レビューメディア「ジグソー」

思ってたより色々いじれます

【 購入経緯 】

リビングにパソコンを置くという選択肢から、巨大なケースを置く事ができないという点で、
M-ATX規格の本商品を選びました。
当初はダイニングテーブルの脇に置こうと思いM-ATXにしたのに、いざ置いてみると奥さんの『邪魔』の一言から、
結局PCデスクを買って、設置するハメになり、この段階でM-ATXじゃなくても良かったのでは?
という点については精神衛生上の為に触れないでおこう、そうしよう。

購入当初(今でも)X79のシステムで、M-ATXの規格は本商品とASUSのRAMPAGE IV GENしか選択枝がなく、
オーバークロックとかそんなに興味がなかったことから、多少価格の安い本商品にした経緯がありましたが、
意外に本商品は機能盛り沢山で、ゲーマーやなんちゃってオーバークロッカーにも満足の行く商品だとわかり、
良い意味で期待を裏切られました。

 

 

特 徴

  • デラックスなゴールドコンデンサ (使用時間2.5倍), 100% 日本製高品質の高導電性固体コンデンサ
  • クアッドチャネル DDR3 2400+(OC) をサポート
  • デジタル電源, 先進の 6+2 電源フェーズ設計
  • 3 x PCIe 3.0 x16 スロット, AMD Quad CrossFireX™およびNVIDIA® Quad SLI™
  • Dr. Debug, スマートスイッチ設計: 電源スイッチ、リセットスイッチ、CMOSクリアスイッチ (LED付)
  • Intel® スマート・レスポンス・テクノロジー
  • ASRock X-FAN, XFast RAM, XFast LAN, XFast USB, XFast Charger, グラフィカル UEFI, UEFI システムブラウザ, AXTU
  • 7.1 チャネル HD Audio およびコンテンツ保護機能 (Realtek ALC898 オーディオコーデック)

 

M-ATXという規格の中では、日本製固体コンデンサを使用していたり、CMOSクリアースイッチが背面についていたり
7.1チャンネルHDオーディオに対応しているなど盛りだくさんです。

 

グラフィカルUEFIは直感的に操作が出来るので、デスクトップ初心者の私にも使いやすかったです。

特に、Dr. DebugとCMOSクリアースイッチは、初心者オーバークロッカーにはかなり便利で、
ブルースクリーンや、起動しない、といった時にケースを開けなくてもリセットできたり、
起動シークエンスの何処で引っ掛かっているかがわかるので購入当時は助かりました。

マザーボードのレビューを書くに当たって、専門的な事は良く分からない物ですから、
自分目線でのレビューを挙げさせて頂きます。

 

【SATA接続】

SATA3(6.0Gb/s)接続はIntelネイティブコントローラーが2個、ASMedia コントローラー接続が1個の計3個と少し少ないのが難点です。

SSDにOSをインストールした場合の速度ですが、
G.SKILL Phoenix III 120GBを単品で使用した場合、

 

CrystalDiskMark 3.01
Intel controller SATA3(6.0Gb/s)

Read  0 Fill   1 Fill  ランダム

  • seq   475.0  472.5  199.9
  • 512K  410.3  414.8  187.9
  • 4K    23.42  23.65  20.68
  • 4KQD32 195.6  197.0  138.9

Write  0 Fill   1 Fill  ランダム

  • seq   499.2  500.8  184.6
  • 512K   497.7  501.0  184.1
  • 4K     77.45  78.65  76.68
  • 4KQD32 337.3  338.9  180.1

ASMedia controller SATA3(6.0Gb/s)
Read  0 Fill   1 Fill  ランダム

  • seq   383.4  381.0  201.3

  • 512K    344.5  343.6  183.1

  • 4K       22.18  22.32  19.54

  • 4KQD32 173.7  175.3  134.5

Write 0 Fill   1 Fill  ランダム
  • seq   348.4  348.0  185.1
  • 512K    344.8  344.1  183.7
  • 4K        60.94  60.34  66.93
  • 4KQD32 200.3  200.6  176.4

と上記のような内容になり、Intel接続と比べるとASMedia接続などのサードパーティー製コントローラーでは、
370MB/s程度で速度の頭打ちになるため、使用するSSDの速度によってはボトルネックにより若干遅くなります。

 

