レビューメディア「ジグソー」

寒いなら火をつければいい

 やっぱり寒いときはですよ。気分的に。というわけで自室の暖房はコイツです。

 例え氷点下の室温でも一気に周囲を暖める文字通りの熱量。赤く染まる燃焼筒が見た目にも暖かい。というか熱量がありすぎて関東で1部屋温めようとしたら部屋が暑くなるレベル。


 

更に天板でお湯を沸かせる。加湿器もいらないし、モチだって焼ける。ついでにパスタも茹でられるし、時間を調整すれば紅茶用だっていける。うめー。
 但し生半可な寒さの場合茹でたり煮たりしてる間に部屋が過剰に暖まるのだけど。ちなみに注意書きには「ヤカンや鍋をのせないでください」とある。PL法って大変だな!


 
そして電気がいらない。コレステキ。停電時も使える?そんな非常時の事は考えたくありません。電気系統の弱いボロ家でも思う存分ハイエンドパソコンに電力を回せるし、ブレーカー遮断の心配も無し。ついでに沸かしたお湯を使えば冬でもパソコン掃除が寒くない。


 灯油の補充が面倒?換気が必須?確かにそうだ。でもそういう時くらい生身で寒さを感れば、ストーブの暖かさにありがたみが出るってもの。
 
 確かに子供がいると危ない。まあ火は危ないもんなんだから1回2回ヤケドさせて体で覚えりゃ…いややっぱ危ない。私は子供の頃何度も石油ストーブでヤケドした。もちろんペットにも気をつけよう。何より燃料を目の前で燃やしているのだから火災のリスクは高い。物で溢れる部屋には全く向かない。今年もストーブを出す為に部屋の半分を大掃除だ。

 


 ああなんと扱いにくい。なんと面倒な。お湯なんてガスコンロで沸かせばいいだろ。加湿器だって安いだろ。でも子供の頃から暖房といえば石油ストーブ。

部屋の電気系が弱いので極力他の家電(パソコン)に余裕を持たせたいというのと、構造上エアコンの増設が難しいという理由もあるものの、結局寒さが大したことではない関東平野部でコレを使っているのは「慣れているから」くらいしか合理的な理由が思いつかない。




…さて、我が家で使っている3台の石油ストーブの中で唯一21世紀製なのがコイツ。後は20世紀の産物だ。一番古い1台が変え芯さえ入手できなくなったので2009年に買い換えたもの。
単なる石油ストーブといえど、他の部屋で使用している昭和製や平成初期のモノと比べると色んな箇所が進化・変化している。


 
特に珍しいのが灯油タンクを背面に持っていったレイアウト。コレにより幅を抑えて今までの石油ストーブとは変わったデザインを持ちつつも、どこか対流式のストーブを思い起こさせるレトロさも持ち合わせている。


 
実用上は(周囲にスペースが必要なのもあり)大差ないのだが、キャリングハンドルとあわせて持ち運びや収納時は扱いやすい。但しタンクが背面に行った弊害で、昔ながらの燃料残量のぞき窓が無く、恐らく重さで感知しているであろうインジゲータが表にあるのみ。
これがどうも昔ののぞき窓タイプに慣れた身にとっては扱いにくく、結局燃料タンクを持ち上げてどの位入っているかを確認してしまう始末。

一方着火装置は昔のガスコンロのような「チッチッチッ」というタイプではなく、乾電池4本を使用する高電圧タイプになってて、レバーを着火部までさげると「ピーーーーー」という電子音がする。例えるなら電池の切れたドリームキャスト用ビジュアルメモリ(わからねえよ)。


 
石油ストーブは大抵この着火部が故障し易く、他のストーブはマッチで着火しているのだが、RS-H297E/Bの着火部は4シーズン目を迎える今年も着きやよく壊れる様子が無い。また電池も新品購入時からずっと同じ電池を使用している(オフシーズンは当然取り外しているが)。

 

また灯油タンクの側も複雑な構造を持った「こぼれま栓」とやらになっており、確かに零れないのだが、オフシーズン前の灯油抜きはしっかりと説明書を読まないとできない。親が説明書を読まず昔のストーブの調子で灯油を抜こうとしたらまるで抜けなかった。
まあ逆をいえばそれだけ灯油が出難い構造になっているという事だろう。


 ニオイセーブ機能も優秀で、昔の消したら換気必須のような石油臭さはだいぶ軽減されている。構造的にはほぼ完成されたジャンルと思いきや、芯を何度も交換しているような老兵と比べると効率や扱いやすさは段違いだ。確実に完成度を上げてきている。

もちろん地震等で衝撃が来るとバネの力で芯が下がる昔ながらの耐震装置は健在。



 灯油タンクが背面にある分、一見コンパクトなのだが実は10畳クラスに対応するという、石油ストーブの中でも比較的高熱量を誇るタイプ。さっきからすぐ部屋が暑くなるといっているのはそのせいだ。関東平野部程度の寒さなら2部屋+αくらい余裕だろう。
出力が高いのは判っていたのだがこの背面にタンクを配したデザインに釣られて買ってしまったのだから仕方ない。

 結局のところ、真冬以外がコイツで一度室温を上げて消火、その後は小出力の電気ストーブやPentiumD…じゃなかったパソコンの熱等で温度を維持するといった使い方の方が多い。灯油も高いしね。


 
昨今の電力不安で今シーズン石油ストーブの売り上げが増えているらしい。とはいえ実用面の注意点は多く、取り扱いには気をつけよう。

燃料タンクに収まるは石油、燃焼筒の中にあるのはまぎれもなくなのだから。

  • 購入金額

    11,000円

  • 購入日

    2009年09月頃

  • 購入場所

コメント (9)

  • aoidiskさん

    2012/12/09

    ストーブといえば、この形ですね。

    子供の頃、灯油を入れたりするの楽しくて、

    好きでした。あふれるぐらい、でもあふれないように

    ぴったり入れるのが、一種自分の中での密かな楽しみでした。

    やかんより、よく、焼きミカンをして食べたな~
  • 砧順一(きぬたじゅんいち)さん

    2012/12/09

    石油ストーブのレビューでもさりげにネタが仕込んであって
    とても日用品の紹介には思えません。
    日用品博物館の館長の称号が出て来そうです。
  • とっぷりんさん

    2012/12/09

    イイデスネ。
    うちも子供の遊び場に設置しようかなぁ…。

    1300Wのハロゲンヒーターを設置したら、コンセントがタヒりそうになった…。
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