ただ、初期バージョンのTigerMPX(S2466N)に搭載されていたAMD760MPXは、サウスブリッジのAMD768(Rev.B1)に致命的なバグがあり、その不具合を回避するためオンボードUSBを無効化したまま発売するというあまりに強引な手法がとられてしまいます。この問題は間もなくAMD768(Rev.B2)が出荷されたことで解消されますが、同じTigerMPXでも不具合品と正常品が混在することになってしまうためか、BIOS ROM用のフラッシュROMチップを2Mbit→4Mbitに増量したことに伴い型番もS2466N-4Mと変更され、初期バージョンのS2466Nは黒歴史扱いとされてしまいました。
私が持っているTigerMPXは、この黒歴史となっている初期版のS2466Nの方です。S2466N-4Mが店頭に並ぶようになったあとで、販売店によっては初期版のS2466Nを動作品ジャンク扱いで処分したことがあり、USBが使えるか否かの差だけで2万円以上の差額があるならと思い、敢えて初期版のS2466Nの方を買ったのです。
たまたまAthlon MP 1600+(Palomino)を格安で2つ買ってあったので、しばらくはこの構成で使っていたのですが、後にAthlon XP 2400+(Thoroughbred)を入手して、通常の用途であればAthlon MP 1600+を2つ使うよりもAthlon XP 2400+を1つの方が快適なのではないかと思い、シングルCPUに構成を変えてしまいました。
ただ、シングルCPUで使う限り、気むずかしいAMD760MPXを使い続ける価値もなくなってしまい、結局それ以降は殆ど放置状態となってしまうことになります。
とにかくバグが多く、パーツの組み合わせの相性も厳しいマザーボードではありましたが、きちんと動いたときには64bit/66MHz PCIスロット用のSCSI RAIDボードがパフォーマンスをフルに発揮できる辺りは大きな魅力となりました。この時期はAMI MegaRAID Elite 1600を使って、お遊びでRAID5構成を楽しんだりしていたのですが、当時のメインPCであったPC-9821Rv20ではどう足掻いても出せない速度を簡単にたたき出していて、それなりに満足度は高いものでした。
なお、パーツの相性という意味では、まず安定するメモリを探すのに苦労したということがあります。何種類か試しても安定動作してくれなかったため、結局購入店のUSER'S SIDEに行き「TigerMPXで安定して動くメモリを売ってくれ」と言って買ってきたCORSAIR製のRegistered DDRメモリで何とか安定させることができました。
また、Ultra160 SCSIボードでも、同じLSI Logic 53C1010-33を搭載しているボードを2枚用意しても、片方ではOSのインストールがどうやっても成功しなかったということがありました。これはもう1枚の方を使うことであっさりと解決したため、ボード上のBIOSバージョンの違いが影響していたのかもしれません。
きちんと動かすことだけでも苦労しましたが、当時はこのトラブルも楽しめていたという部分もあります。今なら恐らくさじを投げていたでしょうね。
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購入金額
9,800円
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購入日
不明
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購入場所
USER'S SIDE 秋葉原本店
Vossさん
2012/10/07
組んだ時点で相当額突っ込んだ関係から、Athlon64X2がReleaseされるまでメインで運用してましたが、とにかくメモリに振り回されたのを覚えてます。
jive9821さん
2012/10/07
USER'S SIDEでは時々予想もしないような安売りがあって面白かったのですが、なくなってしまったのが残念です。
メモリにはやはり手こずりましたか。私は手持ち分やバルク購入分など3~4種類試して全く駄目で、USER'S SIDEに相談に行ったところCORSAIRの製品を勧められ、買って試してみるとそれまでが嘘のように普通に動き出したという思い出があります。その代わり、それまでに試したメモリのほぼ倍の金額でしたが。
私の場合はあくまでRAIDの構築実験など、テスト用の位置付けだったのでほどほどに使っただけでしたから投資額という意味ではそれほどでもなかったのですが、当時としては十分に上位構成となり得るシステムでしたから、周囲の知人などもこの製品にはかなりの金額を投じた人が多かったようです。