1月22日に発売された、DELLのU2713H。
27インチ、2540×1440ドットという解像度に、Adobe RGBカバー率99%、sRGBカバー率100%および120%(CIE 1976)に加え、出荷時に1台ずつキャリブレーションを行っているというハイエンドモニターです。
パネルも今時らしくIPS+LEDバックライトという組み合わせになります。
詳細なレビューは他のサイトにもありますので、気づいた点などをさらっとご紹介。
■価格
DELLでの定価は69,980円、期間限定割引で56,980円でした。
楽天店でも同額+ボーナスポイント還元でかなり安く買えたようで注文が殺到→製造が間に合わず納期遅延という問題が発生しているようです。
DELLのモニターは定期的にキャンペーンを行っていますので、狙っている方はDELLのメルマガを申し込んでおくとお知らせが届きますので、気になっているかたはDM登録がお勧めです。
■仕様
主な使用は下記の通りとなります。
最大解像度
2560×1440ドット/ドットピッチ0.231mm
スクリーンサイズ
27型(非光沢/AH-IPS/LEDバックライト)
視野角
上下/左右とも178度
応答速度
6ms(中間色)
輝度
350cd/平方m
コントラスト比
1,000:1(最大200万:1)
色域
Adobe RGBカバー率99%、sRGBカバー率100%および120%(CIE 1976)
インターフェイス
デュアルリンクDVI-D ×1
DisplayPort 1.2 ×1
Mini DisplayPort 1.2 ×1
HDMI ×1
USB 3.0ダウンストリームポート×4
DisplayPort出力(標準およびMini)
音声出力
デル製サウンドバー用DC電源コネクタ(AX510)
SDカードリーダ
最大消費電力
標準60W/最大130W/待機時0.5W未満
■広大な解像度とIPSによる高画質
なんといっても最大の特徴は2560×1440ドットという解像度と、Adobe RGBカバー率99%という広い色域でしょう。
2560×1440ドットの解像度は圧倒的で、1920×1200ドットの液晶から乗り換えた時はそれほど広く感じませんでしたが、いざ使ってみるとものすごく広いのが体感できます。
特に、縦が1200→1440ドットと240ドット大きくなったのが便利です。
サブモニターが1600×1200ですが、メインモニターでちょうど良いサイズに調整したウィンドウをサブモニターに持っていくと(当然ですが)収まりきらず縮めて表示することになり、大きさの違いが実感できます。
解像度の差。2560×1440はこれだけ巨大です
発色は文句なし、といったところ。
もっとも、前に使っていたDELLの2407WFPはマッハバンドが凄まじく、しかも暗部のコントラストが破綻しているので比べるべくもないのですが。
大きい画面ですがIPSパネルを使っていることも有り、視野角がとても広いので色調が変化することもありません。
カラーモードもRGBのほかにYPbPrも持っており、色空間もAdobeRGB、sRGBなどから選択が可能。
もちろん、ユーザープリセットも可能です。
■ぎらつきもなく、目が疲れないノングレアパネル
ぱっと見た目の発色が良いグレアパネルの液晶が多くなっていますが、やはり液晶はノングレアに限ります。
グレアパネルは映り込みがどうしても耐えられないんですよね…
なので、メインPCやノートPCをはじめ、液晶はすべてノングレアのものを使っています。
このU2713Hもノングレア処理がなされており、映り込みもないのでとても見やすく、疲れません。
今まで使っていた、SAMSUNG S-PVAパネル採用の2407WFPのようなギラツブもありません。
現在はサブモニターがこれまたギラツブで悪名高いLG S-IPSパネルを採用した液晶なのですが、U2713Hと並べるとその差歴然です。
マクロレンズで撮影してみたところ、画素の開口率が大きく、ほぼパネル全面で発光しているのがわかります。
素子の開口率が小さいと、どうしてもギラツブ感が生じてしまいますが、この写真のように開口率が大きいのも、画面が見やすいひとつの要素だと思います。
素子をマクロレンズで撮影。開口率の高さがわかります
■大解像度はRAW現像などにきわめて便利
2407WFPでは破綻していた暗部のグラデーションがきちっと表示されるようになったこともあり、今まで感覚で処理していたRAW現像がちゃんと絵を見て確認できるようになったのは、とても大きなメリットです。
さらに、解像度が大きくなってSilkypixなどのメニュー画面を表示してもその広さは快適そのもの。
フルHDモニターのさらに外にツール類のウィンドウをおいて、画面全体を作業に使える、といった感じです。
■3Dゲームも出来るが、いくつか注意が必要
ゲーム用と謳っている液晶ではありませんが、3Dゲームも問題無くプレー可能です。
(といっても、比較対象が2407WFPなのでそこはご了承くださいませ)
3Dゲームでのメリットは、大解像度によるきめ細かい表現。
ppiが増えている分、精細な表示が可能です。
しかし、その分グラフィックカードに負担が増えますので、注意が必要です。
それなりに遊んでいる3Dゲームといえば、我が家はTERAくらいなものですが、TERAも1920×1200から2560×1440に変更したとたん、負荷がぐっと増える結果となりました。
950MHzにオーバークロックしたGTX580を使って、クォリティ最高設定で町中だと30fpsを切ることもしばしばあります。
狩りをしているときなどは60fpsは出ますので問題ありませんが、やはり解像度が増えた分、処理の負荷が上がっているのが感じられます。
場合によっては、ビデオカードの買い換えが必須になる可能性がありそうです。
また、本体側のスケーリングがあまり優秀ではなく、ゲームを遊ぶならGPU側でスケーリングを行った方が良さそうです。
