The Doobie Brothers。Eagles
と並ぶ1970年代ウエストコーストロックの中心グループ。根にはフォーク、カントリーの要素を持ちながら、ベトナム戦争後の世相を反映してか、徐々に都会的な暗さを曲に加えていくのも同じ。
ただEaglesが退廃、やるせなさ、という都会の暗部、戦後の闇にフォーカスしていくのに対して、
The Doobie Brothersは後期のフロントマン、Michael McDonaldの都会の洗練の方向に行く。
ちょうど前フロントマンTom Johnstonの体調問題での離脱がこの変革ポイントで、作品としては名盤“Minute by Minute”
の2作前、“Takin' It to the Streets(邦題:ドゥービー・ストリート)”から。ここからエネルギッシュだがドロくさく、パワーあふれるギターバンドだったTomカラーからソフィスティケイトされたソウルフルなキーボードバンドであるMichaelカラーに変わる。
この初期ベスト(後にこの続編「Best of the Doobies, Vol. 2」が出るので、俗に「Vol.1」と呼ばれる)はちょうどこのかわり目までを網羅する。つまりMichael初参加の作品“Takin' It to the Streets”からも2曲選ばれている(逆に、1stからは選出なし)。
古くからのファンの中には、“Takin' It to the Streets”を含めず、Tomカラーの“Stampede”までで一区切りつけた方が良かったのではないかと意見もあるが、この「ベスト」がベストたるのはDoobiesの包容力というか懐の深さというかを表した選曲にもよると思う。
「Long Train Runnin'」。Doobiesの代表曲のひとつ。特徴的なカッティングと、かなりブルージィで少しクロっぽい曲。ツインドラム、ツイン(時期によりトリプル)ギターの豪快なウエストコーストロックが彼らの元々の身上だが、先のフロントマンの変遷も堪え得たのはこのような下地があったからか。途中のソロは後期はサックスやエレピで置き換えられたけれど、オリジナルのハーモニカも哀愁があっていいなァ。
「Takin' It to the Streets」はそのMichael参加の曲だが、ひときわ目立つベースのラインと休符の入れ方が、「ロック」じゃないな。ブルージィなピアノのコードバッキングとソウルフルなサックスソロ。コーラスの部分は以前からのDoobiesだけど、この懐の深さもまたDoobiesだ。
「Black Water」は不思議な曲調の初期の曲。ギターとハープ、ヴァイオリンの目立つカントリーチックな曲。ちょっとコーラスのトコロはThe Beatlesの様な雰囲気もある。ラストのコーラスの付け方がおもしろいな。でもこの曲意外なことに彼らの初の全米1位の曲。そんでもってシングルB面なのだから、何が受けるか判らんな。
他にも『アメリカンロック』爆発の「China Grove」でのゴーカイなプレイや、「Rockin' Down the Highway」のギターのリフではバックのスネアドラムの裏皮が共振しているのが判るおおらかなレコーディングで彼ららしい。
色々な曲調を取り込みながら、いいロックを届けてくれた彼ら。自身が楽しんでるのが判るね。音「楽」、それが長続きの秘訣?
【収録曲】()内オリジナルアルバム
1. China Grove (The Captain and Me)
2. Long Train Runnin' (The Captain and Me)
3. Takin' It to the Streets (Takin' It to the Streets)
4. Listen to the Music [Long Version] (Toulouse Street)
5. Black Water (What Were Once Vices Are Now Habits)
6. Rockin' Down the Highway (Toulouse Street)
7. Jesus Is Just Alright (Toulouse Street)
8. It Keeps You Runnin' (Takin' It to the Streets)
9. South City Midnight Lady (The Captain and Me)
10. Take Me in Your Arms (Rock Me) (Stampede)
11. Without You (The Captain and Me)
「Black Water」
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購入金額
3,200円
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購入日
1989年頃
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購入場所
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