サーバーの起動と終了
サーバーを運用する場合、常時電源の投入状態ではHDが夏場のクーラーが切られる夜間に高熱になり寿命が尽きる。せっかくミラーリングにしても、ほぼ同時期に2つのHDが壊れる状況が多い。
どうしても24時間の運用が必要な場合は、クーラーを切てはいけない。
グローバル展開が必要な大企業や官庁など以外は、夜間はサーバーと言えども電源を切って、熱破壊と標的型サイバー攻撃や踏み台などからサーバーを守る必要がある。
もっとも大企業の場合、この程度のサーバーではパーフォーマンスが間に合わないけど。そこで電源の入り切りが簡単かどうかが毎日の事になるので、とても大切だ。
このサーバーは、電源ボタンをチョコンと押すと電源が入り、ステータスランプが点滅し、1分位してから点灯に変わり使えるようになる。
終了するときは、電源ボタンを「ピッ」と音がするまで3秒位長押しするとステータスランプが点滅し、1分位してから消灯する。自動でシャットダウンしてくれるので安心。
HD1とHD2のランプは、HDにエラーが発生すると赤く点滅するのでHDの交換が必要になる。電源を切ってからHDを交換する。
まず初めての設定をしよう
ネットワークへ接続し、電源を入れてステータスランプが点灯に変わってからWindowsのパソコン側で、ネットワークを開きメディア機器の LAN DISK を開くか、付属のCDを使ってサーバーへアクセスする。
ログオンをする。パスワードが未設定の時は、メーカーから与えられたパスワードを使う。
初めて設定を選択する。
サーバーの名前を決めよう。
次に、アドレスを決めよう。サーバーなのでDHCPを無効にして固定アドレスを設定した方が管理の点で都合がよい。注意することはDHCPの範囲外にする。
次に、時間を設定しよう。NTPサーバーは日本のサーバーを使います。
次に、設定内容を確認しよう。省電力モードを有効にした時は、有効時間を過ぎてからアクセスした時に30秒位眠りから覚ます時間が必要となるので、待てない人はここを無効にして置くと良い。しかし、ディスクの寿命を延ばしたいなら運用上不便を感じない程度の時間設定で省電力モードを有効にしておいた方がいい。
設定する。と反映中の画面になり、暫くすると設定完了画面になるので、詳細設定に行く。
RAID1へ設定変更しよう
この機種は、購入時の設定が HD1 と HD2 を繋げて使うスパンニング(RAID0)モードになっているので、ファイルサーバーとして使うときは、ミラーリング(RAID1)モードに変更して使おう。
尚、この機種は、この2つのモードのみの設定ができる。また、データを保存後、モード変更するとデータを全て失うことになるので、最初の段階でどちらかに決めて使うことをお勧めします。
システムのディスクで「フォーマット」を選択し、次へ行き「RAID1(ミラーリング)」を選択してOKするとフォーマットが始まる。数時間かかるので時間に余裕のある時に行おう。
ミラーリング・ファイルサーバーとして活躍中
ファイルサーバーは、機能もさることながら運用次第で、その価値が決まる。
ファイルサーバーとしての設定を行おう
ファイルサーバーとして運用する場合は、どのデータに誰がアクセスできるのかの設定が必要で、これがうまくいかないと運用の効率化ができず、セキュリティの問題も発生します。
情報漏洩で一番多いのが人的漏洩です。標的型サイバー攻撃でも関係者の権限とそれなりの教育を怠ると事業そのものの存続が危ぶまれることになります。
運用上不可欠な設定(黄色の部分はゲストに見せてもいいデータ)
フォルダーの階層をあまり深くするとデーターを捜すのが大変になるのでできるだけ少なくする
それでは、実際の設定をどの様に行うか説明します。
ユーザー登録をしよう
サーバーを使う人すべてのユーザー名を登録しますが、このユーザー名は各パソコンを使うアカウント名を登録します。もし、権限が違う人が同じアカウントを使っている場合は、どちらかのアカウントを変える必要があります。
ユーザーグループを登録しよう
アクセス権限とフォルダ仕様では、オーナー(admin)、チーフ(staff)、従業員(member)というグループを作っていますが、この名称はシステムに登録できる文字列であれば自由に決めて構いません。
権限グループを登録したら、それぞれのグループへユーザーを追加登録します。
データを保存するフォルダーを作成しよう
各パソコンからサーバーへ移動させて、共有するべきデータを解り易く分類し、各ユーザーの権限が及ぶ範囲内でのフォルダーを決めていきます。
上述の「アクセス権限とフォルダ仕様」では、systems、customers、templates などがありますが、これも運用に合わせて解り易いネーミングにすることをお勧めします。
DLNAフォルダは既に登録されている
AV家電と共有できるフォルダは既に登録されているので、特に必要がなければ、使わなくても良いが、ルーター越えやワークグループ越えができるので、うまく利用するとゲスト(一見さんなど)が使うフォルダとして構築しても良いかもしれない。
