ZARD。グループ名のようだが(そしてかつてそうだった時期もあったようだが)事実上はボーカリストであり作詞担当の坂井泉水ひとりのユニットで、他メンバーは流動的だった。1990年代半ばに「負けないで」や「揺れる想い」というビッグヒットで一躍第一線に躍り出る。その素直な声、共感を呼ぶ身近な世界の歌詞、そしてモデルやレースクイーンも経験した美しい姿で万人を魅了した。
その彼女が病魔に冒され、療養先の病院で事故死してから既に4年以上が経つ。実はcybercatは生前はZARDにそんなに注目していたわけではなかった。ま、悪くはないけど良くあるポップスの一つのグループ(ユニット)としての認識しかなく、当然ヒット曲は口ずさめはしたものの、聞き込むほどではなかった。
そして彼女が亡くなってから、数多くの企画盤/ベスト/追悼盤がCDショップに並んだ。その死をも商売にするのか、と軽い憤りも含んだ気持ちでそれを見ていたのだが、ある機会でこのアルバムの中の曲を聴いた。その曲は既に彼女が病魔に冒されていた時期に成された曲だが、そんなことを感じさせない前向きな曲。ズキュンと来て、ちょうど在庫セールだったのか安くなっていた本盤を連れて帰った。その「瞳閉じて」。♪瞳閉じて/君の感じているものを/私に/伝えてほしい/不思議な力が/この世にあって/君が笑うと嬉しい/君が笑うと/とても眩しい♪サビの後ろで鳴るストリングスが切ないワンコーラス目、サビラストで突然倍速リズムイン、長短調相半ばする難しい曲だけど、彼女の声はここ(胸)まで届いたよ。
「もう探さない」。泣きのサックスのイントロ、左右chの端から聞こえる硬いリズムギターが「ZARD」。サビは王道展開で悪く言えばありきたりだが、「聴かせる」曲になっているのは彼女の声の力だろう。
「世界はきっと未来の中」は元曲よりハード。でも調がコロコロ変わる不安定な構成はそのままで、でもそれがまとまりのある一つの曲になっているのはさすがの歌唱力。
改めて聴いてみると、彼女の声の良さが判る。それは高域がどうの、ロングトーンがどうのと言うようなテクニック的なものでなく、自分の歌詞を自分の声で歌っている強み。彼女の肯定的な世界観に勇気づけられる。
もすこしあなたの声を聴いていたかったよ、坂井サン...オヤスミナサイ..
【収録曲】
CD
1. 瞳閉じて
2. 明日を夢見て
3. 風が通り抜ける街へ
4. I'm in love
5. 君がいない(B-version)
6. もう探さない
7. promised you
8. 悲しいほど貴方が好き
9. 君がいたから(di mare version)
10. 止まっていた時計が今動き出した
11. さわやかな君の気持ち
12. 少女の頃に戻ったみたいに
13. 世界はきっと未来の中(di mare version)
14. いつかは・・・
特典DVD
1. もう少し あと少し…
2. 眠り
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購入金額
1,500円
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購入日
2008年頃
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購入場所
退会したユーザーさん
2011/12/26
亡くなっていた事なんて全然知りませんでした。
cybercatさん
2011/12/26
>亡くなっていた事なんて全然知りませんでした。
彼女の場合、病気(癌)そのものが原因ではなくその療養中の事故死というのがさらに悲劇的。
もっと歌ってほしかった、ひとです。