レビューメディア「ジグソー」

実質、IRST専用だがド安定。

IntelがSandForce系のコントローラーにシフトした、SSD520のmSATAモデルとして発売されたのが、このSSD525。

他社製品よりコントローラーの発熱が大きいこと、価格が割高だったことなどが災いし、鉄板製だった520に比して定番になりそこねた感はある。

 

んで、その中でも恐らくは「売りにくかった」であろう製品が、この30GBモデル。

OSを突っ込むには明確に容量不足というか、事実上IRST専用。

発売時期がSSDの価格下落した時期と被ってたこともあって、周囲でこれを買った人は皆無だった。

 


こちらは製品搭載時、裏側になる面。
30GBと小さい容量にも拘わらず、NANDチップは表裏実装。

もしかすると、実際の容量はずっと大きく、ファームなどで容量を制限している可能性もある。

 

コントローラーは、2.5インチ・モデルであるSSD520と同じSandForce SF-2281。
このコントローラーはキャッシュを内臓というか、事実上キャッシュレスに近い。
割と高速に動作する割に、チップがコンパクト(当時としては)で安価。

ただ、このコントローラー・・・当時さんざん検証されたから既知だろうけど、公称値に比して実際の書込速度、特にベンチマークが低くなる傾向がある。
これは主に、読み書き時にデータを自動的に圧縮転送するせいなのだが、ベンチマークで言われるほど低い訳でもない。

こちらがベンチマーク結果。
本来なら、SF-2281搭載のSSDはもっと高速に動作するはず(読込500MB/s前後)だが、アクセスするチップの数が、搭載している四枚中一枚だけに制限されている可能性がある。
また、やはりSandForce系チップの特性上、書き込み速度がランダムだとかなり低い。

SF-2281で最も高速に動作する、0Fullでのベンチ結果がこちら。
やはり圧縮効率の良い0Fullだと、書込み速度は一気にハネ上がる傾向。
それでもなお、上限が280前後に留まっていることから、アクセスしているチップの数が減らされているとしか思えない。

なお、体感的にはこの双方の中間くらいだ。
ランダムアクセスでも、ここまで極端に落ちるのは稀なので、普段の動作で困ることはほぼ無い。

更新: 2017/07/23
使用感

IRST用と割り切るなら十分

 
DQ77MKのmSATAスロットに搭載し、IRSTによるHDD用キャッシュとしてみた。
チップが基板側に向いてしまう仕様なので、本来なら発熱が大きめの本製品としてはちと不安を覚えるところだが、今回その仕様を逆手にとって「チップとの間に熱伝導パッドを挟み、マザーに熱を逃がす」ようにしてある。

 

 

この措置で割とSSD全体の発熱が低減する傾向。
これをやるには厚めの熱伝導パッドが必要なので、ちと入手性は悪い(私は以前バラしたビデオカードのVRM用パッドをポチ袋保存しておいた)のだが、効果は結構ある。

んで、とりあえずIRSTについて。
既に、IRSTは後継であるintel optane memoryにシフトしているので、一足遅れの技術ともいえるが、低コストにストレージを高速化する手法としては、今でも割と有効。

 

「SSDの瞬発性とHDDの大容量」を、割と安価に一定の性能帯で得られるので「故障時の復旧方法がちと難解」っていう点を除けば悪くない。
実際、低速なノート用2.5インチHDDにOSを入れてもIRSTで高速化してやると、HDDとは比較にならない体感速度となる。

 


ただ、ベンチマーク上の数値を見ると書込み速度が極度に不安定な傾向を示す。
実際の書き込み速度はむしろHDD単体より高速なのだが、ベンチ上では妙に遅かったり速かったりするので、実際の速度を検証するのはベンチマークだと困難。

 

 

ただ、元のHDDの速度がこんなんなので、まあ十分過ぎるほど早くはなるんですが。

体感速度はほぼ完全に別物となるので、IRSTは「やれるならやったほうがいい」のは間違いない。

 

更新: 2017/07/23
総評

割り切りは要るけど、十分実用レベル。

はっきりいって、性能と容量単価、規格上既に滅亡レベルのmSATAってことを考慮すると、今更感は拭えないのは確か。

しかし、Ivybridge世代のPCでmSATAスロットを搭載しているPCのアップグレードパスとしては、十分にアリだと思う。
システムドライブを必要十分な容量と速度で動かせるという意味では、低容量SSDとIRSTの組み合わせは今以て十分に実用レベル。

無論、倍額出せば120のSSD一枚買えるので、私のように「ベンチ取ってみたいから、新規に一個調達」とかするのは今更だけども、OSの起動速度は4倍近く高速化する(58秒→16秒)し、アプリの起動速度もHDDとIRSTじゃ雲泥の差がある。

 

このIRST、ここ数年のIntelマザーなら結構使える機種多いし、普通のSATA-SSDでも組めるので、手持ちに古いSSDとか余らせてるなら、システム以外のHDD高速化キャッシュとしてみるのもあり。

ゲームとかの起動も高速化出来るので、結構まだまだ使い手あると思うよ。

  • 購入金額

    3,000円

  • 購入日

    2017年07月15日

  • 購入場所

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