レビューメディア「ジグソー」

DTCP-IPネットワークダビング対応ポータブルブルーレイドライブ

プレミアムレビューに当選しました。

事務局からのメッセージを読んでなかったので、荷物が届いてビックリ。これからレビューしたいと思います。

 

まずは簡単に製品説明

ハードウェアとしてはUSB接続のポータブルブルーレイドライブ。パッケージ製品としての特徴である「DCTP-IPネットワークダビング対応」は、同梱されるソフトウェア「DiXiM BD Burner 2013 for I/O DATA」によって実現している。DiXiMシリーズはデジオン社のパッケージソフトウェア群で、ホームネットワークを使った各種デジタルメディアソリューションを提供している。テレビで録画したHDDの内容をディスクにダビングする本製品の他、PCをメディアサーバにする、逆にクライアントにする等の製品がPC向けに出ている。

 

主たる機能がソフトウェアで提供されるため、製品の動作要件もソフトウェアからの要求が大きいと思われる。USB 2.0ポート、XP以降のWindowsは(Macユーザを除けば)当たり前の環境なので問題ないだろう。むしろ、まだXPをサポートしていること、Windows 8もサポートしている点は評価したい。CPUの性能としては、Core2Duo E6400 2.13GHz以上またはAthlon 64 X2 3800+以上、ノートPCの場合Core Duo T2500 (2.0GHz)以上と記載されている。メインストリームクラスのCPUなら問題なさそうだが、昨今の低消費電力タイプ(CULV向け)CPUだとスペックが足りるかどうか微妙なところ。この辺りは検証してみたい。

また、チップセットやグラフィックチップにも要件がある。特にグラフィック性能が求められるわけではないはずなので、これはCOPP対応してるか否かなのだろう。DCTP-IP機器の要求事項といてコンテンツをメモリーに展開する際暗号化する必要があるが、これを実現しているのがCOPPである。HDMIのコンテンツ保護HDCPに対応したグラフィックチップでないとセキュリティ回路を実装していないので、限定されているわけである。

同様に、外部ディスプレイへの接続も制限される。デジタルコンテンツ保護の仕組みが無いVGA接続では使用できないはず。以前、VGA接続のPCで同じデジオンのDiXiM Digital TVを使おうとしたが使えなかった。デジオンのことだからこの辺りはきっちり準拠しているはずだ。

 

今回の検証環境は、メインで使っているデスクトップPCを使う。

CPUはAMD FX 8350、GPUはRADEON HD7850をDisplayPort出力している。マザーボードはASUS Sabertooth 990FX R2.0、メモリー8GB、Windows 7 64bit。

検証に使うテレビは、東芝REGZA 26ZP2に2GB HDD (緑キャビ)をUSB HDDケースに入れて接続している。

PCとテレビは同じギガビットスイッチングハブで有線ネットワーク接続されている。

 

さて、実際に製品を眺めてみよう。

いわゆる普通のスリムドライブ。非常にシンプルなデザインで、右奥にある穴とリング状の青く光るパイロットランプが唯一のアクセントとなっている他は、天面にブルーレイロゴと製品・メーカーロゴが印刷されているだけ。驚いたことに普通ドライブトレイ前面にある対応メディアマークのシルク印刷すら省かれている。大きさも内蔵しているスリムドライブユニット+αと最小化されている。

背面はUSB miniBのジャックとACアダプタのジャックだけ。ACアダプタを挿さなければ自動的にバスパワー動作となり、手元にある同社のDVD-RWドライブ(DVRP-UN8PS)のようなモード切替スイッチすらない。スイッチといえばトレイ開ボタンだけ。

製品底面。ラベルの部分にUSBケーブルを収納できる仕組みが設けられている。付属のUSBケーブルは約13cmと短く、邪魔になりにくい。miniB側がL字になっているのも○。

付属するACアダプタ。同社の別の製品でも使われていたが、これには少し苦言を申し上げたい。

まず、ACプラグ部が大きい、いわゆるバルクヘッドタイプで、差込口を占有するので邪魔。

次に、DC 5Vであればわざわざ専用のACアダプタを用意しなくても、USB給電でいいのではないか。バスパワーという意味ではなく、別系統でUSBから電源だけを供給する方式。USB Aと電源プラグケーブルを添付するだけで十分だろう。

製品の定格は5V 1.5Aだが、USBポート1つでは規格上500mAなので本製品はバスパワーで使えない場合がある。最近のPCは大電流対応ポートを設けている場合もあり、大抵問題ないのだが、ディスクの書き込みのようにあまり失敗したくない作業は、できれば安定した電源環境で行いたい。この手のドライブはUSB A側が二股になっている電源を追加供給できるケーブルが付属しているものだが、本製品でも考慮されていればよかった。

まぁでも、この製品を持ち歩いて使うシーンは出先でブルーレイの再生に使う程度だろうから、大電流を必要とする書き込み時はAC電源が取れる環境なので、問題ないのかもしれない。

更新: 2013/03/10
テレビに録画した番組をブルーレイにダビングする PREMIUM REVIEW

USB録画対応レグザTVからブルーレイディスクへのダビングを試してみる

実際にテレビからのダビングを試してみた。製品に付属するCD-ROMからDiXiM BD Burner 2013だけインストールした。ソフトウェアは他にもBDプレイヤー(WinDVD)やBDオーサリングツール(Roxio Creater)等が付属するが、既に他のソフトウェアが入っているので今回はインストールしないでおく。これらは個別にインストールできるようになっているので便利。