フォルダに権限を設定しよう
ユーザーとユーザーグループとフォルダーの登録が終わったら、権限を登録してファイルサーバーとしての利用が可能になります。
最初から完璧なフォルダ分類をしようとせずに、運用しながらルールを決めて行く方が最終的な効率化という点では有利になります。ただ、そのためには各フォルダに「その他」という分類を作っておくと便利です。また、世の中のへ変化に連れて事業の変化もあり得ますので、どうしてもフォルダの変更は不可欠になります。「アクセス権限とフォルダ仕様」と言ったマトリックス表を作っておくことをお勧めします。
ユーザー単独での権限設定より管理が楽なグループで設定することをお勧めします。
ネットワークの設定を行おう
ネットワーク設定のマイクロソフト共有では、サーバーで共有する人たちの職場が離れてない場合で同一サブネット上で運用可能な場合は、ワークグループ設定で運用する方が簡単で良い。
ネットワーク設定が完了するとそれぞれのユーザーからサーバーが扱えるようになる。
サーバーをクリックすると権限設定したフォルダのすべてが見える。権限の有り無しはフォルダをクリックしてみないと解らないのが、ちょっと不便。
結論
体感スピードもUSB接続のHDと変わらないスピード感があり、コスパ的に申し分ないと思う。今までサーバー運用していて使い易くするフォルダー変更は、何度も行っている。
運用ルールも更新しないと、ファイルを捜すことが結構発生している。保存した本人も探すことがある。
脅威対策へのシステム機能も保障されている
脅威(人的漏洩、標的型サイバー攻撃)からデータや事業を守るには、システムの堅牢性に加えて、データの監視を怠ってはならない。日本の企業や官庁、そして国民まで、この点では後進国と言わざるを得ない。あまり費用を掛けないで、どの様に運用したらよいか。
まず、ログを監視しよう
運用頻度に合わせて定期的にログを監視。どのアドレスから何時アクセスがあったか等が判る。
メールでお知らせなどを受け取ることもできる
ファームウエアのアップデートも重要だ
メーカー提供のファームウエアにアップデートがあると正面のステータス・ランプがゆっくり点滅するので、次の手順でアップデートしよう。
まず、メーカーが提供するアップデータをダウンロードし解凍しておきます。
サーバーにログインし、詳細設定を開き、システム → ファームウエア → 参照 → ダウンロードしたデータを選択 → 確認する の順でクリックする。
アップデートするときは、雷が近づいていたり、ユーザーが使っている時に行ってはいけません。
暫く反映していますの画面が続き、さらに下記アップデート中の画面になりますが、この状態では再起動モードになっていますので、3分位すれば、サーバーへのアクセスが可能になります。
結論
脅威対策機能としては、一応のシステムが備わっており、メーカーサポートもあるので安心できるが、もっと多くの自動化ができるような開発を望む。
ファイルサーバーとして大変に重宝している
パソコン教室で、オーナーが利用するファイルやインストラクターが利用するファイルなど権限を分けて利用ができる点、また、生徒が利用するファイルもサーバーからダウンロードできるので、持ち込みパソコンでも対応ができる点で効率が良い。
Windows環境のみならず、スマホやタブレットでの教室も始めたので、これらの環境構築を検討中である。
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購入金額
19,725円
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購入日
2013年11月21日
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購入場所
amazon
Schrödingers Katzeさん
2015/06/27
起動に時間が掛かるので、考慮する必要がありますが、Wake on LANに対応しているはずなので、家庭で明らかに使わない時間があるような場合は電源を落としておいて、つかうときにWOL経由で起動するのも良いかもしれません。
美才人(becite)さん
2015/06/27
ただ、こちら(群馬県)では夜中に雷などがあるために、サーバーや電子機器のある環境は単に電源をOFFにするだけでなく、加えてコンセント部分から切断するようにしています。それとパソコンや電子機器の電源は、スイッチング電源なのでコンセントを入れっぱなしの時でも電源部分へ内臓の電解コンデンサーに電圧が掛かり、日本製以外の電解コンデンサー(殆どが日本製ではなくなっていますが)は、劣化したり破裂したりする粗悪品があります。製品でもわざわざ日本製の電解コンデンサーを使用などとうたっているメーカーも出ているほどです。ご提案の内容は、遠隔操作が必要なときには、有効だと思いますので、時間を取って検討してみます。ありがとうございます。
Schrödingers Katzeさん
2015/06/28
