こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。季節を感じるアルバムというものがあります。寒い季節になると聴きたくなる作品があります。寒い中こころに灯が灯るような/切なくなるような作品をご紹介します。
MISIA。もはやなんの説明も要らないSoul DIVA。“Mother Father Brother Sister”
という、ゴスペルチックに狙いすぎ??というようなタイトルのアルバムで鮮烈にデビューしてはや15年(2012年)。もともと彼女はゴスペル・バラード~ファンク・ダンス系のいわゆる黒人音楽をベースに持つ作品を創ってきたが、特に初期はどちらかと言えば後者の比重の方が高い。しかし、その作品群の中には違う輝きを持つものがある。デビューアルバムの“Mother Father Brother Sister”はゴスペルチックなイメージが強いし、この2004年の5thアルバムは違う風合いを持っている。
“MARS & ROSES”と名付けられたこの作品は、ダンス系の楽曲の比重が低く、切々と歌う作品が多い。ただ彼女は最近になるにつれてバラードの比率を上げているので、そういう意味ではダンス系の比重がこれ以下の作品もある。ただし、そういった作品と違うのはこのアルバムからは季節を感じること。冬。そう、寂しく、切ない。ジャケットの彼女も寒そうな季節を感じさせる装束。そして歌われる歌も。
「IN MY SOUL」。こもったベースとスクラッチのような音の打ち込み。ストリングスのような二胡のような音が、ときどきゲートでぶつ切れになるようなおもしろい効果で淡々と続く曲。MISIAの歌唱力でないとアルバムのトップには持ってこられないな。ただこの曲で、このアルバムが一気に「冬」の様相を呈する。外に感情を表現すると言うより、内に向かう方向性を感じる。
「SNOW SONG」。これはPVが素晴らしいね。このPVのイメージがあまりに強いので、この作品が「冬」を感じるのかも知れない。淡々と続くスロー16ビートのリズムにピアノがぽろんぽろんと絡む。
-雪原に咲いたバラに少年はガラスのケースをかぶせてあげた。心優しい雪男がバラに触ると凍って散ってしまう。それを見て泣き出す少年、雪男が怖くなって走ってうちに帰る。少年が落としていったマフラーを届けに家に行った雪男は少年が熱を出しているのを見つける。家に入り自分の体を冷たすぎないように暖炉で温める雪男。その体は水色に透き通っていった。やさしく少年の額に手をかざす雪男、少年の熱が雪男に伝わり雪男の体は熱くなっていく。真っ赤になった雪男はそっと家を出て行った。翌朝少年が目を覚ますと熱は下がっていた。外に出ると雪男の形に地面が溶けて花が咲いていた。空を見上げると天に昇った雪男の形の雲が見えた..-
最後にこの「SNOE SONG」はライヴバージョンも入っていて、そっちはそっちでピアノ中心の、いわゆるバラード王道アレンジでいいンだけれど、この切々とこみあげる淡々としたリズムがいいな。
「GROOVIN'」。ツアーではオープニングに演奏されたアッパーチューン。前のめりな打ち込みのベースがDancin'!スクラッチとデッドなスネアが効果的!でもこの曲も「熱」は感じないな。とてもCOOL!!この季節になると思い出し、必ず聴きたくなる作品です。
【収録曲】
1. IN MY SOUL
2. Sunshine
3. SNOW SONG
4. Little Rose
5. Interlude ~When misia was 7~
6. GROOVIN'
7. Eyes on me
8. Challenger
9. 涙のプレゼント
10. DIAMOND
11. 赤い命 (feat. Erykah Badu)
12. 心ひとつ
13. SNOW SONG (Live ver.)(Extra Bonus Track)
「SNOW SONG」
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購入金額
3,059円
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購入日
2004年頃
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購入場所
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