レビューメディア「ジグソー」

少数派なスロット配置を持つB75マザー


何を思ったのか突然買ってきたMSI製B75搭載ベーシックマザー「B75MA-P45」。その名の通りビジネス向けと位置づけられるB75チップセットを搭載。7X系チップでは最低ランクのシンプルなチップセットだ。
先日のR18なキーボードレビューでUEFIいじってたのは実はこのB75マザーだったのだ!というか同日購入だよ!ほんとはこのマザーしか購入予定なかったのにさ!


自重しろ
自重しろ


B75にてサポートされるビジネス向けセキュリティ技術のサポートは一般用途で特にアドバンテージとはならないので、実質的にはチップセット側でPCIをサポートしているという点以外見るべき点は無い。ローコストで必要十分な構成を狙うためのチップと言える。

とはいえさすがにH61は割り切りすぎで諦める部分も多いのに対して、1ポートながらSATA3を備え、メモリスロットも4スロット対応(但し8GBモジュール*4の32GB構成ではうまく認識されないとマニュアルにある)、チップセット側に統合されたUSB3.0*4ポートと、システム用SSD1台にデータ用HDDを組み合わせたお決まり構成なら事足りる能力を持っている。



と言うわけで各社から廉価価格帯向けのマザーとしてB75搭載モデルはいくつかラインアップされている。しかし何故ASRock大好き人間の私がこのMSI製を選んだのかは後回しにしてまずはB75MA-P45という製品を見てみよう。

付属品
付属品

付属品はSATA3ケーブル2本にバックパネル、マニュアルとドライバディスクとやはりシンプル。USB3.0ヘッダ用のブラケット類は付属しない。
箱もシンプル…?
箱もシンプル…?

残念だけど、今回P183-MSIに入れる予定はありませんッ!




ところでせっかく専用箱を作るのだったらスペック表と一緒にスロット配置も判るように製品写真を掲載しておいてくれるとありがたい。大抵店頭展示機があるからいいのだろうが、B75マザーをわざわざ展示する店も少ない訳で…でもまあコストを考えれば仕方が無い事か。
箱の裏くらべ
箱の裏くらべ

ちなみに家にあった箱だと、ASUS・ASRock・Intelは箱の裏に基盤の実物写真があり、GIGABYTEとMSIは基盤写真が無くスペック表だけ。モデルのランクにもよるので一概には言えないのだが。


基盤全景
基盤全景

チップセットヒートシンクもドシンプル
チップセットヒートシンクもドシンプル

ベーシックモデルらしいあまりにシンプルな見た目。基盤サイズはフルサイズのM-ATXより若干幅が小さいタイプで、今回使用したケースではネジ穴が一部あわなかった。
MSI B75MA-P45←→ASRock Z68 Pro3-M
MSI B75MA-P45←→ASRock Z68 Pro3-M


その他Z68クラスのモデルと比べると、基板上パーツも少なく、スッキリした印象だ。
当然ヒートパイプとか豪華装備は無し
当然ヒートパイプとか豪華装備は無し

このシンプルで割り切った雰囲気、なんか見覚えあると思ったらコイツだよ。




補助電源は4pin
補助電源は4pin

補助電源コネクタは電源ユニット側ギリギリの位置で、ケースによっては差し替えが難しいが、CPUクーラーとの干渉は少なそうだ。
メモリスロットとCPUソケット位置
メモリスロットとCPUソケット位置

一方メモリスロットは限界までCPUソケット側に近づいており、大型クーラー搭載の際は干渉に注意したい。
実際に搭載した状態。クーラーがでけえ。
実際に搭載した状態。クーラーがでけえ。

基板上のファンコネクタは3つあるが、可変コントロールできるのはCPUファンの1つだけで、もう1つは回転数固定調整、そしてもう1つは常に全力だ。

バックパネル
バックパネル

バックパネルはシンプルそのもので、HDMIも無くオーディオ出力も1列だ。しかしPS/2ポートをマウス・キーボード両方独立して備えているのはさすがビジネス向けチップセットといったところ。

SATAポート
SATAポート

SATAはSATA3*1にSATA2*5の合計6ポート。SATA3ポートは1つしかないので実質、システムドライブ専用となる。とはいえRAIDを組まない一般的な端末構成なら十分だろう。

そして拡張スロット類。購入時はスロット部に特大シールが貼られている。
でけえシール!
でけえシール!