電源供給そのものを切る場合は、シャットダウンの時にきちんと電源が落ちていることを確認するということが大事になってくるかとおもいます。意外とこの手の商品は、シャットダウンにも状態によって時間が掛かりますし。
商品が手の届く場所にある場合はいいのですが、そうじゃなくてもこの商品の場合は、電源が供給されていれば、WoLでも、起動が出来ますし、落とすときもWebUIからシャットダウンができます。外部からも不定期で中身を参照する場合は別ですが、利便性と、セキュアであることはトレードオフの関係ですので、もし家庭において、誰も使わないことが決まっている時間帯があるようなら、シャットダウンしたほうが良いかもしれません。
NASの場合は直接手を触れなくても、ネットワークに繋がっていれば制御できることもまたメリットなので、設置位置の選択肢にも繋がるかと思います。
あと、この機種の場合、システムがHDDにありますが、システム単体では純正の交換パーツ含め供給されないので、一つミラーリングして、予め予備のHDDを作っておくと、起動できないような状況に陥ったときも箱の方が壊れていなければ、復旧することが可能になります。
ミラーリングは、複製なので物理的な障害には冗長性を確保できますが、同時に同じものが出来てしまうので、論理的障害が発生したときには死なばもろともというじゃくてんもあります。
中身の重要性や、コストによって、色々運用を考えると、良い付き合い方が見えてくるかもしれません。
美才人(becite)さん
2015/06/28
ありがとうございます。また、1つ新たな知識が増えました。HDDにシステムがあることは解っていましたが、ミラーリングしたHDDを予備にする手は気が付きませんでした。ただしデータが古くなってしまいますので、USBでバックアップする場合とで、落雷対応と使い易さと投資の点でどちらにするか検討の余地はありそうですね。バックアップとHDD予備を両方用意するのがベストかも知れません。
サーバー電源のON/OFFは、サージ対応のコンセントに手元スイッチを引き出したタップを使っています。確かにサーバーがシャットダウンするのに1分位かかるので、時々OFFを忘れることもあります。にっこり。
ただ、このタップもスイッチは片線を切るだけなので、落雷サージも必要になります。あまり大きな落雷があれば、サージ部品は壊れますので、両線を切れるタップを捜したのですが、販売されてないようです。そのため大きな雷時はブレーカーから切っています。
近所でも落雷でパソコンはもちろん印刷機、エアコン、温水器など一式新しくした人もいます。保険が適用されたそうです。
Schrödingers Katzeさん
2015/06/28
一つRAID1で複製したものを置いておくのは「起動出来るシステムが失われたときの起動のためのシステムとして」です。保存データの方が目的ではないので、ファーム含め、古いものになっても、起動さえ出来れば、もう一つHDDを追加し、アップデートと、再構築をすれば良いのです。「データのバックアップ」という話での予備ではないです。
HDD内のシステム部分が起動、終了処理で破損したり、動作不良、不良セクタなどによって、起動できなくなったり、それがミラーされた場合、基本的には修理扱いでファームウェアを書き込んでもらわないと使用できなくなります。
壊れたのがシステム領域のみであれば、中身はLinuxなので、LiveCDなLinuxでも頑張れば中身を拾えるでしょうし、LANDISK Readerが公式サイトで配布されていたはずですので、Windowsからはそれをつかってデータ部分は読めるかもしれません。ただ、ソフトウェアRAID扱いなので、他のシステムから読み込む場合には、色々注意が必要です。
内容と、容量によっては、ミラーセットをバックアップとして用いるのがコスト的に最適解かは不定です。データの方は、きちんと光学メディアに焼いたり、別のHDDなどに複製しておくのが良いとは思います。
出来る人なら、HDDをセクタ単位でイメージバックアップしておいて、そこから書き戻すなんて方法もありますが、なまじ便利に出来ていて、不要な部分を削って記録するようなバックアップツールでは復元に失敗することもあります。
雷都なんて呼ばれてしまう栃木の辺りだと、普通に家電量販店で落雷保険が取り扱われている…という話は聞いたことがあります。
昨今だと、どこでもスコールや、落雷がこの季節発生しているので、高価なものは保険を掛けておいたほうが良いかもしれませんね。
留守中にはプラグを抜いたり出来ませんし、冷蔵庫辺りは抜いてしまうわけにも行きませんし。
美才人(becite)さん
2015/06/28
質問があります。これはあくまでも想定の話です。
HDDのエラーは片側だけですが、システムとして起動できなくなったときに、HDDを2つとも外して、1年前にミラーリングしたHDDを片側だけ取り付けて起動し、システムのアップデートがあれば、それを行い。問題のなかった今まで使っていたHDDを取り付けたらデーターは日付の新しいものに置き換わると思いますか?
