本当はIvy Bridge-E系統のCPUが欲しかったのですが、憧れの物理8コア(HyperThreadingにより16スレッド)CPUが割と安く手に入るということに気付き、しばらく使ってみようと思い買ってみました。
Sandy Bridge-E系統としては最終リビジョンとなる、C2ステッピングのXeon E5-2670(S-Spec SR0KX)です。定格周波数は8コア16スレッド、2.6GHz(Turbo Boost時最大3.3GHz)、スマートキャッシュ 20MBというCPUです。
元々使っていたCore i7-3930Kは6コア12スレッド、3.3GHz(Turbo Boost時最大3.8GHz)、L3キャッシュ12MBというものでした。Sandy Bridge-E系のCPUはスマートキャッシュがCPU 1コアごとに2.5MBという設計なのですが、6コアとしては廉価版となっていたCore i7-3930Kでは1コア当たり2MBと削減されていたため、キャッシュの量に大きな差が付くこととなっています。
今回はCore i7-3930Kからそのまま差し替えて使うため、マザーボードも同じASUS P9X79を利用します。
P9X79のCPUサポートリストにXeon E5-2670の記述は無かった気がしますが、まず問題は無いでしょう。後継のIvy Bridge-EとなるXeon E5-2670 v2はあったと思いますが…。
万が一駄目でもASRock X79 Extreme4も控えていますからね。
クロックを取るかコア数を取るか
結論から言えば、特に問題なく差し替えただけで動作しましたが、念のためBIOSのアップデート等は実施しました。
まずはCPU-ZでCPUの詳細を確認します。本来Xeon E5-2670はQPI 8GT/sに対応しているのですが、この環境では6.4GT/sで動いているようです。
なかなか面白いのは、6コアのCore i7-3930KがTDP 130Wであるのに対して、Xeon E5-2670はTDP 115Wに収まっているという点でしょうか。実際に負荷をかけ続けてみても、Core i7-3930Kよりも明らかに低い温度で動いていることがわかります。
しばらくベンチマークを連続で動かした後の温度がこちらです。Core i7-3930Kは同じような使い方をすると簡単に70度台に達していたのですが、こちらは最も上昇したコアでも60度で収まっています。同じアーキテクチャで2コア増えていながら、発熱は少ないという辺りは大いに評価できるでしょう。
もっとも、それだけにクロック周波数は犠牲となっていて、定格周波数では700MHzもの開きがあります。それでも、Xeon E5-2670では割合簡単にTurbo Boostの周波数を利用するようで、3.3GHzで動くようなシーンも少なからず見受けられましたが。
8コアもあればコア数が活きるような用途であればそれなりのパフォーマンスを発揮することはわかりきっていますので、今回は敢えて動作クロックの方が影響しそうなテストを実施してみました。
まずは3DMark FireStrike 1.1です。
以前Core i7-3930Kで出した値と殆ど変わらないものとなりました。以前の結果はGeForce GTX 970の拙レビューでご覧いただけますので、そちらでご確認下さい。
差し替えて速くなるというわけではないのですが、クロック周波数の差の割には健闘しているというべきでしょうか。ついでにFinal Fantasy XIVベンチも計測してみました。
フルHDの最高画質(DirectX9)での結果です。実際に描画を見ていると、ピーク時でもそれほど速くはならない代わりに、重いシーンでもコマ落ちせずに粘るという印象がありました。この辺りはスマートキャッシュの量が増えていることが影響しているのかも知れません。
このCPUの持ち味は、コア数が活きる用途で真価は発揮するものの、通常用途でも快適さを保てる程度の性能は持ち得ていて、しかも思いの外低発熱であるという辺りでしょうか。まあ、それでもIvy Bridge-Eを導入するまでの繋ぎになってしまうとは思いますが…。
-
購入金額
14,800円
-
購入日
2016年03月07日
-
購入場所
ヤフオク
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。