伊藤広規というベーシストがいる。自身でリーダーアルバムをバンバン出していくというタイプのベーシストではないが、おもにロック~J-POPのサポート/レコーディングベーシストとしてアーティストからの信任厚い職人ベーシスト。そんな彼が、震災を乗り越えて開催された音楽イベントで、いわきALIOSホールにて企画されたライヴに対して声をかけたメンツがスゴイ。MISIAのツアードラマーやかつてプログレフュージョンバンドPRISM
で名をはせたドラマー青山純、サックスは同じくPRISMから中村哲、ギターとボーカルは元四人囃子の森園勝敏に加えて玄人好みのギター&ボーカル、南沢KAZと「そうそうたる」メンツ。彼らが一部セルフカバーも含め、東西の名曲を演った作品。「Groovin'」はThe Young Rascalsの名曲。今回のメンツと関連の深い山下達郎がカバーしたことでも有名だ。このアレンジでは鍵盤ハーモニカによる副旋律がオールディだ。勝手知ったるメンツとの同窓会的ノリで進むリラックスした演奏で、みんな楽しそう!でも演奏がダレているわけではなく、ところどころ光るフレーズを挿みながらさすがのプレイ。何のことはない8ビートなのに青山の挿む小技はキラリと光る!
「Lady Violetta」は四人囃子の名曲だが中村の鍵盤ハーモニカの調べが心地よいフュージョンロック。森園のレイドバックしたギターが気持ち良い。伊藤のミディアムテンポの能弁なチョッパーまじりのベースは「わかってるナァ」ww
さいごの「わたげ」は「ボーナストラック」とつくだけあってちょっと異色。まずnaoの軽やかな歌声で勇気づけられる震災被災者・被災地への応援歌。ミディアムテンポのやさしいJ-POPなんだけど、そこはそれ竹内まりやや山下達郎の信任も厚い伊藤、饒舌で、でも出しゃばらず、それでいてパーカッションだけで進むリズムを支えてうまいドライヴ感を出している。続いて同じメロディーが弦楽四重奏で荘厳に奏でられる。震え気味にも聴こえるヴァイオリンのビブラートは亡くなった方へのレクイエムのようだ。
人格者伊藤広規の呼びかけによって実現したライヴ+応援歌。帯には名盤RIDE ON TIME
の頃からつきあいのある山下達郎が帯にコメントを寄せている。
~僕の相棒の伊藤広規は、たくさんのトモダチがいる幸福な男です。気心知れた仲間たちとコーキの、音の宴をお楽しみください~..ということでAmazonは試聴ファイルのあるmp3に繋いでマス。いわきALIOSホールという素晴らしい音響の会場を得てハートウォームな演奏です!
【収録曲】
1. Baby's Callin' Me Home (Cover of Steve Miller Band)
2. Have A Little Faith In Me (Cover of John Hiatt)
3. Groovin' (Cover of The Young Rascals)
4. Lost And Found Of Love (Cover of Rainey's Band)
5. Lady Violetta (Cover of 四人囃子)
6. Feelin' Alright (Cover of Dave Mason)
7. Kissing My Love (Cover of Bill Withers)
8. わたげ (ボーナストラック)
9. わたげ弦楽四重奏 (ボーナストラック)
伊藤広規ホームページ
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購入金額
3,000円
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購入日
2012年05月28日
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購入場所
HMV
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