ジャンク品といっても本当に壊れているものはさほど多くはなく、動作音の大きさが気になるものや、ホストアダプターとの相性が厳しいものは、実質的に動作に問題ないものでもジャンク品として売られているものが多かったのです。
中でもこのIBMの2001年頃の製品であるDDYS(10,000rpm)やDPSS(7,200rpm)は、動いているジャンク品が多く出ていた製品でした。特にDDYS系は見つけるとよく買っていた製品なので、たぶん探せば4~5台は出てくるのではないかと思います。
先日MAM3184MCを「50MB/sで高速」と表記しましたが、実はこのDDYSは10,000rpmの製品であってもシーケンシャルのリード・ライト共に実測40MB/sにも満たないのです。今時のSATA向けHDDなら1プラッターで1TBという製品もあるのですが、この製品は1プラッターの容量は6.8GBしかありません。そう考えるとこの速度でも当然としか思えないのですが…。
ただ、安価に(当時としては)大容量のHDDを容易に入手できたことから、データ保管用のドライブとしては重宝していました。1台は初代のWebサーバーを務めていた、PC-9821RvII26/N20で長らく使っていましたが、最後まで特に問題なく動作していました。ここで使っていた個体は確か「異音あり」という理由のジャンク品だったと思うのですが、実際には機能的な問題は特に無かったということなのでしょう。
当時のIBM製SCSI HDDの大きな弱点となっていたのは、PC-9800シリーズのOSブートに対応する数少ないUltra 2 SCSIホストアダプターであった、IOI Technology IOI-A100U2Wとの相性が悪く、正常に動作しない例が多かったということです。私の手元でも接続するとBIOSのデバイススキャンで止まってしまうなどの症状が多発したため、前述のPC-9821RvII26/N20では、アイ・オー・データ機器製のホストアダプターと組み合わせていました。
この製品は速度性能という意味では同世代の他社製品と比べても1ランク劣っていましたが、私にとっては安く手軽に買える高性能HDDという存在であり、印象も決して悪いものではありません。
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購入金額
3,980円
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購入日
2002年頃
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購入場所
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