レビューメディア「ジグソー」

PCIブリッジを使わずにマルチファンクションを実現

マルチファンクションのPCIカードは、一般的には先日掲載した1394US2G-PCIのようにPCI-PCIブリッジを搭載し、その下に各機能のコントローラーを配置するという構造が一般的です。



しかし、VIAやALiなど一部のベンダーでは、特定のコントローラー同士の組み合わせでPCI-PCIブリッジを使うことなくマルチファンクションを実現出来るものがありました。このIFC-PCI7IU2に搭載されているのはいずれもVIA製のVT6212(USB2.0)・VT6306(IEEE1394a)であり、PCIブリッジを使うことなく2つのコントローラーを実装しているのが特徴となっています。

1394US2G-PCIで書いた通り、PC-9800シリーズではPCI-PCIブリッジを利用した場合のリソース割り当てに難があり、特に複数のPCI-PCIブリッジを利用した場合に正しいリソースが割り当てられず正常動作しなかったり、辛うじて動作しても不安定だったりすることがありました。当時私がメイン機として使っていたPC-9821Rv20/N20では、PCIスロットの本数不足を解消するべく、玄人志向CHANPON ZERO3-PCIを利用していたため、この時点で既にPCI-PCIブリッジがシステム内に存在していて、もう1枚PCI-PCIブリッジを搭載したボード(1394US2G-PCI)を使うと動作が不安定で使い物にならなかったのです。



そこでPCI-PCIブリッジを利用しないこのボードが発売されると、すぐに買って導入しました。このボードを使っている限りでは、USB2.0やIEEE1394だけではなく、他のPCIボードの機能も安定して動いてくれていましたので、それだけでも非常に有り難い製品でした。

また、しばしば問題となったUSB2.0(EHCI)動作時のCPU負荷の高さについては、若干気になる程度にはありましたが、第1世代のコントローラーと比べれば改善されていたように思います。

後にCHANPON ZERO3-PCIと、PCI-PCIブリッジを利用しているSCSI+IEEE1394の複合ボード、REX-PCIFS4の共存が可能であることがわかるとこのボードは使われなくなりましたが、それまでの間PC-9800系でありながらUSB2.0もIEEE1394も無事に使えていたのはこのボードの功績であり、強く印象に残っています。
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