“JAZZ FOR JAPAN”。震災復興支援のための企画アルバム。JAZZ、というがFUSION色が強いプレイヤーが集まった。この日本ではFUSIONというジャンルは独特の進化を遂げた。スタンダード中心のモロジャズではなく、オリジナル中心で比較的わかりやすいポップス系の曲の構成。プレイヤーは大概高いテクニックを持っており、そのテクニック故に神格化され支持を得る。本国ではもっと下火になっているこのジャンルが、日本ではまだある程度のマスを持っている。さらにそれらをわかりやすく解釈して日本に根付かせたT-SQUAREも現役バンドだし、その次の世代のDIMENSIONも高い人気を誇る。従って本国以上に日本で人気があるフュージョンプレイヤー、という人たちが存在する。そんなFUSION、というジャンルを下支えした日本の危機に支援に立ち上がったメンツは....
ドラムス:Steve Gadd、Ndugu Chancler、Peter Erskine、Tom Brechtlein、Alex Acuña
ベース:Nathan East、Marcus Miller、Rickey Minor、Alphonso Johnson...
ギター:David T. Walker、Lee Ritenour
ピアノ:Gorge Duke、松居慶子、David Paich....
サックス:Tom Scott、Kenny G....
などなどと言った大変な、メンツ。
彼らがジャズスタンダードを思いっきりやり倒す、というのがこのアルバムの企画。
1曲目の「Maiden Voyage(処女航海)」にはSteve GaddとNathan Eastのリズム隊にTom Scottのサックスがさわやかだ。Herbie Hancockのもうスタンダード、といえるこの曲は中間部のTomのサックスも情感豊か。
2曲目の「Sugar」はDavid T. Walkerにつきる。ピッキングが細かいところまでバリッと判る録音で泣かせる。
つづくMilesの「So What」ではTom Scottが自分のアルバムではここまでやらないようなドジャズの展開で意外。。。
2枚目の「Mr. PC」はPeter Erskineのトップシンバルを聴いているだけでカラダが揺れてくる。
ファンキーな「Watermelon Man」はNdugu Chancler+Marcus MillerのぶりぶりリズムにLee RitenourやKenny Gといった日本でも人気のフロントマンがキレたソロを披露。でも一番キレてるのはMarcus Millerです。ベースソロすごすぎ。
ラス前の「Cantaloupe Island」は前にご紹介したUs3の「Cantaloop (Flip Fantasia)」の元曲だが、ある意味Us3のサウンドコラージュよりスゴイかもしれない。Alex Acuñaが入るとすべてラテン!導入部のコンガとドラムスのコンビネーションは....カラダが動くのを止められません。曲に入って「あの」リフが始まるとちょっと落ち着いてやってるかと思ったら3分超えたあたりのAlphonso Johnsonのソロ付近で壊れ始めラスト1分はほとんどドラムソロ状態。
JAZZって楽しい音楽なんだ!
って主張してる。
“元気だして”って。
がんばっていきまっしょい。
【収録曲】
>DISC 1
1. Maiden Voyage(処女航海)
2. Sugar
3. So What
4. Sophisticated Lady
5. Footprints
6. Work Song
>DISC 2
1. What A Wonderful World(この素晴らしき世界)
2. Mr. PC
3. Body & Soul(身も心も)
4. Cold Duck Time
5. Watermelon Man
6. Invitation
7. Cantaloupe Island
8. I'm Glad There Is You
iTunes "Jazz for Japan"・・・iTunesではCD DISC2 最後の「I'm Glad There Is You」は含まれない
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購入金額
2,500円
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購入日
2011年06月15日
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購入場所
ジョーシン
kazさん
2011/07/01
cybercatさん
2011/07/01
>うわ、これは気になるアルバムですね~。(^^)
「jazzaudiofan」さんのblogに詳しいですが、これはアメリカで企画され、参加ミュージシャンが手弁当で集まり、わずか2日でレコーディングされたもの。
企画したプロデューサーが声かけたメンツのうち、当時LAにいなかった人以外参加を断らなかった、というのがうれしいじゃありませんか。
(これだけのメンツだからできるともいえるのですが)ほとんどの曲がワンテイク一発取りとか。「Cantaloupe Island」のアノ壊れ方が一発だとすると.......すごすぎる。
kazさん
2011/07/01
ちょいと、探してみます。(^^)
cybercatさん
2011/07/01
ぜひ!
kazさん
2011/07/02
いやぁ、このアルバム、すごくイイですよ!
>「Cantaloupe Island」は前にご紹介したUs3の「Cantaloop (Flip Fantasia)」の元曲だが
そうだったんですね、知りませんでした。
U3も好きですが、こちらの方が好みかも。
良いアルバムの紹介、ありがとうございました!
cybercatさん
2011/07/02
逝っちゃいましたか...(^^ゞ
>U3も好きですが、こちらの方が好みかも。
これも元曲からするとかなりブッ壊れてるんですが、これは WEATHER REPORT の"Black Market"時代のリズムセクションAlex AcuñaとAlphonso Johnsonコンビによるところが大きいでしょうね。実はもともとはAlexはパーカッションで参加の予定だったものがドラムス担当のHarvey Masonの到着の遅れで急遽ドラムスもやることになったとか(WEATHER REPORTでもパーカッショニストとして参加のアルバムと、ドラマーとして参加のアルバムがある)。
そのせいでAlexの躍動感あふれるラテンドラムが聴けることになりましたが、この曲をパワーあふれるHarveyのプレイでも聴いてみたかったな...と贅沢な注文w。
>良いアルバムの紹介、ありがとうございました!
これだけの名曲、名手による名演が2枚組14曲も入って2500円はお得ですよね!
気に入っていただけて何よりです!!(^^)v
kazさん
2011/07/02
これからも、濃いレビュー、楽しみにしております!
cybercatさん
2011/07/02
今後もジャンルは節操なくドロドロ?濃く行きますのでwよろしくお願いします!