DOUBLE(ダブル)。このグループは彗星のようにcybercatの前に現れた。たしか渋谷の巨大CDショップで、いつものように知らないアーティストの試聴盤を聴きまくっていたとき。「ナニコレ?いいじゃん!」。ブラコン丸コピのわけわからん英単語の羅列でもなく、きちんと日本語詞なのに、R&Bが消化されてる。
試聴機の横をみると女性二人が頬を寄せ合っている白黒写真。早速購入して帰った。それが彼女らの3rdシングル「BED」。ただシングルはありがちの構成で、表題曲とそのリミックス、カラオケがメインで他の曲は1曲しか入っていなかったので、このあとの展開はどうなるだろうと心待ちにしていた。
満を持してリリースされた初アルバム“Crystal”。シングルカットされた曲がアルバム後半に来るというおもしろい配置で、でも彼女たちのいろんな面がまさに多面でカットされた水晶のように煌めくアルバムだった。「Free Style」。少しアフリカンな?掛け声から始まるが、リズムが入ると、複数のハイハット音が聴こえ、せわしなく小刻みに打ち込みのバスドラが鳴る「前のめり」リズムに、通るクラベスの響きがはさまれる日本人っぽくない曲。それに乗る声も日本語とは思えないほどノッてる。オープニングを除く1曲めにシングルカットされていないこの曲を持ってきたのが配置の妙。
「Make Me Happy (MORE MIX)」はゲートをかけたような残響コントロールがされたピアノと、逆にデッドルームでの演奏のようなメチャタイトな音色の打ち込みのリズム。ファルセット気味に軽く歌われるコーラスと、エレピのシーケンスが温度感がなくて、COOL!
「BED」。出会いの曲はやっぱり一番印象的。出だしは少々クロっぽいだけのJ-POPなのだが、サビのコーラスのあたりから、「これは違うゾ」と。ブリッジのあとのセリフのあたりから(このセリフ、きれいな英語!)ますますクロくなり、フェイクのところはもう!もう!!
..歌詞もキワどいしw♪ベッドの真ん中が/一番寂しい/二人で抱きあえぱ/なにもいらなかったはず~からだで教えて/傷つけても/言葉ごまかして/(恋は)続くから♪
でもこのアルバム、手にしたときはとても哀しかった。DOUBLEはその名の通り女性二人のユニット、SACHIKOとTAKAKOの姉妹デュオだった。それがこのアルバムの発売直前、姉SACHIKOが病死、遺作となってしまう(SACHIKOの参加アルバムはあと一枚リミックス集があるが)。CDショップのPOPでそれを識り、残念でならなかった。その後遺されたTAKAKOは独りで、でもDOUBLEの名はそのままに活動している。彼女の方が曲作りには多く関わっていたと言うことで、その後のDOUBLEも悪くはないんだけれど、SACHIKOの詩の世界もDOUBLEの世界には欠かせなかったとも思う。
この一枚切りの「二人のDOUBLE」のオリジナルアルバムは世界への扉を開けかけた作品だったんだけれどネ.....SACHIKO,I miss you....
【収録曲】
1. Intro ~ Crystal Clear
2. Free Style
3. Little Things You Do
4. Make Me Happy (MORE MIX)
5. Desire (Cool groove MIX)
6. Interlude (If My Sister's In Trouble~Joy)
7. Shake (Original)
8. Sweet time
9. For me (Live style MIX)
10. BED
11. Shake (ANOTHER SQUALL MIX) feat. ZEEBRA
12. BED (DOUBLES) featuring Mummy-D from RHYMESTER and Kohei from MELLOW YELLOW
「BED」
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購入金額
2,500円
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購入日
1999年06月頃
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購入場所
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