OSや、ゲームなどのプログラムファイル、SSDでRAID0を組む場合は、Intel接続の方が良いので、
OS用、ゲーム用とそれぞれ別口でRAID0を組む場合にはSATA3接続を高速でできる端子が少ないのが不満点です。
そこに、不満を言えば素直にATXにしろよ!
ってなってしまうので、それで価格が上昇するよりは、必要最低限と割り切るしかないのかもしれません。

SATA2(3.0Gb/s)接続端子は4個ありますので、M-ATXケースで考えれば十分です。
こちらの速度は280MB/s程度で頭打ちになってくるので、SSDとの接続では役者不足になってしまいますので、
HDD用と割り切るしかありません。

 

【メモリ】

4スロットで、最大32GBまで認識し、DDR3-2400まで対応します。

X79マシーン以外と比較するとクアッドチャンネル対応となっているだけあって、速度は概ね速くなります。
メモリーコントローラーも優秀で、ゆるゆるの設定にすれば、1833のメモリでも2400で普通に動きます。
しかし動作するだけで、速度は標準で2400対応のものと比べれば遅いのですが、私のようなベンチマークスコアーだしてニヤニヤする方には
安いDDR3-1833のメモリでもDDR3-2400で動くぜ~と自己満足できる良いコントローラーだと思います。

【検証メモリ】
G.Skill RipjawsZ  F3-14900CL9Q-16GBZL

DDR3-1883 CL 9-10-9-28-2N 1.5V(XMP)
CrystalMark2004
スコア・・・・99437
Read・・・41509 MB/s
Write・・22784 MB/s
Read/Write 21272 MB/s
Catch    13850 MB/s

MAXXMEM2
Memory-Copy・・・・・・17405 MB/s
Memory-Read・・・・・・21523 MB/s
Memory-Write・・・・・ 17610 MB/s
Reached memory score・ 19.57 GB/s
Memory-Latency・・ 54.5 ns
Reached latency score ・54.5 ns

DDR3-2400 CL 11-12-11-34-1N 1.65V
CrystalMark2004
スコア・・・・107637
Read・・・41842 MB/s
Write・・27166 MB/s
Read/Write 24329 MB/s
Catch    142784 MB/s

MAXXMEM2
Memory-Copy・・・・・・17667 MB/s
Memory-Read・・・・・・21577 MB/s
Memory-Write・・・・・ 17591 MB/s
Reached memory score 19.58 GB/s
Memory-Latency・・ 55.2 ns
Reached latency score・ 55.2 ns

 

という結果になりました。

レイテンシを緩めて無理やりオーバークロックしているので、DDR3-1833よりは若干スコアーは上がりますが、
思ったほどスコアーは伸びません。

こんな無理矢理なオーバークロックに耐えるG.Skillのメモリが優秀なのか、
ASRockのメモリコントローラが優秀なのかわかりませんが、安い投資で色々と遊べると言う事は間違いありません。

SANDY-EからIVY-Eに変えたことにより、メモリ周りがさらに強化され、

i7-3820の時で、DDR3-2400 CL 12-13-12-37-2N 1.65V
CrystalMark2004R3のスコア・101776 で動作出来ましたが、

i7-4820の場合 DDR3-2400 CL 11-12-11-34-1N 1.65V
CrystalMark2004R3のスコア・107637 で動作させることが出来、スコアも若干伸ばす事が出来ました。

 

SANDY-EからIVY-Eになり、今はASUSのRAMPAGE IV BLACK EDITIONがDDR3-2800まで対応していますが、
DDR3-2400までしか対応していないのは何とかならないものかなと思います。
そろそろASRockさんもX79の新製品を出してもらいたいです。

※RAMPAGE IV EXTREMEの設定でも新BIOSで2800まで表記してありましたが、2400以上はこのメモリでは立ち上がりませんでした。

 

【 PCIeスロット】

PCIe 3.0 x16 スロットは3ヶ所あります。
X79チップセットを使用する最大の醍醐味であるSLIやCrossFireXに対応していますが、
PCIE1 と PCIE3 がGEN3 x16対応で、
PCIE2 はGEN3 x8の対応になっています。

GEN3対応のグラボで、SLIをするためには、 PCIE1 と PCIE3に挿すことによって
パフォーマンスを上げることが出来ますが、M-ATXというサイズが災いして、
PCIE1にグロボを挿すと大型のCPUクーラーが干渉します。

小型のCPUクーラーを使用するか、簡易水冷で、天板やフロントにラジエーターを
設置出来るケースであれば、CPUのオーバークロックと両立させることが出来ますが、
あと2.3mmPCIEスロットが離れていれば干渉しないのに!
という点は残念です。