スロット周囲にはUSB3.0ピンヘッダ*1(2ポート分)、USB2.0ピンヘッダ*2(4ポート分)はもちろん、レガシーポートのピンヘッダも備えている辺りB75らしい。

スロット部ご開帳
スロット部ご開帳

このマザーを選んだ最大のポイントがこの拡張スロット配置だ。

1:PCI Express x16(Gen3対応)
2:空きスロット(!?)
3:PCI Express x1
4:PCI

2段目が空白と言う時点でちょっと珍しいが、VGAの大半が(例え1スロット分のクーラーでも)2スロット分のスペースを空けておいた方がいいので、2段目を空きスロットにしたのは合理的なコストダウン策と言える。

そして大抵の7X系M-ATXマザーが最下段4段目にPCIexを持ってきているのに対して、PCIスロットを最下段に持ってきているのだ。実は今回使用するPC…


大型で2スロット分のヒートシンクを持つファンレスVGAと、フルハイトのPCIサウンドカードを装着するのだ。この組み合わせをM-ATXに突っ込もうとした場合、PCIサウンドカードを3段目に突っ込むとVGAの冷却に影響が出るばかりかサウンドカードも熱に晒される。
なのでこのPCI Express x16が最上段でPCIスロットが最下段というのが理想だった訳だ。このスロット配置を求めなければ選択肢は格段に広がったのだが、7X系チップを搭載した流通品ではこのB75MA-P45と更に廉価モデルとなるB75MA-E33の2モデルだけ。そして6X系チップでも数は少なく…


Z68 Pro3-M スロット部
Z68 Pro3-M スロット部

Z68 Pro3-M等限られる…ってそれはお前のメインゲーム用PCに使っているマザーじゃないか。というかサウンドカードもグラフィックボードもゲーム用マシンそのものじゃないか。

実使用&UEFI編
実使用&UEFI編

そう、よりによって今回、メイン2台のうちの1つ、ゲーム用PCのマザーボード入れ替え先として買ってきたのだ。現在使っているのは「ASRock Z68 Pro3-M」。1世代前のチップセットとはいえ、Ivyにも対応しているしその他殆どの面において今回の「MSI B75MA-P45」を上回っているし、リモコンついてるし、色々CPU計測でお世話になったし、愛着もあるマザーだ。

Z68 Pro3-Mに実用上問題はないものの、若干気になる点(長くなるしこのマザーとは無関係な内容も多いのでレビュー最後に)が発生しているので、そのテストも兼ねてといったところ。最近自分のPCが故障しないんでなんか遊びたいなーと思ってたところなんで(オイ

更にこのB75MA-P45、どうやらB75MA-E33にシフトしていきそうで取り扱い店舗が減っていた点、そしてArkで5250円とB75MA-E33よりも安い値段がついていたのがこのタイミングで購入した理由だ。
Arkのななみさんはメガネでした。
Arkのななみさんはメガネでした。

この中途ハンパなマザー、新品が捌けたら中古品もなかなか流れる予感がしないので買うなら今のうち…めがねななみさんに釣られて入店した訳では断じてry
ギッチギチ
ギッチギチ

実際組み込んだ写真がコレ。このスロット配置に拘った理由がなんとなくお判りいただけるかと。この状態でサウンドカードが1段上にいったら色々とシビアなのだ。

最近はマザーを買う指標の一つともなってきた各社の個性的な「UEFI」インターフェイス。MSIのそれを触るのははじめてだったのだが、H67等初期のMSI UEFIに比べてまた異なった作りとなっているらしい。
設定項目類
設定項目類

起動速度はASRockのそれに近い…というかそれとほぼ同等の起動速度だ。見た目はスタイリッシュで一見従来型BIOSとかけ離れてるように見えるのだが、「Settings」「OC」「ECO」それぞれを選べば中身はほぼ従来型の項目や分類だ。
むしろOCにクロックや電圧周り、ECOに電源管理周りの項目をまとめているので判りやすく、ASRockほど従来型でもなく、古いものに慣れている人と今回新たに触る人との扱いやすさのバランスが取れている感じだ。またレスポンスも速い。
こちらはOS上
こちらはOS上

面白いと思ったのが付属のWindows向けアプリケーション。ご覧の通り殆ど同じ見た目を持っており、殆どすべての項目がWindows上からも操作可能だ。
またソフト起動時に必ず現在のUEFI設定を読み込んでいるようで、起動時間はかかるもののASRockの同種アプリケーションに対して「ソフト側と実際のUEFI側の設定に齟齬が出る」現象も今のところ無い。但し設定保存時も結構時間がかかるので、ASRockだろうがMSIだろうがやはりOSブート前に設定をいじった方が無難そうではある。

また上記スクリーンショットでさりげなく…


が認識されている。ちなみにMSIの動作確認ページには1260Lの名前が挙がっていないが通常電圧版のE3が並んでいるのでこちらも問題なさそうだ。

但し設定項目の自由度に関してはやはりASRock Z68 Pro3-Mに劣る点も多い。先述の通りファンコネクタで可変動作が可能なのはCPUファンのみなのも廉価モデル故か。
しかしそれ以上に顕著に差が出ているのがCPUとメモリの電圧設定。元々B75は倍率可変CPUを載せるモノでもないのでその辺は仕方ないのだろうが、メモリ電圧も1.35/1.50…とマイナス方向に振るには1.35Vしか選択肢が無く、1.25Vの超低電圧メモリのメリットは生かしきれない。
そしてCPU電圧に至っては+方向の4段階オフセットのみだ。基盤自体の消費電力は見るからに低そうなシンプルモデルだけに、低電圧化を狙えないのはかなり惜しい。
消費電力テスト編
消費電力テスト編

