今ではサウンド系の機器のブランドとなってしまっているHerculesですが、当時はGuillemotのPCパーツ向けブランドという位置付けでした。

　ビデオカードではATi製のチップを搭載した製品を中心にリリースしていましたが、リファレンス系の製品が赤基板を多く採用していたのに対して、Herculesブランドの製品は青基板を採用しているものが殆どでした。

　RADEON 9000は当時のローエンドモデルですが、この3D Prophet 9000 PCIはローエンド向けの製品としては基板サイズが大きめで、比較的しっかりと作られたボードという印象があります。

　古い世代の製品のご多分に漏れず、私がこのボードを買った理由はPC-9800シリーズで動かすためです。VGA BIOSはその時点でPC-9800シリーズに対応させるために改造してあり、チップセット内蔵グラフィックスを搭載しているPC/AT互換機ではVGIA BIOSが起動してこなくなっています。

　一応Windows 2000では無事に動いていたのですが、ATiのチップを採用したボードでは、ドライバーのアップデート毎に挙動が大きく変わるという傾向がありました。

　あるバージョンのドライバーでは滑らかに描画していたと思ったら、1つドライバーを新しくした途端にビデオメモリーの認識量が狂って、描画もかくつくようになるということがあります。また別のバージョンにすると一見普通に描画できていても、DVDを再生するとブルースクリーンを吐くなど、安定する環境を見つけるのが難しい部分がありました。

　GeForceでもある程度の挙動の差はありましたが、RADEONほど極端なものではなく、そうなると徐々にGeForceばかりが使われるようになっていったわけです。

　このボードはローエンドクラスでありながら画質も割合良好で、十分良く出来た製品であったことは間違いないものと思います。