レビューメディア「ジグソー」

表舞台との決別

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。音楽アーティストの活動の場は必ずしもメジャーレーベルからのCD(レコード)発表だけではありません。ライヴ活動、他アーティストへの楽曲提供/演奏参加、最近ではダウンロードによる創作結果配信という手法もあります。メジャーレーベルと契約しながら早くからそれと決別しインディーズレーベルで精力的な活動を続けるアーティストの作品をご紹介します。

荒木真樹彦。何度かご紹介しているが、

メジャーでの活動後、インディーズで息の長い活動をしているアーティスト。センスのいい、キャッチーな曲を書くため、他者への楽曲提供

でも存在感があるが、彼自身も上手いヴォーカルを聴かせるので、結構好きなアーティスト。そんな彼が地下に?潜る前、メジャーレーベルでの最後の作品(4th)。

1stのマルチプレイヤーな彼、2ndのキャッチーな彼、3rdの研ぎすまされた彼、と来て今回は時代を取り入れた。

「パラドックス」。ちょっと時代を感じさせる小刻みにランニングするシンセベースと硬い打ち込みの上で荒木が大きく拍をとって唱う。ギターがイイ!!最近あまりないようなアームバリバリに使ってディストーションがよく効いたヘヴィな音色でプレイされるどことなく懐かしい感じのヘヴィメタル風のソロ。

「月とルーレット」はガムラン風の異国情緒あるパーカッション、打ち込みのスラップ風のカタイベースパターンに載せてオンタイムディレイで輪唱風に加工されたボーカルが乗るかなり実験的な曲。

「僕だけが愛せない顔」は1コーラス目がほぼエレピ1本がバックのバラード。コード進行が印象的で長短調がはっきりしない。エンディングに突然現れる生ギバックの女声コーラスが入るフレーズがシカケ。

ちょっとハウス風の感触。打ち込みのリズムを前面に出して、でもかなり色々なトライをしている。でもそれが必ずしも彼の魅力と思われるものを引き出していない。

実はメジャー4作目の本作はレーベルを移動したあとの作品(ワーナー・バイオニア⇒キティ)。メジャーレーベルの音楽制作には様々な制約が付くことが多い。当時流行っていた打ち込みのテイストを入れるような方針であったのか、ちょっと彼の良さが発揮できていない感じ。この1作でキティを表舞台を去る彼は、既にインディーズ活動の方が遙かに永くなっている。でも、最近の彼はとても自由に色々な作品を発表している。

自分のやりたいことで食べる、それがアーティストのような人種にとっても難しい事なんだな、と感じた作品です。
タイトル曲の「Real」も結構実験的?
タイトル曲の「Real」も結構実験的?
【収録曲】
1.Real(prelude)
2.Kiss痛い
3.パラドックス
4.夜の千の瞳
5.Real
6.月とルーレット
7.Miss July
8.悲劇
9.CRAZY LOVE
10.~Drive into the night~
11.僕だけが愛せない顔
12.デッサン
13.All for Love

「Real」

  • 購入金額

    1,100円

  • 購入日

    2007年07月16日

  • 購入場所

    Yahooオークション

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