レビューメディア「ジグソー」

ステルスという新たな次元へ踏み込んだ黒騎士

※CPUクーラーです。
※CPUクーラーです。


ダイナマイトDECA二階建てレインボーとは別の意味で強烈なネーミングを持つXIGMATEKのCPUクーラー。ダイレクトヒートパイプ方式の12cmサイドフロー形式の「SD1283」シリーズの最新型。
もうこのSD1283シリーズの(名前の)変遷を見るだけでステキ。

S1283/S1283V "Dark Knight" ブラックメッキを纏った黒騎士。Vは対応ソケット増加版。
SD1283 "BALDER" 北欧神話出典、光の神の名を持つに相応しいミラー仕上げ。
SD1283 "GAIA" 今度はギリシア神話の女神。実はモデル自体はベーシック。
SD1283NHED "Dark Knight Night Hawk Edition" そしてこの名前である。

神の名を持つガイアとバルドルに比べると黒騎士はランクが下がりそうだが、そこにナイトホークが加わり最強に見える。ナイトホーク…本来はアメリカヨタカ(鷹)の名前だが、意識したのはそう、ステルス攻撃機「F-117"ナイトホーク"」だろう。
ないとほーく
ないとほーく

というか公式サイトもパッケージも思いっきりF-117の画像つかってんじゃねえか!!
http://www.xigmatek.com/jp/product.php?productid=162
ロッキード●ーティンに怒られないか心配だが、まあステルスといったらF-117だし。Dark Knightで使われていた画像が剣だったのに(ちなみにGAIAとBARDERは抽象的なグラフィック)、いきなりステルス攻撃機ですよ。まさに現代に蘇った黒騎士だ!まあF-117ナイトホークは4年も前に退役済だけどね!!


さてクーラーとしてみれば最早ポピュラーな部類となるダイレクトヒートパイプ&12cmファンによるサイドフロー形式。ライバルはいくらでもある。↓コレとか。



そんな中差別化としてナイトホークに施されたのがセラミックコーティング。
マットブラック
マットブラック

光を吸収するかのようなマットブラックはステルス攻撃機の名に相応しい。いっそF-117みたいに直線基調のデザインにすりゃいいのに。それか名前をラプターやグレイゴーストにするとか。

セラミックコーティングの効果の程ははっきりいって謎…パッケージによれば放熱効率アップらしい。なんかむしろ悪くなりそうな気がするんだが、気にしないでおこう。実際ここに1名、セラミックコーティングの見た目と名前に釣られて購入したヤツがいるのだからそういう効果はあったようだ。
ちなみに手触りサラサラなのでどこぞの忍者と異なり手を怪我しにくいというメリットがある。ステルスの半分は優しさでできています。

取り付け編
取り付け編


中央2本のポールの間をバーで塞いで固定する。
中央2本のポールの間をバーで塞いで固定する。

バックパネルを先に固定し、その間の2つを連結、さらにその中央部を橋渡すようにしてクーラーを押さえ込む形式は先述のETS-T40-VDに近い形状。SD1283シリーズ自体は古いのでどちらが先に採用したのかは謎。


同社製の廉価モデルLoki(これまた神話かよ)と比べると、バックパネルを固定してしまえば表側からクーラー着脱が可能なのは同じだが、ネジ2本ですむ分更に簡易でCPU交換がし易い。ETS-T40-VDでもお世話になっている個人的に好きなタイプの固定方法だ。
バックパネルまで黒
バックパネルまで黒

但しLokiでは金属+スポンジだったバックパネルは樹脂製になっている。見た目の割に本体も軽量なのでとコストを抑えた結果かもしれないが、何度も何度もバックパネルをはずそうとするとネジ穴の強度が心配だ。
幸いバックパネルを外さなくてもクーラー本体着脱&CPUは交換可能なのであまり気にしないでもいいかもしれないし、ショートの心配が無いというメリットもある。

クーラー本体は12cmファンとほぼ同じ大きさのヒートシンクを持ち、高さは150mmを越える。
低い!
低い!

