PHILIPS Fidelio L1のレビューですが、今回はもう1品レビュー対象のヘッドフォンがセットで付いてきました。
私のところに届いたのは、カナル型のSHE9701/97。
実売価格2,000円ちょっと(オープン価格、参考価格3,980円)という、リーズナブルなカナル型ヘッドフォンです。
今回は、我が家のインナーイヤー型およびカナル型総結集ということで、片っ端から試聴してみることで、SHE9701/97の魅力に迫ってみることにしました。
■試聴対象のヘッドフォンたち
・PHILIPS SHE9701/97
今回のレビュー対象商品。
ホワイトモデルですが、ブラックモデルのSHE9700とは同一のスペックとなります。
・Apple iPhone 4S付属ヘッドフォン
とりあえず、iPhoneを持っている人は必ず持っている(iPhone5を除く)、Apple純正ヘッドフォン。
付属品としては十二分の性能を持っていますが、市販品との差はいかに?
・Apple iPhone 5付属ヘッドフォン
EarPodsと呼ばれる新型ヘッドフォンも比較テストに加えてみました。
"あなたがこれまで見たことも、聴いたこともないヘッドフォン" とまでメーカー自ら言い切る音質は、これいかに。
・Panasonic RP-HJE150-K
実売800円弱と、きわめて安価なパナソニックのカナル型ヘッドフォン。
PCに一時的に繋いで音を確認するだけの用途で買ったものなので、音質については一切不明。
・SHURE SE-102K
後ろから耳の上にケーブルを通す、いわゆる“SHURE掛け ”で装着するモデル。
ローエンドモデルですが、8000円程度したと思います。当レビューを書くまで、買ったことを忘れてました…
・BANG & OLUFSEN A8
カナル型が登場する前に一般的だった、ダイナミック開放型のユニットを使ったヘッドフォン。
脱落防止用にアームが付いていますが、このスライダーの動作などが非常に精巧に出来ており、満足感の高い逸品です。
・final audio design heaven-s
バランスドアーマチュア型ユニットを搭載したカナル型ヘッドフォン。
これだけ定価29,800円とSHE9701/97の10倍、B&O A8の倍という価格となっており、音も異次元の表現力があります。
それでは、実際にいろいろと聴いてヘッドフォンごとのキャラクターの違いを確認していくことにします。
■評価について
最大5つの星で評価をつけてみました。
完全に私個人の好み・主観的な基準ですので参考までにどうぞ。
【音質】
完全に個人の主観での評価になります。
同じ星の数でも、ジャンルによって向き、不向きがありますので、比較が難しかったりします…
【遮音性】
外部からの音をどれくらい遮断するかという指標です。
電車の中などで音楽を聴く場合はこれが高い方が良いのですが、歩行中などは逆に危険です。
【音漏れ】
星が多いほど、音漏れしにくいヘッドフォンとなります。
再生中の音漏れについて、実際に耳に入れた状態は難しいので耳に当たる部分を指で塞いで確認してみました。
なので、あくまでも目安、ということで…
【フィット感】
私の耳は耳介の出っ張りがほとんどなく、ダイナミック開放型はまず確実に落ちます(涙
というわけで、かなり極端な評価だと思って下さい。
【コストパフォーマンス】
音質や製品の質、付属品、販売価格などから算出した独自指標。
音質と価格で判断し、付属品などで味付けしています。
Appleの付属品のヘッドフォンについては、実売価格を参考価格としています。
■PHILIPS SHE9701/97
まずは、今回のレビュー対象商品からテストしてみます。
実売価格2,000円ちょっと(オープン価格、参考価格3,980円)というカナル型インナーイヤーヘッドフォンということで、価格帯としてはかなり安価な部類に属する製品ですが、初めて聴いたとき価格以上の表現力があることに驚きました。
価格的に1桁違うモデルと比較するとどうしても不満に思う部分はありますが、他の安価なヘッドフォンやスマートフォンに付属するヘッドフォンと比べると、確実にワンランク以上のサウンドを鳴らしてくれます。
低域は値段にしては頑張っていますが、やはり表現力ととしてはいまいち足りない感じ。
ソースによっては中途半端に誇張された低域がうるさく感じることがあります。
低音域の下から上まで綺麗に伸びているというよりも、低音の中でも地を揺らすような一番低域の部分が不足しがちで、少し中域寄りの低音部分が盛り上がっている感じです。
