新日本無線がコスト度外視で作ったというオーディオ用ハイエンドオペアンプです。01はFET入力で、姉妹品にBJT入力の02があります。
相対的に潤いのあるプラチナ音質
解像度が高く情報量も多く、高級オペアンプの代名詞でもあるOPA627にも引けをとらない音質です。ただ、バイポーラ入力とFET入力の違いなのか、MUSES02と比べると潤いのある音質です。また、OP42FJ(メタルCAN)と比べても同様のことがいえます。対して、02は01と比べてドライに聞こえます。
過渡応答(A=11 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=10kΩ 位相補償なし 10:1プローブのみ接続 ガラエポユニバーサル基板)
(12/30追記)15Ω負荷(セメント抵抗)時の過渡波形を以下に掲載します。
過渡応答(A=1 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=0 位相補償なし Rl=15Ω ガラエポユニバーサル基板)
電源電圧が難点
MUSES01は、DIPの2回路品のみがあります。ハイエンドオペアンプで2回路入りは珍しいです。DIPなのでソケット実装ができます。ソケットは金メッキの丸ピンがおすすめです。
ただ、電源が±9V~±16Vを要求します。単電源では18V以上必要です。ポータブルアンプに使うとなると9Vの電池を最低2個要求します。ポタアンを自作したことのある人ならわかると思いますが電池は意外と場所を取ります。余裕を持って3個で構成することもできますが場所が足りなくなります。あるいは、昇圧器を組み込むという方法が考えられます。
出力電流については、±9V電源で32Ω負荷の場合は電圧が1.4~1.5V程度まで出力できるようなので44~48mA程度と考えられます。±15V電源であれば電圧が2.2V程度となるため約69mAです。これだけあればcMoyのような直接駆動する使い方をしても(電源電圧には注意が必要ですが)、最近のイヤホンであれば200mVp-pも出せれば充分なことが多いので大丈夫でしょう。
値段相応だが良い方といえる
高価な石ですが、値段相応に音質が良く、また、2回路入りであるため1回路あたりでは2000円程度と安価です。1回路あたり2000円程度のオペアンプには、MUSES01やMUSES02のほか、AD797、LT1028A(選別品)などがあります。AD797は持っていませんが、LT1028と比べると外付けの位相補償が不要で、さらに2回路入りなのでわざわざ変換基板に実装する必要が無い点がメリットです。
少し温かくなるくらい
24V駆動のcMoy回路では、外気温29.7℃に対してパッケージの表面温度が37.1℃までと、温かくはなります。
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購入金額
3,980円
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購入日
2016年04月頃
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購入場所
デジット
jakeさん
2016/08/20
MihailJPさん
2016/08/21
一方で5.5V以上で使えないオペアンプはAD8656やOPA2350など結構見かけます。これらはDACなどで使うために3.3Vや5Vといったデジタル回路の電圧で使用することを前提としています。
余談ですが真空管時代には(戦後ですが)既にK2-Wというオペアンプがあったそうで、2球±300Vを使ったようです。これはアナログコンピューターに使われたそうです(そのためにオペアンプ(演算増幅器)と呼ばれています)。