しかし厚みはETS-T40-VDに比べるとかなり小さい。実はこの薄さがこのクーラーのメリットの一つを作り出すのだ。


今回使用したASUS P8Z68-V PRO/GEN3はメモリスロットの端と一番近い取り付け穴が15mm程度と他の1155マザーの例に漏れずかなり近い。
定規が浮いていて判り難いがCPU中心からは55mm程度。
定規が浮いていて判り難いがCPU中心からは55mm程度。


試しにETS-T40-VDを位置あわせしてみると…
ETS-T40-VD@メモリスロット1個つぶれ
ETS-T40-VD@メモリスロット1個つぶれ

一番CPU寄りのスロットがファンの下にもぐりこんでしまい、例で使用した高さ40mm程度のメモリが限界となる。大型ヒートスプレッダを持つVENGEANCEシリーズ等は装着不可。高さをクリアしてもまたファンを外さなければメモリの着脱は不能。

謙虚な黒騎士
謙虚な黒騎士

しかしこのDark Knightならギリギリメモリスロット手前にファンが収まるので、VENGEANCE(のモック)でもちょうど収まるのだ。絶妙にメモリの熱を吸い出してくれるだろう。
モックのVENGERNCEが役に立った!
モックのVENGERNCEが役に立った!




実使用編
実使用編


付属ファンはPWM制御で1000~2000rpm程度の動作。マザーボード次第でもう少し回転数は下がるかもしれない。ステルスのくせに白LEDが内蔵されており、ENERMAX程ではないが光る。
ステルスなのに光る。
ステルスなのに光る。

ファン固定ゴム
ファン固定ゴム

ゴム製の固定具は8つ付属しているのでデュアルファン化も可能。この固定具はLokiと同じようなタイプで、ファンの振動を吸収できるシロモノだが、はっきり言って着脱は面倒。クーラーをマザーに付けるとファンが着脱しにくくなり、ファンを先に付けるとマザーに取り付けにくくなるジレンマだ。ここは普通のクリップ式でいいんじゃないだろうか。

くびれ部分が塞がっている。
くびれ部分が塞がっている。

Loki同様、ヒートシンク側面は塞ぎ気味でトンネル状。Lokiはデュアルファン化で2700Kの全コア4.2GHz駆動にも耐える(但しうるさい)程に性能向上したので、その拡大版とも言えるコイツも恐らくデュアルファン化の効果はありそうだ。試す予定はないけど。


今回も本格的な温度計測や負荷テストは行っておらず、早々にシングルファン…しかも後述の理由で吸出し側で実用開始してしまった。
目安として一応温度を載せておくと…i7 2700Kの定格動作なら室温22度でアイドル24度、1分間のフル稼働でも60度には達しない。

2700Kの全コア4.2GHz駆動&全コアフル稼働でも1分間で65度程度に収まった。本来の吹き付け方向やデュアルファンモードならさらに冷却力はアップするハズだ。但しその時のファン回転数は2000rpmを越えるので騒音は大きくなる。

また、他のクーラーより負荷と温度変化がリニアに出る傾向が感じられた。負荷時温度は比較的速く一定値まで上がるが、その後はファン回転数が上がるのもあって維持され、負荷がなくなると瞬間的に温度がアイドル状態まで戻る感じだ。

つまり断続的な負荷であれば結果的に温度・ファン回転数共に抑えられる。今回は画像加工用PCということで電圧ほぼ定格。フィルタ等ある程度の時間を要する作業に使われる4コア動作時は定格+αの38倍に収め安定性を維持しつつ、2コア&1コア動作瞬間倍率を46倍に引き上げて小負荷の瞬発力をアップさせる形にした。

