もう、ほとんど諦めていたのですが…。
■1990年Cobalt10月号に掲載された「月の輝く夜に」の再掲載版(2005年2月号)
■コバルト文庫出版の「ざ・ちぇんじ」の単行本版の再収録
■1985年Cobalt春の号・夏の号掲載の「少女小説家を殺せ!」
■1985年Cobalt冬の号掲載の「クララ白書 番外編 お姉さまたちの日々」
が収録されています。
氷室さんは、2008年6月に逝去されたので、もう、それからでも4年もたつんですね…。総ページ656p、今市子さんの妖しくも切ない表紙が、私の悲しみを誘います…。
イラストは、「月の輝く夜に」にだけ入っています。中表紙をめくった後の目次にも、表紙と同じ桜が描かれています。
カラーからモノクロへ。
ページを移る過程で、ああ、もうこれは終わってしまった
作家の物語りなのだなあと、一人しみじみしてしまいました。
登場人物はもう、捌けてしまって、そこにはいません。
舞台はそこにあったはずなのに、
ただ、そこにあったことだけが思い返される。
作品群としては、平安時代ものが2編と、現代ものが2編。
コメディも何もかもグチャッと入っているので、
はじめての方が、これ買って読むのには、系統が違いすぎて読みづらいだろうなと思います。
でも、今まで読んできたファンにとっては、欲しくてたまらない逸品だと思います。
私はいっそ、全集を出してもらいたいくらいなのですが、
「少女小説」というカテゴリーでは、それも中々ままなりません。
これを出していただいただけで御の字ですね。
さて、話題は代わりますが、私の手元にこういうものがあります…。雑誌「Cobalt」の氷室冴子さん作品の切り抜きを、自分で製本したものです。痛みがひどいので、「早くデジタル化したい最たるもの」なのですが、
これしかないので、結局は慣れてきた最後の方にやることになるのだろう品物です。
「銀の海 金の大地」が全話、「なんて素敵にジャパネスク」が1話くらいと、
特集ページや読み切りなどが入っていまして、勿論「月の輝く夜に」も持っています。今回、新刊に収録された版は、2005年に筆者が加筆しているということで、
併読して、どのあたりが変わっているのかを比べてみました。
ざっくりとこんな感じでした。
■微妙に時間や舞台の明暗が違っている
例)・書き出しが「その朝」から「その夕べ」
・晃子との対面の際に明かりがついていない(旧)/ついている(新)
■雅やかな言葉づかいになっている
例)・その朝、有実の本邸から連絡が来た。(旧)
→その夕べ、有実の屋敷から報せがきた。(新)
・ききなれない声のバトルロイヤルの騒音がきこえて、はっとして顔をあげると、
御簾のむこうに、女の子の人影があった。(旧)
→聞き慣れない女房の声が入り乱れる騒々しさが近づいてきて、はっとして顔をあげると、
御簾のむこうに、人影が現れた。(新)
1990年当時掲載のその頃
(とはいうものの、古雑誌を手に入れて、後から読んだ身なので、リアルタイムではないのです)
この「月の輝く夜に」を読んだ時には、
もうすこし「あっけらかん」としていた気がしましたが、
加筆が加わったことによって、さらにドロドロ感が増した気がします。
まあ、旧作は小学生の時に読んだので、
細かい男女の機微が読み取れなかったのかもしれませんが…。
「ざ・ちぇんじ」は旧文庫版とほぼ変わってません。
じっくり照らし合わせてはいませんが…。
テンポの良い平安とりかえばやコメディですね。
あと2本は今回初読なので、比較は無理でした…。
-
購入金額
903円
-
購入日
2012年10月08日
-
購入場所
らくだ書店
はにゃさん
2012/10/09
それとクララですか… 懐かしすぎるなぁ。
一時期Cobaltの氷室冴子本は全部買ってたような気がします。
ふじしろ♪さん
2012/10/09
ざ・ちぇんじ、今読んでもやっぱり面白いです!!
少女小説、というか、コバルト文庫は一時期読めなくなっていたのですが、
(文章とノリが合わなくなって…)
それでも氷室さんだけは読めましたね。
やっぱり好きなんだと思います。
>一時期Cobaltの氷室冴子本は全部買ってたような気がします。
氷室さんは男性の方にも人気でしたよね。
だって面白いもの…。
退会したユーザーさん
2012/10/10
ほんと悲しいでつね(・・;
漫画も小説も新刊が出るのを
ワクテカして待ち焦がれているのでつが・・
ふじしろ♪さん
2012/10/10
ほんとうに…。
残念でならないです。