何度も出てきているスガシカオ。彼は最近珍しいアルバム志向のアーティストだが、シングルのカップリング曲や他者への提供曲にも良いモノがある。そんな作品達を集めたのが“Sugarless”で、これが2作目。アルバムのファンキィな感じとはまた違って、とても新鮮。「ファスナー」。これはいかにもスガシカオっぽい曲だが、実は違う。Mr.Childrenの桜井和寿の作。桜井が「スガシカオっぽい曲」を作ろうと思ってできた曲とか。もともとMr.Children独自の曲として彼らのアルバムに納められていたが、後に実際にスガと共演した音源もあった(映画DVD)。このアルバムでのバージョンは二人の弾き語り。大きめのボディと解るアコギを抱え、二人が交互に主旋律を執りながら、またハモりながら歌う。スガのイメージって、やっぱり本能的で人の欲望や葛藤を歌わせたらうまい、ということなのかしらん。桜井の歌詞もかなりエロw。♪昨日/君が自分から下ろしたスカートのファスナー/およそ期待した通りのあれが僕を締めつけた♪とかなりきわどいww。でも♪きっと/ウルトラマンのそれのように/君の背中にもファスナーが付いていて/僕の手の届かない闇の中で/違う顔を誰かに見せているんだろう/そんなの知っている♪ そういう闇い部分にまで降りてえぐるのもスガらしいといえる。演奏は本当に生っぽく、椅子の軋みも聞こえる。実在感大。
「Progress (piano ver.)」はkokuaでの盟友、武部聡志が左手のタッチが強いピアノで存在感を示す中、スガが歌のみで対抗する曲。これは...詩がいいね。♪ずっと探していた/理想の自分って/もうちょっとカッコよかったけれど/僕が歩いてきた/日々と道のりを/ほんとは“ジブン”っていうらしい♪ スガの歌は人生にどこか肯定的だ。
つづく「アオゾラペダル」が一般的には一番“通り”がよい曲なのだろうか。それともラストの「Real Face」なんだろうか。もともとスガが一般大衆(変な言い方w)に識られるようになったのはおそらくSMAPのヒット曲「夜空ノムコウ」の作詞者としてだろうが、今回もジャニーズ系に楽曲を提供している。前者が嵐で曲も手がけ、後者はKAT-TUNのために詩を書いている。どちらもちょっと“いつもの”曲調とは違うけど“とっつき”にはいいかな。
このアルバムで“入って”、奥に逝くのも良し、逆にアルバムアーティストであるスガからこぼれた花を拾いに行くも良し。スガ入門、もしくはディープなファンにオススメで!
【収録曲】
1. コーヒー
2. 月とナイフ (piano ver.)
3. ホームにて
4. 夏陰~なつかげ~ (Original ver.)
5. ファスナー
6. TOKYO LIFE
7. コンビニ
8. 真夜中の貨物列車
9. ネコさん
10. ガリレオの数式
11. 黒いシミ
12. Progress (piano ver.)
13. アオゾラペダル
14. 世界が終わる5秒前
15. ぬるいビール
16. Loveless
17. 1/3000ピース
18. Real Face
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購入金額
2,799円
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購入日
2011年12月25日
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購入場所
Joshin
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