【追記:4コアオーバークロック&電圧+でPrime95】

2700K 全コアクロック約4.7GHz、電圧1.33VでPrime95をまわした状態。本来とは逆の吸出しファンなので冷却能力は下がっている可能性高し。
さすがに開始30秒ほどで68度を突破するもその後の上昇は緩やか。但し電源ユニットが350W(オイ)なのと組みかえたばかりのメインPCなので72度に達した時点で終了させた。たぶん2分くらい。


まとめ
まとめ


本格的なオーバークロックの超高発熱や、エンコードのような長時間の負荷の場合、ヒートシンクサイズが控えめなので頼りないが、今回のように倍率変更CPUを使用してのプチオーバークロックによる常用なら、なかなかにいい結果を残してくれそうだ。
最近のリテールは十分静かなので定格での静音化効果はアイドル時・負荷時ともに大差ないが、倍率可変に向けて冷却力の余裕を持たせるという方向性では効果アリだ。
そして何より12cmファンクラスとしてはメモリへの干渉が少ない事が大きなメリットだろう。万が一他のモノと干渉しても、ファンを吸出し方向にしてもある程度の能力を維持できるので自由度があるし、リブ無し12cmファンなら換装可能だ。
いっそマザーももっと黒くするべきか?
いっそマザーももっと黒くするべきか?

但しセラミックコーティングの効果は謎のままなので、同じ形状を持つGAIAやBARDERで十分な気がしてならない。何よりそっちのが安いんでXIGMATEKの武器であるコストパフォーマンスを生かせる。しかしこのマットブラックの存在感に魅力を感じたのならあえてコチラを選ぶといい。そして一つだけ言える真理がある。「男は黒に染まれ」byメンナク

余談・採寸忘れ編
余談・採寸忘れ編


さて、Parheliaの故障で急遽組み替えたメインPCだが、さほど大きくないケースに、マザーごとP183から移植したオロチがむりやりぶちこまれ、はっきりいってマザーが見えないような状態。
…というかサイドパネルにオロチがぶつかっているのでコイツに付け替える。オロチはまたP183を使うときに温存しておこう。

予想通りサイドファンの位置に干渉した。まあこれは想定の範囲内なのでナイトホークのファンは吸出し方向に設置。せっかくメモリと干渉無いのに無意味だね!
…が、組み込んで唖然。なんとオロチより全高が高く、ケースのサイドパネルが閉まらない。実はオロチ、ファンさえ付けなければこの手の12cm級サイドフローより背が低かったのだ。完全に自分の確認ミスだ…ナンテコッタ。

ここまでやっといてオロチに戻すのもアレだし、他の1155対応クーラーはすべて使用中…というかさらに背が高いETS-T40-VDは入らないし、家族用PCに使用しているLokiかHyperTX3をもぎとってこないと収まらないという事になる。
ええいもうやってられるか、簡単な話だ、サイドパネルが閉まらないなら閉めればいいことだ。ケース前方のみ通常通りにはめこみ、後方は金具を追加してリフトアップだ!!
それ閉まってるって言わないから!
それ閉まってるって言わないから!


256色ファンとアポリッシュに照らされるマットブラックのヒートシンクはまさに自己満足の領域。現状唯一のマットブラックなCPUクーラーの存在感は独特。今後こんな真っ黒いクーラーが出て来る保障はどこにもない。人とは違ったクーラーを求めるならアリだ。

闇に飲まれよ
闇に飲まれよ

光と闇が備わり最強に見える
光と闇が備わり最強に見える



その後サイドパネルを改造して閉めた(?)
その後サイドパネルを改造して閉めた(?)

相変わらず汚い内部
相変わらず汚い内部

サイドパネルとの兼ね合いで下から上へ吹き付ける形に変更。やはり吸出しよりは本来の吹き付けにしたほうが温度も下がる。
ちなみに横方向配置だとメモリスロット1つと干渉するのでヒートシンクサイズに注意。
  • 購入金額

    3,980円

  • 購入日

    2012年04月12日

  • 購入場所

    Sofmap(通販)

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