ちなみに今回はPCに接続した本製品にディスクを入れてインストールしたが、他のドライブからインストールできるのか、本製品を繋いでなくてもインストールや起動ができるのか、機会があれば試してみたい。

 

手元にはBD-R 1層しかなかったので、とりあえずこれを使う。

ディスクをドライブに入れる。

と…

「書き込み不可能なディスクです」と出る。ちなみに、本製品のドライブは松下製のようだ。

ここで一瞬どうしていいのか判らなくなるが、左に「フォーマット開始」ボタンがあるのでココを選べばいいのだろう。ポチっとな。

フォーマットの間、マニュアル…とはいっても「取扱説明書」と「ダビングガイド」という2枚のA3大のペラ紙だけなのだが…を参照して、自分の取った行為が正しかったかどうか確かめてみるが、マニュアルにはフォーマットに関する記述が無い。結果的には正しかったようだが、書いておくべきだろう。

無事、「書き込み可能」になった。

 

さて、BD-R 1層だと地デジ番組の録画目安は2.5時間とマニュアルにあるから、30分番組だと5本収められるハズ。なので、

この5本をテレビの録画HDDから選択。

あ、ちなみにダビングの操作はすべてサーバ側、つまりテレビ側でおこなう。PCのソフトウェアは起動しておくだけ、もっと言うと、インストールするとサービスが起動しタスクが常駐するので、ユーザーが明示的に起動する必要すらないかも。ただし、ドライブを接続してディスクを用意しておく必要はある。つまりフォーマットまでは先に済ませておかなければならないので、現実にはやっぱり一度は起動することになるのか。

このように、テレビ側からダビングを始めるよう操作する。

レグザTVではこのように画面右下に進捗状況表示される。ちなみにこの間、録画HDDを使う操作、番組録画はもちろん、録画したものの再生もできない。複数HDDを接続している場合などはどうなのだろうか。

PC側の進捗状況表示。ダビング中の番組名や進み具合、履歴が表示される。これを見ると30分番組1本あたり10分程度、1枚2.5時間分では50分程度の所要時間となるようだ。

ダビング時のネットワーク使用状況。60Mbps位の転送レートなので、無線LANだとネットワークがボトルネックになるかもしれない。

レグザTV側の表示。もうじき終了。

完了。えーと、この後、ファイナライズとか操作は必要無いの? 特に何も操作できなさそうだし、マニュアルに記載も無いので。

同じPCの他のドライブ(hp製)にディスクを移して再生してみる。

無事、再生できた。あまりにもあっけなくできたので少し拍子抜けだ。

 

ただし、今回メインPCで注意したのは、ダビングの邪魔をしないよう普段動かしているBOINCは休止していたこと。BOINCはPCがアイドルになると動き出し、演算のためにCPUとGPUのリソースを目一杯使う。動画再生にも影響があるので、ダビングも邪魔される可能性が高い。BOINCを動かしたままでもダビングできるかどうかは検証課題としたい。

ダビング時に特にCPU負荷が上がっていたわけではないようなのでCPU性能はあまり必要ないのかもしれない。UMPCレベルのノートPCでも問題ないかどうかも検証してみたい。

 

残念だった、というか今後の改善に期待したい点。

いまやBDレコーダーでは当たり前の機能になっているAVCHD形式でのディスク記録に対応してほしい。BD-R 1枚に2.5時間しか記録できない、DVD-Rだとハイビジョン記録できないというのは残念。

1枚 2.5時間のダビングに50分も掛かる点。何が律速しているのか(つまりボトルネックはどれか)判らないが、ネットワーク上の転送レート(約60Mbps)で50分の転送量は60Mbit/8(バイト)*60秒*50分=22.5GBとBD-R 1枚分となるので、途中の圧縮無しで転送している計算だ。

GbEネットワークの帯域にも余裕はあるし、USB 2.0の帯域480Mbpsに対しても余裕がある。あとは、送り側(テレビ)の送信レートか、ソフトウェアの処理性能、BDドライブの書き込み性能に制約されることになるが、後者であれば、今後工夫して改善してほしいところ。

BDへの書き込み速度に限界があるようなら、一旦PCのHDDにバッファして、早めにテレビ側を解放してほしい。なぜなら、ダビング操作中にテレビの録画機能がまったく使えないので困るのだ。

今後、USB 3.0に対応したドライブも登場するだろうが、せっかくの広帯域幅を活かせないようではもったいない。

 

米国出張に行った折、向こうでポータブルBDドライブが欲しくなってお店に行ったが売っていなかったのと、録画TVからのダビングのためDiXiM BD Burnerをいずれ買いたかったがなかなかキッカケがつかめずにいたので、今回、この製品の登場は嬉しかった。もっとも日頃チェックしていたわけではないので、Zigsowで紹介されプレミアムレビュー対象製品になり、しかも当選したというのは超ラッキーだった。

使ってみると、いまのところは満足。大満足とまでいかない理由は上に書いたとおり。

でも、当初の目的は達成できたし、操作も簡単で他の人にも自信をもってオススメしたい商品であります。

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