シングルコアであるにも関わらず、ThinkPad Tabletを超える操作感を持ち、7インチというサイズもあって、携帯お絵描きタブレット端末として(GALAXY Note 8.0が登場するまでは)、最高の出来でした。
現在の7インチ~8インチタブの隆盛と、デジタイザー搭載の一般化の流れを見れば、その先見性は眼を見張るものがあります。
また、拙作Clover Stylus Chekerでスキャンレートを計測すると、Android 3.1でシングルコアであるにも関わらず、最新のクアッドコアを搭載したGALAXY Note 10.1やGALAXY Note 8.0を超える非常に安定したスキャン間隔を誇り、Clover SCの予測ストロークの安定性では完全にこれらを凌駕します。
ただし、Android 3.1でメーカーのOSアップデートが終了してしまったため、本来ハードウェアが対応している、ホバーやデジタイザーと指の区別を付ける機能がうまく働きません。
どういうことかというと、ペイントアプリによっては、指で画面に触れた際の誤操作を防ぐため、一本指での操作を(あるいは二本、三本指も含めて指での全操作を)禁止するオプションを持つものがありますが、HTC Flyerでは指とデジタイザーの区別情報がアプリまで伝わらないため、その機能を利用できないわけです。(むろんハードウェアレベルでは対応しているため、ホバー領域に入った時にデジタイザーが優先される機能はHTC Flyerでも有効です)
また、ホバー情報もアプリまで伝わらないため、ホバー中にボタンを押しても反応しません。私はホバー中のスタイラスボタンにUndoを入れるのが好みなので、非常に残念でなりません。
また本機はBluetoothに対応していますが、Bluetooth3.0のA2DPというプロファイルで、ヘッドフォンへの音声データ送信にしか対応していません。Bluetoothキーボードやゲームコントローラーが接続出来れば左手デバイスとして利用できるのに……・と、ここも残念な部分です。
総評としては、手軽なお絵描き用端末としてはかなり良好だったが、現在は(サイズとして)ほぼ同じ使用感のGALAXY Note 8.0があり、こちらの性能と完成度が非常に高いため購入する理由はほぼ見当たらないといったところ。お手頃な値段で手に入るならば、デジタイザー付きAndroidタブレットの入門としてアリかもしれません。
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購入金額
10,000円
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購入日
2013年05月頃
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購入場所
個人から中古買取
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