PEG-NX60は、端的に言えばPEG-NX70Vから内蔵カメラを取り去っただけの機種だったのですが、そのせいか注目度が低く、常に地味な存在でした。私はNX70Vのカメラに全く価値を感じなかったこと、さらに当時としては極めて安価な出物を見つけたことで、NX60を買うことにして、それから長い付き合いが始まることになりました。
PEG-NX60はCLIEシリーズ初のPalm OS 5.0を採用し、CPUもIntel製Xscale系のPXA255を採用した、それ以降のCLIEやPalmシリーズの基本仕様を先取りしたようなモデルでした。また、通信カード用スロットという名目ながら、CompactFlashスロットを装備し、これまではドックコネクタがほぼ唯一の拡張手段だったCLIEシリーズの弱点を大きく解消するものでした。
なお、このCFスロットが正式にサポートしたのは純正無線LANカードなどごく一部の通信カードのみでしたが、実際のところは有志の解析や努力により、CFメモリカードなどの動作も可能となっていました。私も先人たちの情報からここにCFメモリカードを常に装着しておき、音楽プレイヤーとしてCLIEを使っていた時期もありました。
個人的にこの世代のCLIEで気に入っていたのは、ハードウェアキーボードを装備していたことです。決して入力しやすいものではなかったのですが、慣れれば会話のメモ取り程度には十分使えました。
最終的にはより進化した後継シリーズのPEG-NX80Vがメインに取って代わりましたが、このNX60も3年ほど前までは外出のお供として頻繁に連れ出していました。ただ、通信手段がCF型AIR-EDGEかIEEE802.11bの無線LANカードに限られてしまったこと、またCPU等ハードウェアの性能が現代的な使い方には不足気味だったことから徐々にスマートフォン移行して現在に至ります。ただ、5年以上も外出のお供になるようなスマートフォンなど現れることはないでしょうから、これほどの愛着を持って使うPDA類はもうないでしょう。
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購入金額
24,980円
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購入日
2003年05月28日
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購入場所
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