私が初めてパソコンを手に入れたのは1995年の1月で、当時はMS-DOS+Windows 3.1という環境でした。その時点で型落ちだったEPSON製のNEC PC-9800互換機だったことから、Windows 3.1もある程度は動くものの、MS-DOSメインという使い方です。
PC入手直後は、ワープロ以外のソフトはゲームが少しあるだけで、2本のゲームを並行で遊んでいたという感じです。ちなみにその時期は大学入試の真っ只中だったということは気にしてはいけません。
その2本のゲームは、まず1本目が「ロードモナーク」(日本ファルコム)で、これは後にリリースされたWindows版も買って長く遊びました。今でもたまに動かしているほどです。
そしてもう1本は鉄道経営・都市開発シミュレーションの「A列車で行こう4」(ARTDINK)でした。これはMS-DOS時代にはかなりやり込んだタイトルでしたが、Windowsに移行した後の新バージョン「A列車で行こう5」が、3D対応化に注力するあまりNEC製3Dアクセラレーター「PowerVR」専用タイトルとなってしまった上に、経営要素が大幅に後退してゲームとしての魅力が乏しくなり、それっきりすっかり遠ざかることになってしまいます。
その後「A列車で行こう5」もPowerVR不要版がリリースされたりもしたのですが、コンシューマーゲーム機向け、PC版を含め対応プラットフォームやバージョンが入り乱れた状態となってしまい、よくわからない状況となってすっかり存在を忘れかけていました。
その「A列車で行こう」シリーズを久しぶりに見たのは、Steamの特価セールで対象タイトルを探しているときでした。現時点でSteamにおける最新版である「A列車で行こう9 V4.0」(ARTDINK自身の販売分ではV5.0もリリースされています)も対象ではあったのですが、これは英語版のみの提供であり、日本語版は「A列車で行こう8」までしか用意されていません。「A列車で行こう」シリーズを久々にプレイしてみようと思っていたので、妥協の産物ではあるのですが「A列車で行こう8」の日本語版を購入しました。
タイトル画面に「Fullspec Hi-Vision & WUXGA」と書かれている通り、この解像度決め打ち的な設計となっていて、より高解像度の環境では文字が小さすぎるのでは無いかと感じられます。
さらに、上のスクリーンショットはウインドウモードで起動していますが、表示エリアの広さなどの問題でフルHD(1,920×1,080)またはWUXGA(1,920×1,200)のフルスクリーン以外で快適にプレイするのは難しそうです。
MS-DOSのシンプルな操作性が懐かしい
この「A列車で行こう8」は、ゲームとしてはXbox 360向けの「A列車で行こうHX」のWindows移植版であり、その「A列車で行こうHX」はWindows向けだった「A列車で行こう7」の3D版という位置づけだそうです。つまり、ゲームそのものの内容は「A列車で行こう7」からほぼ変わっていないことになります。
基本的には「鉄道を設置」→「資材を供給」→「住宅や各種施設を建設」→「都市を育てる」という流れで進むゲームです。もっとも、初期の資金で出来る内容はかなり限られますので、株式売買や物件売買などでその資金を稼ぎ出す必要があります。もちろん銀行から借りることも出来ますが、借りられる金額の枠はありますので無尽蔵というわけにはいきません。しかも、毎年税金は資産税・所得税・消費税とえげつなく徴収されます。
操作は画面上部のメニューアイコンやミニマップ等を活用しつつ行います。ただ、ミニマップの出来については不満が残ります。ミニマップエリアの端にあるグリッドを動かしてカメラアングルを切り替えるのですが、これが僅かでもずれた場所をクリックすると、その後ろの土地をクリックした動きとなってしまいますし、逆にマップ上をクリックしたつもりでミニマップの端をクリックしていてマップ位置が一気に変わってしまうなど、思い通りの操作ができないことが結構あります。
カメラアングルは360度選ぶことが出来ますし、仰角も自由に選択できますので、自分が作った都市を眺めるには適しています。以下の3つの画像は同じ位置からアングルを変えたものです。
ゲームの進捗状況は、都市としての成長度や経営情報、バランスシート等で確認することが出来ます。
株の売買は「A列車で行こう4」の時代からそれほど大きく変わっていませんでした。ある程度の値動きは読めるので、株式市場を開いて安値の銘柄があったら買っておき、一定額以上に上がった時点で手放すというやり方を繰り返していれば、そこそこ増やすことが出来ます。
自社で所有する不動産物件はこのようにリスト化されています。それぞれの物件をクリックすると売り上げや利幅、売却額などが表示されます。これらの不動産は子会社の業績として集計されますので、結構この子会社の売り上げで現金を稼ぐことが出来ます。成績の良い物件は取得時の数倍の価格で売却できたりもしますが、その分子会社売り上げが下がるので判断は難しいところです。
その物件は特定の用途で使われている土地以外であれば、必要な資材が一定距離以内に用意されているという条件で設置することが出来ます。既に建物がある場所でも、買収費用を上乗せすることで建てられる場合が多いのです。公共用地や自社の鉄道設備は買収することが出来ません。別途撤去を行った上で土地を入手する必要があります。
一応鉄道経営が主眼ですので、車両の購入も当然出来るのですが、実在の車両を中心に一部ゲームオリジナルが混ざるという感じです。ただ、普段15両編成の実物を見慣れているJR東日本E217系が最大7両でしか運用できなかったりと、ゲームシステム優先でリアルさが失われてしまっている部分もあります。ちなみにE217は5両以上で編成を作ると表示にグリーン車が現れます。
ゲームそのものは結構面白いと思うのですが、システムの制約に縛られている感が強いことと、3Dマップにしたことによる操作性の悪さ(レールの敷設でも思い通りになかなか出来ない)辺りはマイナスです。Windowsゲームの黎明期に大ヒットを飛ばしたARTDINK(「ルナティック・ドーン」が異様に売れた時期があります)ですが、どうもゲームシステムの完成度には難を感じざるを得ません。
今回はSteamのセールで手頃な価格で購入できましたので、いろいろと不満はあっても納得は出来る水準だと思います。
取り敢えず資金1兆円が一区切りか
このゲームは明確な終わりは無く、強いていえば資金が底をついた時点でゲームオーバーとなる(この要素は「A列車で行こう8」で久々に復活したそうです)だけです。
そこで一つの区切りの目安となるといわれているのが、表示されている資金額(あくまで現金)が1兆円に到達したタイミングといわれています。
後のことを考えなければ、作った子会社を片っ端から売り払えば割合短期間で達成できる数字ですが、1兆円到達後もゲームを継続するのであれば無理なく稼ぎ出す必要があります。
久しぶりだったので感覚をつかむのに手間取りましたが、入門レベルのマップで1兆円を達成しました。
最初の4~5年分辺りでうまく軌道に乗せてしまえば、後はごく普通に開発を進めていくだけで容易に達成可能でした。1年分もプレイすれば、そのやり方で継続していけるかは大体判るのでは無いかと思います。このマップでは5年目辺りから借金なしでの経営が成立するようになりました。
このマップも開発の余地があまり残っていませんので、そろそろもう少し難易度を上げたマップに挑戦してみようと思います。
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購入金額
2,028円
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購入日
2021年01月05日
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購入場所
Steam
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