下記のサンプルはFF14ベンチマーク(旧バージョン)を1920×1080で実行した際の写真です。
顔の輪郭がLowモード並にかなり崩れているのがわかります。
GPU側でスケーリングを行う設定にしたところ、輪郭の段差はかなり解消され、違和感は無くなりました。
Dot by Dotではなく、スケーリングを使ってゲームを遊ぶ際は、あらかじめビデオカード側でスケーリングの設定を変更しておいた方が良いかと思います。
U2713Hでのスケーリングサンプル。肌の境目や瞳、口あたりが荒れているのがわかる
■DualLink DVIまたはDisplayPort必須
接続はHDMIなども可能ですが、HDMIの場合は1920×1080のフルHDまでしか使用できません。
これ以上の解像度の場合、DualLink DVIかDisplayPortが必須になります。
最近のビデオカードであればDisplayPortを持っているものも多いですし、無かったとしてもDualLink DVI端子があると思います。
DisplayPortの入力端子は2つあり、標準サイズとミニサイズとなります。
添付するDisplayPortのケーブルが、標準-ミニのコネクタサイズなので、接続する機器にあわせてどちらかに繋げばOKかと思います。
DisplayPortの出力端子も標準サイズとミニサイズのコネクタがありますので、デイジーチェーンで複数のモニターを接続することが可能です。
■USB3.0 HUBとカードリーダーを搭載
本体にUSB3.0のHUBを内蔵しており、画面の向かって左側にUSB3.0×2ポートとカードリーダーが、背面にもUSB3.0×2ポートがあります。
私が使っているケースは古いため、USB3.0はマザーボードの背面か基板上にしかコネクタがないため、ディスプレイにHUBがあるのは便利です。
また、カードリーダーもUSB3.0に対応しており、UHSには対応していないもののそれなりに高速に転送が可能です。
内蔵カードリーダーのベンチマーク結果
■樹脂感はあるものの安っぽくないフレームと、使いやすいOSD
本体は無塗装の樹脂製ですが、表面にヘアラインというか筋加工がしてあるので安っぽさはありません。
ヘアライン的な加工がされたベゼル
OSDは物理的なスイッチではなく、タッチセンサーによる操作となります。
指を近づけるとセンサー部分のLEDが点灯、操作可能なボタンが光る仕組みとなっています。
タッチセンサーですが感度も良く、触っても反応しないといったことはありません。
最初に表示されるメニュー項目の3つを自由にカスタマイズできますので、よく使う機能をセットしておくとかなり便利に使えます。
OSDを操作するタッチセンサー部分
また、PCにインストールしてモニターを制御できるDell Display Managerというソフトもあります。
使うアプリケーションによって色空間やディスプレイのモードを変更することが可能。
私の場合は勝手に変更されるのが嫌いなので、モードは手動設定にして使用しています。
■使いやすいスタンド
DELLのモニターで気に入っているのは、高さ調整が可能な使いやすいスタンドが付属する点。
最近の安価な液晶は高さが固定のものが多いのですが、私は下にスピーカーを置いていることもあって、高さ調整が可能なスタンドは外せません。
HPやSAMSUNGなどの液晶も使っていますが、いずれもスタンドの出来という点ではDELLが一番気に入っています。
HPのLP2065のごっつさから比べると、とてもスマートで便利。
ケーブルを通す穴があるので、そこからケーブルを裏に出せば見栄えもスッキリです。
■WUXGAを超える解像度は欲しいが、あまり大きな液晶は…という方にお勧め
24インチワイドのWUXGA液晶モニターのU2412Mが幅513.5 mmですが、27インチのU2713Hは639.3mmと、その差は約13cm弱。
30インチ液晶になると幅は700mm程度になりますので、幅2560ドットの液晶としては、小ぶりで使い勝手が良いサイズだと思います。
また、IPS液晶&LEDバックライトでとても見やすく、発熱も抑えられています。
出荷時にキャリブレーションを行っているので色の表現性も良好かと思いますし、長く使える大解像度の液晶ディスプレイを探している方には、お勧めの液晶かと思います。
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購入金額
56,980円
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購入日
2013年03月頃
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購入場所
garpさん
2013/03/31
色々と迷っていましたが、このレビューを拝見して、
お安く手に入るようなら購入したいと思いました。
はるななさん
2013/03/31
私、実は大きすぎて返品したことあります。
(24インチと交換していただいたのですけど)
次回買うときは、また悩んでしまいそうです
ちょもさん
2013/04/02
キャリブレーションの程度は他の同様のモニターとの比較ができないので詳しくは検証できませんが・・・DELLっぽい味付けは残っているような気がしますが、今までの2407WFPよりは遙かになめらかで自然な画質ですね。
唯一の不満は、今までが16:10の液晶だったこともあり、できれば縦1600pxあれば・・・というところですが、今までの1200pxよりも多い1440pxなので、実際には十分満足です。
はるななさん:
店で見るのと自宅に置くのでは、だいぶ違いありますよね。
30インチなんて買った日にゃ、机の上に置けるのだろうか・・・
そもそも目とモニターの距離は一定なので、視野に入るのだろうか・・・