レビューメディア「ジグソー」

民事再生法申請の山水電気が意欲作を量産していた頃の製品

本日山水電気が民事再生法申請というニュースが流れましたので、普段のPC系の話題とは
異なりますが、オーディオ機器について書きたいと思います。

当時の山水電気は、オーディオ御三家と呼ばれた名門メーカーの一つで、アンプをはじめと
する意欲作を数多く発売していました。

当時アンプの主力モデルはAU-αx07系で、上から907、707、607、507が存在していました。
より上位にはセパレートアンプや「1」シリーズ(当時はAU-X1111 MOS VINTAGE)などもあり
ましたが、多くのオーディオファンになじみ深いのはやはり07系でしょう。

私が今でも使っているAU-α707DRは当時の07シリーズでは上から2番目に当たる製品で、
希望小売価格は150,000円という製品でした。07系のDRシリーズは「Digital Reference」の
略といわれ、デジタルソースの再現性に重きを置いたモデルでした。PHONOもMM/MC両
対応ではありますが、それほどコストを割いているものではありません。

07系の中でも、歴代707はあっさりとした色付けの少ない音質が特徴でしたが、この707DR
辺りからは上位モデルに近い芯の太さを感じさせる音質に変化してきていますが、先代のAU-
α707L EXTRAから採用された非磁性トランジスタ、NM-LAPTの特徴であるやや硬質ながら
高域の透明感に優れた音質という持ち味が特に発揮されたモデルであったといえます。

音質重視の部品をふんだんに使用していることが長年使った場合の弱点ともなっていて、
ボリュームやスイッチ類の劣化は他の製品より早かったといえます。しばらく使わなかった
後には、スイッチを何度も動かしてやらないときちんと接触してくれないことも多くあります。
この辺りは廉価製品のパーツの方が耐久性は上ではないかと思います。

組み合わせるスピーカーによっては表情に乏しい音質になってしまう可能性はあるのですが、
今15万円でこれだけの製品が作れるとは到底思えないほどの内容と音質を持った名作と
いえるでしょう。
  • 購入金額

    90,000円

  • 購入日

    1993年頃

  • 購入場所

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