元々マザーはハイエンドのものほど多機能やOC状態での安定を狙ってパーツが増えるので消費電力が大きい傾向にある。これだけ構造物の少ないマザーなら消費電力も少ないのでは無いだろうか。
今回普通に使える状態のASRock Z68 Pro3-Mとマザー以外すべて同じ構成でのデータを取れるいい機会だったので、取得してみることに。
まあASRock Z68 Pro3-MもZ68としては最廉価クラスなんですが。
まあASRock Z68 Pro3-MもZ68としては最廉価クラスなんですが。

構成は以下の通り
CPU:Intel Xeon E3-1260L
MEM:G.Skill F3-12800CL9D-8GBSR2(但し1333駆動)
VGA:PowerColor AX5750 1GBD5-NS3DH
サウンドカード:aim SC8000
電源ユニット:Huntkey AYAKAZE300
その他アクセサリ類分の消費電力アリ

何か金かかってるとことかかってないとこがアンバランスな構成だなあマッタク。
そしてマザーボード側はUEFI設定をデフォルトにしたものと、実用上問題の無い範囲で消費電力を下げる設定にしたものの2種類を取得する。

MSI B75MA-P45の場合C1state等の各種エコロジー機能を有効に、メモリ電圧を1.35Vに、使用しないオンボードデバイスを停止(といっても殆ど停止するものがないのだが)。
ASRock Z68 Pro3-Mの場合それらに加えてFDDコントローラの停止、CPU電圧を-1.25Vにオフセット、メモリ電圧も1.25Vまで低下させている。

B75Z68グラフ.png
B75Z68グラフ.png

なかなか興味深い結果が出ている。UEFIデフォルト状態だと、消費電力に大きな差が出ており、Z68 Pro3-Mに対してB75MA-P45が10W近くも消費電力が低いのだ。

が、コア電圧とメモリ電圧を自在に調整できるZ68 Pro3-Mがカスタマイズ状態ではむしろ逆転する。B75MA-P45は設定をいじっても極端な変化は見られないのに対して、Z68 Pro3-Mの調整効果は絶大。アイドル時こそB75MA-P45より多いものの、負荷時は逆転しているのだ。

設定しない状態ではB75MA-P45の方が低消費電力と言えるが、調整後は特に負荷時においてZ68 Pro3-Mの電圧自由度が生きてくるという訳。
つまりB75MA-P45にZ68 Pro3-MのUEFIばりの低電圧設定項目があれば更に消費電力が下りそうなものなのだが、あくまでそれを設定できるのはOCも考慮したクラスのマザーというジレンマ。


メモリ動作検証編
メモリ動作検証編

さて、今回普通に使えるZ68 Pro3-Mがあるのにわざわざコレを購入した気になる点というのは…

Xeon E3 1260LとG.Skill F3-12800CL9D-8GBSR2の組み合わせで1600駆動ができないという点だ。それぞれを購入した当初はしっかり1600駆動しており、実際にその時のレビューもある。

ところがSSD320の8MB病発生と前後して、唐突に1600駆動の選択項目さえ無くなるという謎現象が発生、1333駆動を余儀なくされていた。SandyBridgeはCPUにメモリコントローラを内蔵しているのでメモリと共にCPUも疑うべき。と言う訳で…

このマザーに同じCPUとメモリのセットを装着したところあっさり1600動作。これはやっぱりZ68 Pro3-Mになんらかの不調が発生していたのではないだろうかと疑ってかかった訳だ。
ちなみに同じ時期に何故かオンボードグラフィックが出力されないという不調も発生していたのだが、こちらはUEFI設定リセットで復旧。GPUコア電圧とかの設定いじりすぎたんだろうか。

と言う訳でB75MA-P45に期待してパーツ類を移植。
だから自重してください
だから自重してください

で、結論としては…やっぱり1600駆動しませんでした! Intel DH77DFがむしろイレギュラーだったのだろうか。でもZ68 Pro3-Mも当初は1600駆動してた訳だし、UEFIアップデートして動かなくなるとかなら判るがある日突然だもんなあ。
ちなみにG.Skill F3-12800CL9D-8GBSR2は2セット持っているがどちらもダメ。

テストついでにi5 2500Tで1600動作するかも試したがダメなものはダメ。

しかしまあパーツ組み込んじゃったし、Z68は消費電力計測の基準としてメインPCのくせに何度も分解食らうハメになってたし、ひとまずあちらは休ませてしばらくは「B75とXeonE3という組み合わせなのにゲーム用PC」というアンバランスさに変態度を楽しんでおこう。
というかリモコンを除けば実用上まったく変わっていないのだから、ほんと私はB75クラスで十分なんだな!

とはいえ今回比較して、改めてZ68 Pro3-Mの素性のよさというかバランスのよさも再認識できた。メインがASRockじゃないと何か寂しいなあ…MSIだしとりあえず壁紙を美星藍にするか!って壁紙なんてあったっけ!?
  • 購入金額

    5,250円

  • 購入日

    2012年09月07日

  • 購入場所

    Ark