高域の伸びは弱く、低域もそれほどパワーがない、いわゆる蒲鉾(低域と高域が痩せていて、中域が厚くなっていて、周波数特性が蒲鉾のような断面を描くことから)なサウンドですが、ロック、ポップスなどにうまくあわせたチューニングとなっていて、これらのソースでは不満はありません。
カナル型のヘッドフォンなので、遮音性に関してはとても良好。
また、低音も耳の周りに拡散することなくダイレクトに聞こえますので、ダイナミック開放型とはまったくキャラクターが異なります。
特に電車の中などで音楽を楽しみたい時に、この遮音性はとても有効です。
さらに、とても軽いヘッドフォンなので、装着中に落ちるということもなく、装着感がとても良いのも高評価。
手軽に買える金額と言うこともあって、とてもバランスの良い製品だと感じます。
・放課後ティータイム/U&I/放課後ティータイムII
よくある、コンプレッサーで0dbに潰しまくっている録音ですが、このようなソースを得意とするのがこのヘッドフォンの良さ。
演奏のノリがうるさくなく、ボーカルに厚みがあって、聴いていて疲れません。
・Göran Söllscher/Villa-Lobos: 5 Preludes - #1 In E Minor/Preludes, Songs & Homages
ギターのクラシックアルバムなのですが、こういったのはやはり不得手といった感じです。
そつなく鳴らしている感じはするのですが、やはり空気感というか、振動や息づかいといったものが感じられません。
価格的にそこまで求めるのは酷といったところでしょうか。
逆に言えば、価格からしてこれだけそつなく鳴れば十二分という気がします。
・坂本真綾/紅茶/everywhere
低域の中途半端な誇張が裏目に出てしまったのが、この曲。
ヴォーカルの優しさが、低域のブーミーさに隠れてしまっており、魅力半減となってしまっています。
イコライザーで低域を補正することで対応可能ですので、うるさい時はこういった補正も有りです。
【音質】★★★☆☆
【遮音性】★★★★☆
【音漏れ】★★★★☆
【フィット感】★★★★★
【コストパフォーマンス】★★★★★
■Apple iPhone 4S付属ヘッドフォン
ユニットの口径がカナル型よりも大きいこともあり、比較的低音域の迫力もあり、付属しているものとしては十分という印象です。
高音域の抜けがいまいちな、シャリシャリとした感じのサウンドで、透明感も低めですがそつなく鳴らすタイプです。
ただし、装着位置によって音質がかなり左右されるのと、耳に引っかかりにくく落ちやすいのが最大の欠点。
私は耳介の出っ張りがほぼ無いため、この手のヘッドフォンはすぐに落ちてしまいます。
それよりも厳しいのが、装着位置がずれてしまい、音質に多大の影響が出ること。
指で押し込むと最適なサウンドが得られるのですが、常に押し込んでいる訳にもいかず。
また、ダイナミック開放型なので音漏れ、遮音性ともに悪いのも欠点です。
・Kenny Drew, Niels-Henning Orsted Pedersen/Jeg Gik Mig Over So Og Land/Duo2
全体的に物足りなさはあり、軽やかさは控えめになりますが、雰囲気は良く出ていると思います。
ただし、手で装着位置を固定しているときと、そうでないときの差が激しいため、手を離すとダメダメサウンドに…
・坂本真綾/紅茶/everywhere
ベストポジションで聴くと、高域の薄さは隠しきれないのですが、声ののびやかさ、優しさ共にバランス良く、付属品のヘッドフォンとしては及第点でしょう。
ただし、ちょっと離れると一気に中域~低域が薄れ、これまたカスカスなサウンドに…
【音質】★★☆☆☆
【遮音性】★★☆☆☆
【音漏れ】★★☆☆☆
【フィット感】★☆☆☆☆
【コストパフォーマンス】★★★☆☆
■Apple iPhone 5付属ヘッドフォン
iPhone 4S付属のヘッドフォンよりも空間の広がり、立体感が出ています。
ダイナミック型のヘッドフォンですが、開口部が横に向いており、ヘッドフォン自体をエンクロージャとして使うことで低音を稼ぐ?構造のようです。
とはいえ、Appleのヘッドフォンはどうも私の耳に合わないらしく、装着位置による音のズレは健在。
どうも、ユニットが小さすぎるのか、耳介の出っ張りがなさ過ぎてヘッドフォンが固定されないため、静止状態でもどんどんずれてきます。
ユニットが完全にプラスチックケースで覆われているのも、滑りやすい原因の一つになっていそうです。