 

【 UEFI 】
動画に上げましたが、UEFI システムブラウザはマザーボードに物理的に何が接続されているか、
転送速度は何なのか(USB3.0、USB2.0、SATA3、SATA2、GEN3,GEN2)を調べる事も出来るので、
接続し直したり、新しく接続した時にどのように認識されているのかをチェックできるので便利です。

オーバークロックの設定は上位機種のFatal1tyに比べると設定項目は減りますが、
CPUVcore, VCCSA, DRAM, VTT, CPU PLL, PCH1.1V, PCH1.5V,LLC と変更できるので、
それなりに楽しむことができます。

メモリタイミングなどもそこそこ細かく設定できますが、ASUSのように、WINDOWS上でも変更できるソフトが
あれば、もっと良かったのになとは思います。

オーバークロックの設定は3件記録する事ができますので、季節に応じてクロックを上げたり下げたり
するのに、自由に変更出来ます。

BIOSを更新すると、記録も消えてしまいますので注意して下さい。

BIOSの更新はUSBに更新データーを入れておけばUEFI上で簡単に更新できます。
クラッシュレスBIOSを謳っているので万が一の時も安心ですが、試したことがないので良くわかりません。

 

【 AXTU 】

ウインドウズ上で、温度・FAN回転数・電圧の監視が出来ます。
また、CPUのオーバークロック調整が出来ますので、負荷テストをしながら少しづつ電圧を下げたりするのに
便利です。

AXTU上でもオーバークロックの設定が3点保存出来る他、OCDNAという項目で、
自分のオーバークロック設定を保存しておいたり、友人の設定をそのままパクって実行することも出来ます。

IESで省電力設定などもできますが、オーバークロックで全コアのオーバークロック設定などをするとこちらは設定できません。

XFast RAM はRAMメモリを作ることが出来、リセットしてもデーターを保存する設定なども出来ます。
SSDのキャッシュ用に利用していますが、利用以前と比べるとプチフリーズが出なくなりましたので、
SSDにOSをインストールしている方で、プチフリーズに悩まされている人は利用をオススメします。

 

【7.1 チャネル HD Audio (Realtek ALC898)】

思ったよりも良い音は鳴りますが、全体的に音質が軽く本格的に音楽を聞くのには少し寂しいです。
チップの能率は110dbあるそうですので、スピーカーを変えることによって音質の改善は取れるのではないかと思います。

そもそもの再現力はサウンドボードを入れるなりしないと良い音はしないのかもしれませんが、
サウンドボードを入れた音を聞いた事がない私にとってはスピーカーの改善だけでも十分満足できる
音が鳴る用になりました。

 

総 評

X79マザーの中でも低価格で、コンパクトなこちらの商品はニーズが合えばドンピシャな製品だと思います。

良い点として、
・M-ATX
・見た目も黒とメタリックシルバーでかっこいい
・背面にもCMOSクリアスイッチが付いている
・オーバークロックもある程度細かく設定できる
・BIOSがUEFIで操作しやすい
・UEFIシステムブラウザで接続機器の確認がBIOS上でも出来る
・日本製のゴールド固体コンデンサ使用!という安心感という名のプラシーボ効果

イマイチな点
・CPUとPCIeスロットが近すぎる為、SLIしようとするとCPUクーラーを小さめな物にしないと干渉する
・DDR3-2400対応なので、IVY-E世代には少し不満
・6+2電源フェースは空冷のCPUクーラーを使う分にはツインタワーの3枚FANでも問題ないですが、
簡易水冷のポンプ電源もマザーボードから取ると電圧が足りずブルースクリーンになりやすい。
回避するためにはCPUの電圧を空冷時よりも上げるか、ポンプ電源をマザーボードから取らずに、
電源ユニットから直接取るようにしないとうまくいかない

 

と上記のような使用感になります。
X79を使うのに、コンパクトなM-ATXが良いという人には非常にオススメできますが、
コストパフォーマンスや、消費電力を気にする方や、ただゲームがしたいだけという方には
そもそもX79はオススメ出来ません。
普通に87や、77チップセットのマザーボードを使用することをオススメします。

※オーバークロックは自己責任でお願いします。

レビュー構成

  • 購入金額

    22,980円

  • 購入日

    2012年05月頃

  • 購入場所

    ドスパラ

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