それとも、すでにシステム領域が壊れたものになっているので、そのシステムまでコピーしてしまい、また起動しなくなると思いますか?
それともシステムの場合、HDD1とHDD2とで、コピーの優先順位があると思いますか?
たぶん駄目でしょうね。大切なデータはUSBに繋いだHDDで差分バックアップ、マンスリー全バックアップ位のことは必要なんですね。予備のミラーリングHDDと一緒に。
Schrödingers Katzeさん
2015/06/28
「起動しない、壊れている」はユーザーが認識している事象なので、起動時にシステム側は、それが起動できないシステムであるというチェック、判断は、基本的に出来ません。
smartなどで、明らかに代替セクタ、不良セクタがあるなど、怪しくなければ、起動を試みてしまい、結局起動できないという状況を作ってしまいますし、選択を誤れば、起動しないHDDがもう一本出来上がることになります。
ですから、そうならないように、ミラーリングや、リビルド、交換するHDDは間違ったり間違われたりしない様に、予めパーティションや中身を消したものや新品など、何も入っていないものを使うのが余計なトラブルは避けられると思います。
ミラーセットをバックアップとして用いるというのは、HDL-GXなどでは提案されていましたが、HDL2-Aの場合は、ホットプラグでもありませんし、電源が入った状態での交換も想定されていませんので、動かしながら行えるという以外の利点は少ないですし、「セットで運用されるのが基本」なので、片方を外した状態はシステム的には「異常」でもあるので、思想としては「物理的な障害に対する冗長性の確保と、何かが起きたときの早期の復帰」を前提としたRAID1と見たほうが良いとおもいますし、その複製は、「その時点を切り離した複製」として「他のものとは混ぜることは考えない。マージは一度他のデバイスなどにコピーしたものを書き戻すなどで対処」するようにしたほうが良いとおもいます。
RAIDは、ファイル単位ではなく、パーティションなどの単位で複製されるので、ファイルやその更新など、ファイルシステムの中で行われている差異を検出、マージすることは出来ません。
書かれたケースの場合、選択しなかったほうに「新しいデータ、使いたいデータ」があるわけですから、こちらは不要なデータとして破棄され、マージはされません。そうならないように、「異なるものが接続されていて、どれを選択するか」を選べるようになっているはずですし、基本的に「複数の異なる世代やシステムを同時につないで起動してはいけない」という認識で良いはずです。あくまで、RAID1は、生きてる単一のシステムで、片方が故障したときに生きているほうを基準に復旧する物です。
ですから、データのバックアップは大事なものはきちんと他にもとったほうがいいとおもいます。
RAIDが通常のバックアップと違い良いところは、システムを止めずに故障したものを排除し、大丈夫なものを組み込んで自動で再構成できるという、止まったり、アクセスできないと困る時間を短縮できるところにあります。ですから、企業のサーバなど「動き続けてもらわないと困る」ところで、特に有用です。そういうサーバの場合は、電源が入った状態での交換も可能になっています。
個人の場合は、物理故障の場合、普通はバックアップリストアとコピーし忘れなどの事故を考えれば、壊れたものを新しいものと交換するだけで復旧が済むというのは楽なところですね。
データの保全性、保管といういみでは、きちんと切り離されたところに複製を作るのが良いということは変わりません。
美才人(becite)さん
2015/06/28
理解不足を補って頂いてありがとうございます。
丁寧で詳細な説明と貴重な経験談を感謝します。
この機種(システムがデータと同じHDDにある機種)では、ミラーレイド(RAID1)と言えども、システムの復旧とデータ保全は、別々に管理する必要がある事を理解しました。
リストアというテストは、やれと言われても、いざ困らないとなかなか経験しないものなので、理解もあいまいになってしまいます。貴重なスキルを公開して頂き、また、長々とお付き合い頂き、本当に感謝しています。ありがとうございます。