コブクロ。もはや紹介不要なくらいメジャーな男性デュオ。小渕健太郎と黒田俊介の二人の頭文字?を取って「コブ(チ)クロ(ダ)」でコブクロ、らしい。ただ自分がしっかり聴きこんだののは意外に最近で2008年末。絢香とのコラボ曲で三人の音域の担当を上手く分け合ったアレンジで「いいな」と思い、そこから深掘りしていった。きちんと聴いてみると彼ら、詞が良い。スガシカオのような一本通った「世界観=スガカラー」というのではなく、ある日あるときの情景とそこに関わる人々の感情の動きを上手く切り取っていて、とても上手い写真家の作品を見ているよう。
このアルバムでもそれは遺憾なく発揮される。「CALLING」。彼らの7枚目(メジャーデビュー後)のアルバム。シングルとしては「時の足音」と「虹」、「STAY」を含む。アルバム収録時に亡くなったキヨシローに捧げたという「サヨナラ HERO」から始まり新垣結衣がカバーした「赤い糸」で終わる。一つ一つの歌は中で歌われている情景はかなり違うが、曲のつながりが良く上手く心のスイッチを替えてくれる。
特に後半の「ベテルギウス」から「赤い糸」のアタリは全く違う情景を歌っているにもかかわらず情景が目に浮かぶ。「ベテルギウス」は今は爆発消失しているという説もある遠い星の過去の光が地球に届いているのになぞらえ、離れて暮らす恋人からの想いを捉えられないもどかしさと自分の変わらぬ想いを歌い上げる。ボーカルに積極的にエフェクトをかけて、ちょっとスペイシーな?雰囲気のアップテンポチューン。続く「時の足音」は時計の短針と長針が同じところに軸足がありながらなかなか巡り会わないことを歌う。これは恋歌でありまたコブクロ二人の事でもあるという二重意ソング。
♪短い針が君なら 長い針が僕で 同じ時間を刻みながら 何度もすれ違いまた出会い 歩く歩幅は違っても 描く未来が同じなら 大丈夫また 同じ場所から 始められるから♪
静かに熾火のように始まって徐々に盛り上がり激しい曲調になり、スっと終わる。次の曲、3年つきあった元彼の話に揺さぶられながら、今の愛を育てていこうとする男の想いを切々と歌った「赤い糸」は弾き語りに近いシンプルな曲。全く曲調もアレンジも詞の内容も規模も異なるのだが、上手くその世界に入っていける配置。
特典DVDでこのアルバムの曲順を話し合っている場面があるが、かなり真剣にあ~でもないこ~でもないと侃々諤々。アーティストにとって「作品」の順序、というものは重要なんだな、と再認識させられたり。
今はダウンロード全盛でアルバムの中の気に入った数曲だけの購入、とか、(自分も使ってますが(^^ゞ)iPod shuffleのように曲順に関係ない再生がされることも多いとは思いますが、このアルバムは「通しで」聴き通したいアルバムです。歌詞カードを読みつつ聴きたい、作品です。
【収録曲】
1. サヨナラ HERO
2. 恋心
3. To calling of love
4. 虹
5. STAY
6. 天使達の歌
7. FREEDOM TRAIN
8. Summer rain
9. Sunday kitchen
10. 神風
11. ベテルギウス
12. 時の足音
13. 赤い糸
特典DVD
1. 虹[PV]
2. STAY[PV]
3. ロングインタビュー
コブクロオフィシャルホームページ
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購入金額
3,500円
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購入日
2009年頃
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購入場所
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