・中島みゆき/二隻の舟/大銀幕
iPhone 4S付属ヘッドフォンに比べると、全体的なバランスもよく好印象を受けますが、構造のためか低域が少しだけこもったような印象を受けます。
こもる、というよりは、iPhone4S付属ヘッドフォンの方がユニットが完全に露出しているため、低域~中域にかけてのロスが大きく、若干ハイ寄りのキャラクターだからそう感じるのかもしれません。
・Eric Clapton/Tear In Heaven/Unplugged
録音の違いか、あるいはアコースティックによる良さか、こちらはiPhone 4S付属ヘッドフォンよりもかなり良く聞こえます。
形状変更による抜けの良さがそのまま伝わってくるような感じ。
これで3000円を切るプライスなので、かなりのお買い得だと思います。
【音質】★★☆☆☆
【遮音性】★★☆☆☆
【音漏れ】★★★☆☆
【フィット感】★☆☆☆☆
【コストパフォーマンス】★★★☆☆
■Panasonic RP-HJE150
レビューでの評価はものすごく高い製品なのですが、今回片っ端から試聴してみた結果、私には合いませんでした。
他のモデルと比較すると、一枚膜があるような、明瞭さが失われているのがわかります。
低域不足、高域の伸びもいまいちで、ボーカルの声もかさついている状態といった感じでしょうか。
なんとなく、AM放送チックな…?
とはいえ、価格差を考えると頑張っていると言えなくもないかな…
・Kenny Drew, Niels-Henning Orsted Pedersen/Jeg Gik Mig Over So Og Land/Duo2
鼻が詰まったような感じで、延びがない、窮屈なサウンドとなってしまっています。
クラシックやジャズは苦手ですね、このヘッドフォン。
・初音ミク/リンリンシグナル/初音ミク -Project DIVA- extend Complete Collection
こういった派手なサウンドを鳴らす場合は、結構いい感じに鳴ってくれます。
突き刺さるような感じもなく、聞きやすく丸め込まれている感じがします。
逆に言うと、ヘッドフォンの差が出にくい、というべきか…
【音質】★☆☆☆☆
【遮音性】★★★☆☆
【音漏れ】★★★★☆
【フィット感】★★★☆☆
【コストパフォーマンス】★★★☆☆
■SHURE SE-102K
このくらいの価格帯になると、かなり表現の幅も増えて個性が出てきます。
このモデルはバランスが良く、低域でも特に音が低い部分は弱いが、サイズ・価格を考えるとそれなりの鳴りっぷりです。
SHURE掛けをすることでケーブルのこすれ音が伝わりにくく、また、きわめて遮音性が高いのも特徴。
装着がやや難しい、耳の位置が少しずれると大幅に音質が変わるのが欠点ですが、慣れれば装着に問題はありません。
音質の傾向は蒲鉾型で、特に高域方向の伸びがいまいちなのが残念なところ。
開放感がないというか、スーッと抜けていくような余韻がないというか。
とはいえ値段を考えると音質は十分ですし、たとえばiPhoneの付属ヘッドフォンから交換するとその差は歴然です。
・L'orchestre De Contrebasses/Fonque/Transes Formations
前述のモデルと比べると、コントラバスがとてもリアルに聞こえます。
低域の不足感はあるが、不自然ではないのが評価できます。
・放課後ティータイム/U&I/放課後ティータイムII
蒲鉾型のヘッドフォンでは、とても聴きやすい曲だと思います。
とてもバランスが良く、特にボーカルに色があって引き立つのが特徴。
いいですね、こういった曲。
・中島みゆき/二隻の舟/大銀幕
中島みゆきのヴィブラートが生き生きと表現されており、とても迫力があります。
やはり、前述のクラスと比べると格が違いますね。
【音質】★★★★☆
【遮音性】★★★★★
【音漏れ】★★★★★
【フィット感】★★★☆☆
【コストパフォーマンス】★★★★☆
■BANG & OLUFSEN A8
普段愛用しているのが、このB&OのA8。
ダイナミック開放型ユニットを搭載したインナーイヤーヘッドフォンとしては非常に優れたモデルだと思います。
音質はきわめてクリアー、かつ正確。
音はやはりカナル型に比べると、離れて鳴っている感じがあり、中音域~高音にかけて厚みがあります。
ややハイ寄りな印象はありますが、ダイナミック型ということもあり、耳から離れている分減衰している印象を受けます。
実際の使用でも、低音はやはり掻き消されてしまうことが多いですね。
耳にフックを掛ける感じで装着します。
