なっちこと安倍なつみ。元モーニング娘。の(今の言い方で言えば?)センター。その歌唱力と、ふんわかとしながら芯の強いキャラで初期からグループを引っぱったが独り立ち
して、彼女の世界を作り始める。
そんな彼女の第2の独り立ち、ともいえる作品。もともとつんく♂の企画したボーカリストオーディションから芸能活動がはじまり、モーニング娘。はもちろん、ソロデビュー後も彼のサポートを受けてきた彼女。そんな彼女がついに彼の手を離れ、つんく♂レスで仕上げた作品。彼の華があり、色気がある楽曲は、幼顔で健康的な彼女が歌うとミスマッチの妙があったんだけど、透明感のあるイイオンナに成熟してたきた彼女が歌うとちょっと違うな、というのも確かに。彼の楽曲の魅力から離れて、どれだけ輝けるかを試したアルバム...だが、尻上がりに彼女の世界に引き込まれるおもしろい配置の作品になっている。
「愛しき人」はキャッチーな比較的王道のJ‐POPだが少しありきたりか。1曲目としてはどうだかね。少しバックのオーケストラが大きいかもしれない。なっちの上手さは相変わらずだが、もう少し「前」に出したアレンジでもよかったな。
「くちびるで止めて」。これはむずかしいラインの曲...!右端からはギターのカッテイング、中央やや左にピアノが位置し、情熱的なスパニッシュ風のバック。下手に歌うとオンチにも聴こえてしまうだろうテンションのかかったメロディラインで、このむずかしい曲を軽快なリズムに乗せてうまく歌いきっている。中間部の木村香真良のギターソロは情熱的。
「月色の光」。ニューエイジ風のピアノのバッキングにあわせてなっちが歌う。2コーラス目から入るドラムパターンも2小節1パターンのおもしろいもの。これも上手くないとつまらない曲だな。彼女の声には癒しの力があると以前書いたが一番それが感じられるかな。低い方のハスキーさがいいんだよね。今のところこのアルバムが最後のまとまった曲の発表。シングルは散発的に発表してるし、モーニング系のリユニオン(ドリムス。)などにも参加して元気なところは見せてはくれてはいるけれど、そろそろ「カワイイ成熟」を魅せている彼女の「今」の歌声を「アルバム」として聴きたいな。
【収録曲】
<CD>
1. 愛しき人
2. スイートホリック
3. 大人へのエレベーター
4. 25~ヴァンサンク~
5. くちびるで止めて
6. 月色の光
7. 甘すぎた果実
<DVD>
1. 甘すぎた果実(Live at Shibuya O-East)
2. スイートホリック(Live at Shibuya O-East)
「甘すぎた果実」
安倍なつみオフィシャルウェブサイト
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購入金額
2,800円
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購入日
2007年頃
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購入場所
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