000のケーブルを少し長めに切りましたので,コレで3.5mmのステレオケーブルを作りました.
2.5mmモノラルジャックを入手しましたので,バランス→アンバランス変換ケーブルも作りました.
これで,バランス化しても3.5mmステレオプラグとして使用できます.
ATH-AD2000は,HD650ほどのバランス化効果はありませんでしたが,低域が厚くなり,奥行きが出ます.やはり,バランスで聴かないと損した気になります.
3台目は,DT990Proです.
バランス化&リケーブルを合わせて実施しました
DT990Proも低域が厚くなり,奥行きが出ました.そして,解像度も上がった感じです.どちらの効果がおおきかわかりませんが,改造は正解でした.
こんなポータブルで,しかもフルバランスではないのに,しっかり効果があるのは驚きに値します.
この値段なら,買わなきゃ損!と言い切れます.
軽く分解
中身が気になって,バラしてみました.
入力カップリングコンデンサの変更は,厳しそうです.交換すると,カバーが出来なくなります.
あと,電源は,コネクタだったので,3.6Vバッテリーが使えそうです.ただ,いちいち開けるのは面倒なので,そのまま単4でいいかもしれません.
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購入金額
3,990円
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購入日
2015年09月11日
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購入場所
フジヤエービック
退会したユーザーさん
2015/09/19
正直ケーブルとかいろいろ大変そうなので毎回見送っておりました。
とりあえず確保しとく事も考えたりはしてるのですがどうしたものか・・・・・・
harmankardonさん
2015/09/19
この金額なら,十分ありです.
問題は,2.5mmモノラル×2というところだと思います.XLRは無理にしても,4極ならまだよかったかもしれません.ほとんど売られていないので,自作するしかありません.
本格的にバランス駆動HPAを購入するまえに,これを試すのはありだと思います.
あれだけのコレクションを,バランスで試聴しないのはもったいないです.
大型のプラグや地雷ケーブルでなければ,ケーブル自作は,少し練習すれば,ハンダ付け出来ます.今回の2.5mmモノラルのハンダ付けは,簡単です(付属品はまだ使っていませんが).
本格的なリケーブルにも対応できますから,ここは飛び降りましょう!
退会したユーザーさん
2015/09/19
harmankardonさん
2015/09/19
電線沼にはお気をつけください.
mr_osaminさん
2015/09/20
ECHUあたりだったら変更できるかもしれないですね。
harmankardonさん
2015/09/20
そうですね,チップコンデンサなら大丈夫かもしれませんが,私には実装が難しいので,おとなしくしています.