加羽沢美濃。クラシック~ニューエイジ~サントラ界で活躍するピアニスト。またそのウィットに富んだ話術と美しい姿で、「題名のない音楽会」や「名曲リサイタル」等の司会者としても有能。そんな彼女が1997年から2005年まで出していたのが「ピアノ・ピュア~ メモリー・オブ・XXXX」。その年のヒット曲を彼女がアレンジし、弾く、そんな企画。通り一遍のBGMアレンジとは一線を画し、ダイナミックでリリカルで、でも原曲のイメージ壊さない...そんな作品が詰まっている。2000年版
は以前ご紹介したが、これはその2年前の1998年版。「Timing」はBLACK BISCUITSのヒット曲。お笑い番組からの企画ユニットとしては異例のヒットで、「Choo Choo TRAIN」
同様、中西圭三の他者への提供楽曲。元曲は中西お得意のサビで転調するファンキーチューンだが、美濃は(加羽沢は、というとしっくりこないな)スローなテンポでアルペジオを多用して、ふわりと静かに始まる。徐々に強く、ダイナミックな演奏になり、2コーラス目には元曲のテンポ程度に戻って、サビの部分で転調する特徴を浮き彫りにする。ラストはまたドラマチックにゆったりと...
MISIAの出世作「つつみ込むように…」は不安定なコード進行として、テンションノートを載っけて不安げに始まるAメロからサビに向けて徐々に解決していくつくり。ソウルっぽい元曲が意外なアレンジ。
「Time goes by」はELT(Every Little Thing)の原曲にかなり忠実。もちろんピアノ独奏で、リズムなんかは入ってないんだけれど、緩急をつけながら歌う美濃のピアノの向こうに持田香織の歌声が聞こえるよう。キーボーディストの作曲した曲は何もいじらなくても鍵盤と相性が良い、ということか?
BGMには終わらせない演奏の強さと、なじみのある楽曲で親しみやすいアルバム。Amazonは試聴ファイルがあるけれど、この緩急、強弱つけたダイナミックな演奏とコードや展開に工夫したアレンジは、ぜひ通しで聴いてもらいたい、作品です。
【収録曲】()内オリジナルアーティスト
1. うらら・イン・ザ・スカイ~「天うらら」オープニング・テーマ
2. winter fall(L'Arc~en~Ciel)
3. Timing(BLACK BISCUITS)
4. 夜空ノムコウ(SMAP)
5. Hot Limit (T.M.Revolution)
6. Love is…(河村隆一)
7. ONCE IN A BLUE MOON~「WITH LOVE」より
8. Power(ポケット・ビスケッツ)
9. つつみ込むように…(MISIA)
10. 長い間(Kiroro)
11. 青の時代(KinKi Kids)
12. DESTINY(MY LITTLE LOVER)
13. 誘惑(GLAY)
14. White Love(SPEED)
15. マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン~「タイタニック」愛のテーマ(Celine Dion)
16. Time goes by(Every Little Thing)
17. Forever Love(X JAPAN)
18. There will be love there~愛のある場所(the brilliant green)
加羽沢美濃オフィシャルサイト
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購入金額
2,940円
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購入日
1998年頃
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購入場所
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