レビューメディア「ジグソー」

低価格高性能でヒットしたGeForce2 MXのPCI版

当時としては先進的機能であったハードウェアT&Lを、メインストリームクラスに実装したことで大ヒットしたのが、NVIDIA GeForce2 MXでした。当然通常はAGP版を使うのですが、PC-9821シリーズでの動作を狙った我々はPCI版の方をこぞって買いました。

ただ、当時の私は3dfx Voodoo Banshee/3/4/5ばかりを使っていて、GeForce2 MXは買い逃していましたので、後日知人から格安で譲っていただいたものを現在まで持っています。

当時の定番3DベンチマークであったMadOnion 3DMark 2000は、ハードウェアT&Lサポートの有無によるスコア差が大きく、比較的安価な製品ながら優秀なスコアを叩き出すGeForce2 MX搭載カードは非常に多くの製品が発売され、店頭でもよく売れていたようです。

しかしこれはあくまでAGP版の話で、PCI版ではその頼みの綱であるハードウェアT&L使用時の性能が奮わなかったのです。ベンチマークレベルでもハードウェアT&L非サポートの3dfx Voodoo4 4500 PCIと比べても優位性はそれほど無く、体感速度は大きく水をあけられていました。

それでも多くのPC-9800シリーズユーザーがこの製品を買った最大の理由は、Windows 2000利用時に限られるのですが、殆ど工夫することなく無改造で動作してくれるという貴重な製品であったためです。通常は、PC-9800シリーズではPC/AT互換機汎用のビデオカードやストレージ系インターフェースはボード上のBIOSが邪魔して動作してくれないのですが、この製品はBIOSが一切障害とならなかったのです。

私もそれが理由で知人に1つ譲って貰ったのですが、速度はまずまず納得できるレベルであったものの、画質の悪さには閉口しました。テキストはくすみ、色も抜けが悪く、とにかく見づらい画でした。3dfxがVoodoo3 SGRAM以降急速に画質を向上させたため、到底納得できないレベルの差が付いてしまっていました。

結局この製品はベンチマーク測定時などに使うことはありましたが、常用することはないままでした。比較的安価なCRTですら画質の悪さが気になるほどでしたので。今でこそGeForce派の私ですが、この製品を使っていた頃はアンチNVIDIAだったほどです。GeForce4 Ti系で見直すまで、私のGeForce嫌いは続くことになりました。
  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    不明

  • 購入場所

6人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (3)

  • Schrödingers Katzeさん

    2013/03/06

     当時の製品で更に低価格帯のそれで、チップベンダに画質の責任を押し付けるのはちと酷な気がします。
     そんな状況があったので、リファレンス以外はダメってことになって、カノープスのビデオカードが元気なくなったりしていったわけでして。

     カノープスのそれは、お値段高いだけあって、同じチップでも画質は良かったですし(それくらいこだわるかどうかが高いか妥当かの判断基準でしょうけど)、I-O DATAのそれは、素直というか教科書どおりというか、そういう出力回りになっていて少なくとも当時基板を設計してた人は、(というか、あの時期のちょっとお高い自社設計の製品は)結構真面目な人が設計してたんじゃないかと、価格の割りにちゃんとしたパターンの基板を見て思いました。
     今は…中の人入れ替わっちゃったの?って感じの商品も多いんですけどね。

     そんなこんなでリファレンス以外のデザインは認めん!となってからは良くも悪くも最低限ある程度はまともな表示がどんな安物でも出るようになってると思います。
     まともな設計の板でも同じ感想でしたら、チップが犯人かもしれませんし、確かにあんまりいいという評判はない石ですが、画質といってもこだわる部分は人によって異なりますしね。
  • jive9821さん

    2013/03/06

    コメント有難うございます。

    一応このレビュー自体はあくまでinnovision製品についてのものですので、その点は誤解無きようお願いします。もっとも、ろくでもない製品に当たってしまったことで、ボードだけではなくチップベンダーに対しても悪印象を持ったという部分は否定できませんが。

    ただ、PCI版のGeForce2 MXについてはinnovison製品しか使ったことはありませんが、AGP版は5~6枚程度各社の製品を使った上でのGeForce2 MX(MX200/MX400も含みますが)への悪印象であったことはお断りしておく必要があるでしょう。今ではかなり売却したり捨ててしまったりしてしまいましたが、以前はこの世代のビデオカードは多数所有していましたので。
    当時単に使ったというだけであれば、GeForce2 MX搭載製品として最高の評価を得ていたCanopus SPECTRA F11も含まれます。この製品は確かに他社製よりは数段マシな画質ではあったものの、これはテキストの明瞭さが変わってくるという部分での改善であり、発色などその他の部分での弱点は多少マシになっただけで根本的には残っていたと思っています。私が使っていたCRTとの相性が悪かっただけなのかもしれませんが、いずれにしても好印象にはほど遠かったことは間違いありません。

    GeForce系はその後GeForce3でELSA製を使い、GeForce2MXよりはマシになったという程度の感想で、GeForce4 Ti4400/4200をSPARKLE・Albatron等の製品で使った結果(Palit製品はそれでもイマイチでしたが)として大幅に見直して、それ以後使い続けているという流れです。

    ボードの設計で画質が大きく変わるというのはご指摘の通りで、私自身過去のレビューで3dfx Voodoo3はSDRAM版とSGRAM版とで別次元とも思えるほど画質の差がある(チップ自体は勿論同じものです)という点について記述させていただきました。

    GeForce2 MXはCanopusが頑張ってもそこまでの画質にならなかったと考えると、やはりチップそのものの出来に問題があったのではないかと思っているのです。結局SPECTRA F11も常用することはないだろうと考えてすぐに手放してしまった程でした。
  • Schrödingers Katzeさん

    2013/03/06

     そういう経緯でしたら、「チップの特性」が納得いくものではなかったのでしょうね。
     ただ、「この製品」と「GeForceはダメ」がセットで書かれているので、画質の定義によっては、板の設計のほうの問題も時期的にはあったのではないか?という話です。

     個人的にはテキストがにじんだりしなければ問題はないですし、発色なども好みがありますので。

     少なくとも求めているものが、周辺回路どうこうで済むものではなさそうなので、その状況なら、チップがダメだったという感想はきっと妥当なのでしょうね。

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