ふきのとう。北海道出身の山木康世と細坪基佳で構成されたフォークデュオ。デビュー曲「白い冬」が大ヒットし、その5年後中興の大ヒットとして「春雷」
を持つ。他にも「風来坊」「やさしさとして想い出として」「星空のページェント」などのヒットがあるが、売上的に華々しいというよりは「記憶に残る歌」を残してきた。
そんな彼らが残したラストアルバムが本作。一応セルフカバーベストの様式を採っているが、最大ヒットの「白い冬」が入っておらず、そういう意味では「ベストヒットアルバム」ではない(「白い冬」に続く大ヒット「春雷」も、「雨降り道玄坂」「風来坊」などの有名曲も入っていない)。フォークデュオ、と言ってもアルバムの大部分の曲やコンサートではバンド形式で活動してきた彼等が残した最終アルバムはリズムセクションレスのアコースティックアルバム。基本二人のギターとボーカルに、ゲストとして盟友今泉敏郎のピアノ、オフコースの鈴木康博らによるギター、ストリングスセクションとわずかなパーカッションで構成された「生な」曲達。「やさしさとして想い出として」このアルバムに収められた曲で一番「売れた」曲だが、オリジナルの6/8のリズムが明確なバンドアレンジではなく、ストリングスをバックに生ギターのアルペジオで綴る♪もうあなたと逢えなくなる/二人で夢に見た/手さぐりの/青春は通りすぎた/昨日の風のように/もう/あなたは冗談も云わずに/九月のことに/かかりきりみたいで/夜の街は淋しすぎて/その上/冷たすぎて/爪の伸びた小指をかみながら/こぼれる涙に言い訳していた/知らないこととはいえ/短すぎた/ぼくが/一年離れて/いるうちに/あなたが/あなただけが/こんなに/変わるなんて♪心に沁みる歌。
「初恋」。ふきのとうのラヴソングはかなわなかった男の恋の歌が多い(特に売れた曲はw)。「やさしさとして想い出として」は山木の作詞作曲、この「初恋」は細坪の作詞作曲と作者は違うのにナゼだろうか。♪貴方が嫁ぐ6月の雨の朝/綺麗な花嫁衣装に身を包み/そして/その隣には/僕が立っていると/いつも心に/そう決めていたんだ~ずっと/僕の側に/ずっと/居てくれると/信じてたのに♪
「LOVE SONG」はシングルB面(彼等の活動したのはアナログレコード(優勢)時代の1992年まで)ながらファンの間では人気の高かった曲。二人の生ギターにもう一本ギターが聞こえるトリプル生ギターでのアコースティックなアレンジ。
彼等はこのリバイバルブームの時流にも乗らず、解散後20年を経るが期間限定や一夜限りの、というものも含め一切の再結成をしていない。二人とも2013年現在音楽活動を続けているデュオ、しかも再結成すればある程度のヒットが望めるほどの知名度を持つグループとしてはとても珍しい。
かれらの解散コンサート“ever last concert”では何度も何度も名残惜しそうにアンコールに応えていたという二人。でも、そこで二人でできる事を「やりつくした」、ふたたび集まってもそれは過去の写し絵に過ぎない、そう感じられるほど「ふきのとう」としての活動を昇華させてしまったのかも知れません。もう一度二人のハーモニーが聴きたいとは思うものの、そんな二人の想いも解るような気が、します。
【収録曲】
1. やさしさとして想い出として
2. 初恋
3. 冬銀河
4. 夕暮れの街
5. プラットホーム
6. Time goes by
7. 青空
8. もう帰れない
9. LOVE SONG
10. 僕でいいなら
11. ステーション
12. 五月雨
13. 空を飛ぶ鳥
14. 一人ぽっち
15. 流れゆく河のほとりで
16. 山のロープウェイ
「LOVE SONG」-ever last version-
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購入金額
3,000円
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購入日
1992年頃
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購入場所
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