レビューメディア「ジグソー」

名曲のリバイバル

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。デビュー曲というモノはそのアーティストを縛ります。その曲が名曲であるためにこの世界に残れた、でもその曲以外にも表現したい、でも結局その曲に戻ってきてしまう。最も魂の叫びが込められたデビュー曲を繰り返し歌うアーティストをご紹介します。

浜崎貴司。個性派バンド

FLYING KIDSを個性派たらしめている個性派ボーカリスト。若干ダミ声だが声に存在感がある。跳ねるファンキーさよりも魂のソウル。高音が伸びるとか、肺活量が大きいとかそういうスタイルではない。彼の唄は魂の叫び。

そんな彼の2002年のアルバム。
7曲中4曲がライブ音源だが、その熱さがイイ。「SONIC CITY SURVIVER~瞬間接着愛」。魂入った堺敦生のピアノの速弾き。怒濤のように押し寄せてくるエネルギーに浜崎の魂叫びも負けていない。
風貌は変わらないw
風貌は変わらないw

スタジオ録音はより楽器が増えて切り口がいろいろな色を放つ。「Touch!Scratch!It’s smokin’in here~あたしはあたしでいられなくなる」はちょっとけだるげなジャジィなトーンとエロい女声コーラス(ボイス?)が場末っぽい雰囲気だ。Rock-Teeのスクラッチがいい感じだ。

そして「幸せであるように」。言うまでもなくFLYING KIDSのデビュー曲。本人達によっても何度も録音されているが今回のバージョンは少しゆるめのテンポに、境のオルガンと高野寛のガットギター、武田和大のサックスが情緒豊かに絡み、森真美のコーラスが浜崎よりさらにクロっぽく絡む。最大限に盛り上がってこのままエレキやシンセに行くのかと思ったら、でもガットにスコンと落とされ、それが切ない詞の内容とともにストンと胸の中に落ちてくる。

♪君の涙を/涙を/お皿に集めて/全部飲みほしたら/すべて許されるかも/幸せであるように心で祈ってる/幸せであるように心で祈ってる♪
FLYING KIDSはその後再結成され現在に至るが、このときのソロが必要だったことが判るアルバム、彼の成熟が聴けるアルバムです。

【収録曲】
1. 幸せであるように
2. Touch!Scratch!It’s smokin’in here~あたしはあたしでいられなくなる
3. 海岸線
4. 俺はまたいつかいなくなるから(ライブ音源)
5. SONIC CITY SURVIVER~瞬間接着愛(ライブ音源)
6. MUSASINO(ライブ音源)
7. 時はただ今だけを乗せて(ライブ音源)

浜崎貴司 OFFICIAL SITE
  • 購入金額

    2,100円

  • 購入日

    2004年頃

  • 購入場所

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