彼らは、惑星連邦によるガンマ宇宙域への進出を「脅威」と捉えた。
そこまでは、普通の反応と言って良い。
だが、ドミニオンが普通でないところは、相手の良心を一切信じようとしない事にあった。
「自分たちへの脅威を取り除くには、その脅威自体を征服してしまえばいい」
恐ろしく独善的な考え方ではあるが、ドミニオンにはそれを現実とするだけの力があった。
クローン培養でいくらでも『生産出来る』上、力は人間の数倍、銃の直撃にも耐える異常な生命力を持ち、姿を自由に消す事が出来る遮蔽装置を個人携帯、命令には絶対服従の兵士・ジェムハダー。
また、ドミニオンの装備する戦闘艦は非常に優秀な性能を誇り、高い機動性、強力なシールド、そして連邦艦隊の「シールドを無視して攻撃出来る兵器」を持つ。
真正面から戦ったとしても、勝てる要素が全くないのだ。
その最悪の敵・ドミニオンの「創設者」たちの意向は、ガンマ宇宙域への最前線基地であるDS9の安全を直接脅かす事になった。
対ドミニオン戦での防衛手段を構築すべく、作戦会議とシミュレーションを繰り返すDS9司令部員たち。
しかし、何度も手を変え品を変えシミュレーションしても、ステーションは二時間以内に占領されるという結果しか出てこない。
そもそも、DS9は戦闘基地ではない。
一般市民も暮らす中継ステーションであり、その防衛能力は最初から限定的であったし、元々カーデシアが数十年前に作った鉱物採掘工場で、あちこちガタが来ている。
為す術無しという結論の前に、正攻法を諦め他の手段を話し合い始めたとき、突如としてステーションのセンサーに亜空間変動が探知された。
しかも、その位置はステーションからたったの300m。
シールドでの防御態勢を敷こうにも、その位置ではシールド圏内。
つまり、完全に懐に飛び込まれた格好だ。
エネルギーパターンも未知のもので、科学士官のダックスですら見当も付かないと言う。
敵の襲撃と判断したキラは、即座に非常警報を指示する。
それと殆ど同時に、ステーションの真下に船が現れた。
遮蔽装置で隠れながら、シールド圏内に飛び込んできたらしい。
そのマーキングは宇宙艦隊のものだった。
船が完全に姿を現すと、ステーションに通信で呼びかけてきた。
通信してきたのは、シスコ司令官。
対ドミニオン戦の切り札を持ってきたという。
この船の名は「ディファイアント」―――
かつて、ボーグへの復讐に燃えるシスコが火星勤務時代に作り上げた、
連邦初の「純粋な戦闘艦」である。
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米国の長編ドラマでは最も「脂がのってくる」シーズンが、第三シーズンだと言われることが多いです
DS9もその例外に漏れず、本シーズンより一気に世界観が拡大し、重大な複線がドカンと登場。
また、宇宙艦隊創設以来・初の「戦闘艦」がDS9に配備されます。
艦名は「ディファイアント」・・・・この名前は「不屈」を意味します(訂正:正しくは「反抗的な挑戦心」だそうです。)が、後々のエピソードを見るにつれ「なるほど」と思わせるネーミングだったなと思います。
また、二話連続長編の大作エピソードが多いのも特徴で、クリフハンガー(前シーズンや次シーズンに跨る連続エピソードのこと。後編放送は一年後とか、ドS過ぎる)を含めると、長編が何と4本。
スケールの大きい話が多く、また映像的にも「おいおい、予算は大丈夫?」と心配になるほど。
本シリーズでの個人的お勧めは第53話と第66&67話。
前者はいわゆるボトルショウ(低予算で制作されたエピソード)ぽい内容で、殆どが基地の中で進行します。
カーデシアという人種の「微笑ましいまでの猜疑心」をネタに、緊張感ある内容なのに「思わず噴く」エピソードとなっているのが特徴。
ラストあたりで、デュカットが全力で「ドツボに填るさま」は必見です。
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購入金額
18,690円
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購入日
不明
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購入場所
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