シリンダーが伸縮するので、耳にちょうど良いポジションで装着することが可能。
このため、私の場合ダイナミック型にありがちな位置のズレがほぼなく、安定した音質で音楽が楽しめます。
このスライダーの動作が、おそらく空気で抵抗を調整しているのだと思いますが、とても秀逸。
加工精度の高さは使っていてとても満足感が高いです。
・初音ミク/リンリンシグナル/初音ミク -Project DIVA- extend Complete Collection
リンリンシグナルも耳が痛いということはなく、ストレートに鳴らし切ります。
この手の音楽でも不得手ではないのが凄いといえば、凄いかと。
バランスが良いんですよね、このヘッドフォン。
ただし、やはり低域は控えめな印象です。
・Kenny Drew, Niels-Henning Orsted Pedersen/Jeg Gik Mig Over So Og Land/Duo2
ペデルソンのベースが奏でる弦の震えや空気感も伝わってきて、ドリューのピアノが楽しげに弾みます。
スイング感が楽しめる、聴いていて楽しくなるヘッドフォンです。
ただし、解放型だけあってノイズの影響が大きく、聴く環境を選ぶのが最大の欠点。
私は逆手にとって、車内アナウンスなどが聞こえるメリットを生かして通勤時に使用しています。
【音質】★★★★★
【遮音性】★★☆☆☆
【音漏れ】★★☆☆☆
【フィット感】★★★★☆
【コストパフォーマンス】★★★★☆
■final audio design heaven-s
唯一のバランスド・アーマチュア型ユニットを搭載したヘッドフォンであり、また、唯一3万円弱という価格帯の製品です。
その表現力は圧倒的であり、前述のモデルとは比較になりません。
低域が苦手なBA型ユニット搭載だけあって、低音域はSHE9701/97と同じくらいの迫力しかありません。
といっても、BA型でこれだけの低域を再生出来るのはBAM機構ならでは、といったところかもしれません。
分解力というか、空気感の伝わり方が半端なく凄く、弦楽器、金管楽器などが特に素晴らしいヘッドフォンです。
クラシック、ジャズなどのソースにおいては素晴らしいの一言。
忠実に鳴らすというよりも、全力で個性を出すタイプのヘッドフォンですが、それが似合うソースではドンピシャです。
スピード感もとても優れており、BA型ユニットだけあって他のモデルとは比較になりません。
デメリットとしては、ロックなどの低域バリバリな激しいソースは正直厳しいかな、と思います。
また、インピーダンスが低く、ホワイトノイズが出るのも欠点ですが、このインピーダンスの低さが繊細さを生んでいるところでもあり、一長一短、といったところでしょうか。
どちらかというと、正確さよりもバランスド・アーマチュア型というメリットを生かして音を造った、楽器のようなヘッドフォンです。
・放課後ティータイム/U&I/放課後ティータイムII
U&Iは演奏にボーカルが隠れてしまい、インピーダンスの低さと繊細さが仇になって適さないソースの代表例。
もっと凜と響く音の方が個性が出て、綺麗に奏でてくれます。
・初音ミク/リンリンシグナル/初音ミク -Project DIVA- extend Complete Collection
リンリンシグナルは高域が耳に突き刺さる感じが強く、耳が痛くて聴くに堪えないといった感じ。
イコライザで補正すれば大丈夫そうですが、やはりこの手のソースは苦手です。
・L'orchestre De Contrebasses/Fonque/Transes Formations
コントラバスの低音は不足感もなく、透明度が他とは比較にならないほど繊細で、弦が震える感じまで繊細に表現しています。
正直、このサイズのヘッドフォンでここまで鳴らしてくれるのか、といった感じ。
やはりジャズ、クラシックなどのアコースティック、ボーカルが生きるヘッドフォンですね。
・Paco De Lucia, John McLaughlin & Al Di Meola/Mediterranean Sundance/Rio Ancho/Friday Night in San Francisco Live
軽やかなギターの共演がとても生き生きと描かれており、圧倒的な臨場感と繊細な音楽表現が生き生きと再生されます。
ダントツに、他のヘッドフォンとは格の違いを見せつけられる一曲です。
【音質】★★★★★
【遮音性】★★★☆☆
【音漏れ】★★★★☆
【フィット感】★★★★☆
【コストパフォーマンス】★★★☆☆
