元々はDTR-80Pという型番で、CASIOブランドのDA-R100の双子機として発売された製品ですが、より高音質化を目指してD/Aコンバーターに選別品を搭載し、DTR-80PLというマイナーチェンジモデルとなったものです。ちなみにCASIOブランドではDTR-80PLに相当する兄弟モデルは発売されなかったようです。ブランドの違いだけであったにもかかわらず、両社の売り上げに極端な差があったことから、マイナーチェンジの際に一本化したといわれています。
以前自分のブログに関係者の方からいただいたコメントによると、据え置き型と同等かそれ以上の機能と音質を目指しつつ、単3乾電池で2時間以上の連続録音を可能とするというコンセプトで開発した製品ということです。実際に当時のメーカー希望小売価格はDATとしては比較的安い部類の製品でしたが、音質は驚くほど優秀でした。当時オーディオマニアたちがポータブル高音質録音機として、欲しいと思うものを全て詰め込んだ成果がこの製品であったとのことです。カシオ計算機の開発陣は非常に高い水準の要求を見事に満たしていて、技術水準の高さが伺えます。
SCMS対応の最初期に当たる製品で、公式には発表されていないのですが、実は44.1KHzによるデジタル録音が隠し機能として存在していました。
当時のライバル製品となるSONY TCD-D7や、AIWA HD-X1といった辺りのポータブルDATも使っていたのですが、音質ではこの製品が文句なしに上でした。据え置きの普及価格帯製品と比べても同等以上の音質は保たれていたのではないでしょうか。
内容的には非常に充実していて、販売成績も良好だったそうなのですが、短命に終わってしまったということが惜しまれる製品です。手抜き無く作られた製品だけにしっかりと作られていて、今でもきちんと動作してくれます。もっとも、24bit/96KHz対応のPCMレコーダーがごく普通に買える今となっては、さすがに出番は殆どありませんが…。
-
購入金額
0円
-
購入日
不明
-
購入場所
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。