人柱感のあるジャンルである「ATX規格向けACアダプター」に、判りやすいパッケージと比較的手ごろな価格を実現したACアダプタキット。
特徴はなんといっても手軽さ。変換基盤・ACアダプタに加えて、ATX電源マウント部用のブラケットが付属している。変換基盤設置位置や配線の出し方を考える必要あるモデルが多いATX向けACアダプタとしてはユーザーフレンドリーな仕様。
SFX用ブラケットもオプションで別売りされているので、古い小型ケース等にも流用できる。
このシリーズ、84W/130W/150Wの三種類がラインナップされているのだが、容量だけでなくコネクタ仕様も異なっている。
この130W版は20+4pinメインコネクタケーブルに、4pin補助コネクタケーブル。そしてSATA/ペリフェラル4pin/FDD4pinを1つづつ備えた計3本(付属品としてペリフェラル→SATA*2ケーブル)。
一方84W版は20+4pinメインコネクタケーブルから4pin補助を分岐させたケーブルと、SATAコネクタ2個を持ったケーブル2本。
何故か150W版は(公式サイトによれば)84W版に準じたケーブルとなっていて、その代わりSFXブラケットも付属しているようだ。不思議な差別化である。
【追記】現在販売されているモデルではまたコネクタ数が変化しているらしいので要確認。
今回私の用途では84W版でも容量的に間に合いそうなのだが、ペリフェラル4pinが必要なので変換ケーブルを別途購入すると価格差が少なくなってしまう。なので130W版を選択してみた。いずれ他構成で使う場合も130Wなら選択肢も多いだろうと踏んだ。
しかしこのケーブル、実際触ってみると思った以上に短い上に、特に24pinが固め。しかも基盤から剥き出しで出ているのであまり力をかけると痛めてしまいそうで怖いのだ。
恐らく省スペースケースなら問題はおきないのだろうが、カタログスペックはあくまで基盤自体からの長さになるので、購入の際は長さに余裕をもって見ておこう。
結局補助4pinコネクタはAinex製の延長ケーブルを使用するはめになった。
ATX変換ブラケットは上下共通のネジ穴になっており、一般的なケースの場合下側2つのネジしか使えない。電源ユニットに比べて格段に軽いので大した問題ではないのだが。
またネジもミリネジなので必ず付属品を使用すること。いつもの調子でインチネジを使うと固定できない。
基盤自体も同じミリネジで固定されており、上下左右共通なので場合によっては本来とは逆向きorブラケット裏側に基盤を配置したり、ブラケット自体を上下逆さまにしたりして基盤位置とケーブル向きを大幅に変えることができる。
微妙にケーブル長が足りないor微妙に干渉してしまった場合、基盤位置調整を行えば改善できることもある(今回も延長ケーブル購入までは逆搭載していた)。
やはりこのACアダプタで気になるのは消費電力効率だろう。何かと電源レビューの際に使用しているベンチマーク的な電源「Antec EA-380」との消費電力を比較してみた。
ちなみにその他構成は
Core i5 2500T
Foxconn H67S-B3
DDR3 1333 4GB*2
IntelSSD 320 120GB
USB機器…キーボード/光学マウス/スピーカー/無線LANアンテナ
10cmファン*4 低回転動作
というもの。とっとと結果ドン
電源 アイドル Prime95 待機
EA-380 26W 71W 1.0W
AC130 20W 64W 3.5W
やはり84W版でもよかったか?ってくらい低い構成だが、80PLUSスタンダート相手に6W以上の差をつけている。これはすごい。
対抗馬たる低容量GOLD電源「AYAKAZE300」「SF-350P14XE」を常用PCに組み込んでしまっているので直接の比較はできないが、EA-380で88Wの環境でSF-350P14XEは81Wという数値を出している(AYAKAZEとSF-350の効率は大差無し)。
高効率帯から外れてしまうので推測の域を出ないが、大雑把に計算すれば「GOLD認証クラスの高効率」というウリ文句は間違い無さそう…というかこのような超低消費帯のPCならAYAKAZE300やSF-350P14XEを越える効率をたたき出す「可能性」はある。実測したわけではないので責任は持てないが。
但しACアダプタの傾向なのか待機電力が高め。当初組み合わせたFoxconn H67Sでは3W程度、後に換装したIntel DH77DFでも1.4W程度と一般的な電源より高めな実測値だ。
余談だが構成にわざわざファンまで書いている理由を書いておくと、ファンの有無で3Wも変化するのだ。つまりそのファンを停止させればアイドルは17W、USB給電の機器を外せば更に低消費特化にできる。
超低消費環境であればGOLD電源に勝るとも劣らない効率に加え、ファンレスというメリットが追加されたこのACアダプタキット。静音化や高効率化に、一通り必要なものを備えた「セット」が手に入りやすい価格で入手できるようになったという存在意義は決して無視できない。
さて、購入目的は静音化?省エネ化?いいえ、軽量化です。
脚部破損・重量過多・装備不完全の3重苦を背負った蜘蛛PCの復活のため。
通常のATX電源ユニットに加え、クーラーとしては破格の重量を持つスサノヲ、そして樹脂のカタマリたるクリスタルスピーカーに金具一式、更に自爆ボタンとどう考えても許容量を越えた装備を搭載してしまっていたのだ。
しかも11月頃に脚をぶつけてしまい、そのまま崩れ落ちるようにして転倒。残った3本…特に左後部の脚に過剰な力がかかってしまい、一部部品を破損してしまったのだ。
なんとか補修を行ったものの、ただでさえスサノヲと電源位置的にもっとも重さがかかるのが左後部。
以前の重量を持った構成にすれば同じ事を繰り返す可能性は大きく、ちょうど2700Kレビューで2500Tを使用する事になり、分解&稼動停止状態に。
2700Kレビューもひと段落し「見た目のインパクトを維持しつつ脚の負荷を軽減させる」選択肢といったら最早電源のACアダプタ化しか残っていなかった。先述の4pin延長ケーブル追加購入とあわせればこれだけで1万円オーバーだ。
更にもう一つの重量物だったHDDを軽量なインテルSSD 320に変更、重たいスチール製のインテルSSD付属マウンタは使わず、軽量なSF-1200系SSD付属マウンタを使用。重量バランスを取る為とケーブル長の関係で本来とは前後逆にSSDを装着。そしたら今まで使用していたL字コネクタSATAケーブルが使用不可になりSSD510付属品に交換。
また、使用していない光学ドライブマウンタの撤去、自爆ボタンUSBハブも設置場所が無くなったのもあり廃止。今までUSBハブに繋いでいた無線LANアンテナをピンヘッダ直出しUSBコネクタ基盤に装着することになったのだが、今までのT字基盤だとアンテナとスサノヲがギリギリになってしまうので横方向のものに買いなおし。
予想以上の追加投資と手間の結果、ちょっとスッキリした蜘蛛PCが復活!
いっそのことスサノヲの4連ファンを外せば更に軽量化のだが、外したらなんか見た目が寂しかったので維持。というかこの4連ファンさえなければファンレス&無音PCなんですけどね!
それを目指した訳ではないのに軽量化の末超低消費&静音PCになったという、順番が逆。
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購入金額
9,889円
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購入日
2011年12月27日
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購入場所
Sofmap(通販)
とっぷりんさん
2012/01/07
下小川さん
2012/01/07
わんこさん
2012/01/07
性質は物欲
ありとあらゆるパーツを取り込み肥大化してゆく
使い魔:下小川
パーツの調達を担当
下小川さん
2012/01/07