■価格の割に豪華な付属品
付属品として、キャリングケースの他、S/M/Lの3サイズのイヤーピース、60cmのステレオミニプラグ延長ケーブルが付属します。
PHILIPS SHE9701/97のケーブルは60cmですが、延長ケーブルを使用することで120cmまで延長可能です。
また、ヘッドフォンを収納するためのキャリングケースが付属しますが、おまけとしてはとても良く出来ています。
中にはメッシュ素材のポケットと、ゴムバンドが付いていますので、小型のデバイスであれば中にしまうことも可能。
特にイヤーピースは無くしがちですので、収納しておくと良いかと思います。
■ヘッドフォン外観
ユニットに対し、イヤーピースが斜めに取り付けられているのがわかります。
ちょうど耳に装着すると、側面が頭の向きと水平になる角度となっています。
「角度付きアコースティックパイプで指向性のある正確なサウンドを実現」と公式サイトにある記載の通り、耳に対してまっすぐ音が届くように設計されているものと思われます。
ユニットからイヤーピースを取り外すと、脇に楊枝の頭ほどの穴があるのがわかります。
おそらく、これがターボバス用のポートだと思われます。
用途としてはバスレフポートと似たようなもので、低域を増幅するためのものだと思います。
最初、プラスチックの生成時の隙間かと思いましたが、両方のユニットの同じ位置に穴が開いていますので、ターボバス用の隙間に間違いないかと。
■他のモデルと比較してわかった、PHILIPS SHE9701/97の特徴とメリット
この価格帯のヘッドフォンだと、やはりスマートフォンやポータブル機器の付属品からまずは買い換えてみる、というケースが多いのではないかと思います。
2000円台のエントリーモデルなだけに、手軽に購入出来るのが最大の魅力です。
自宅にあるヘッドフォンを価格帯を無視して比較してみた結果、PHILIPS SHE9701/97のソースを選ばないバランスの良さはとても便利だと感じました。
音質については、上位モデルと比べれば不満こそあれ、価格を考えると及第点以上のものがあります。
低域のもっさりさが少し気になりますが、この辺は好みによってイコライザーで調整可能ですので問題なし。
iPhoneの付属ヘッドフォンからの乗り換えでも、満足感は得られると思います。
正直、3000円のヘッドフォンでこれだけ鳴るのであれば、中途半端に5000円くらいの製品を買うよりも結果的に良かった、なんてことも多々ありそうな感じです。
iPhone付属ヘッドフォンからの乗り換えとして考えた場合、最大のメリットはカナル型による音の遮音性、音漏れのなさです。
カナル型になることで低域がかなり厚くなり、付属ヘッドフォンでは手で押さえないと聞こえなかった低域が何もせずにすんなり再生されます。
私の場合、EarPodsでもやはり装着のズレは大きかったため、カナル型はとても魅力です。
また、外部の音が大幅に遮断されますので、音楽に集中したいときにもお勧め。
形状が異なることもあり、まったくキャラクターが違うヘッドフォンなだけに、乗り換えたとしても十分に差は感じられると思います。
また、ポータブルオーディオ、ゲーム機、スマートフォンのヘッドフォンとしても、入門モデルとしてとてもコストパフォーマンスに優れたモデルです。
実際にヘッドフォンを変えることでどれくらい差が出るのか、試してみたいといった場合でも、これくらいのコストであれば気軽に購入出来るのがいいところだと思いました。
流石にBANG & OLUFSEN A8やfinal audio design heaven-sと比べると敵いませんが、価格差を考えれば致し方ないところです。
逆に、これらのモデルとの実売価格を考えると、SHE9701/97のコストパフォーマンスの良さがとても良いことがわかります。
価格が高くなれば高くなるほど、音質と価格は比例しなくなってきます。
音質というより、キャラクターであったり雰囲気であったりと、音質とはちょっと異なるベクトル(とはいっても、結局は音なんですが…)でそれぞれの製品の魅力が出てくるというか。
そういう意味では、高級ヘッドフォンはきわめて嗜好性が高い製品でも有り、万人に勧められる製品ではありません。
その点、カナル型としての遮音性、音漏れの低さとバランスの良さが特徴的なSHE9701/97は、コストパフォーマンスも良く、誰にでもお勧めできるモデルだと感じました。
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