Robben Ford。この玄人受けするアーティストはそのキャリヤをブルース畑でスタートした。しかし名が売れたのはL.A. Express(Tom Scott)のメンバーとしての活動のあたりなのでフュージョンシーン。その後ソロアルバム"Inside Story(ギターに愛を)"ですこしブルージーなインスト曲をたくさん演り、同じメンバーでフュージョンバンド"The Yellowjackets"の初期に関わったり...とフュージョンとブルースの間をつねに揺れつづけていたが、このアルバムで腰が据わったかブルース側にかなり傾倒していく。
1曲目タイトルチューン、か~な~り~ブルース。でもLarry Carltonがわざわざ名前をあげるRobbenだけあって(そういえばこの二人、後にブルース中心の競演ライブアルバム出してます)、フレーズがすばらしい。歌の間は見事に「ど」ブルースなのだが、ソロの特に終わりかけの展開なんか...。そう来ますかっっ。続く「Wild About You (Can't Hold Out Much Longer)」は“ろっくんろぉぉぉぉる!!”ハッピーな曲調で楽しくなるが、サックスソロに続くギターソロはピッキングが上手い!ピッキングハーモニクス気味の音がスリリングだ。このアルバムでのドライブ感抜群のドラミングは(TOTOのJeff Porcaroの一曲を除き)Gino Vannelliのところでやってた超絶ドラマーVinnie Colaiutaだが、比較的羊の皮を被ったプレイ。でもこの曲ではちょっちキレかかってます(^^)v。
「Ain't Got Nothing But The Blues」なんかではブルースジャズとでも言うような独特の世界。骨はブルースなのだがソフィスティケイトされたアーバンブルース。でもギターは泣き泣き。一転してかつての古巣The Yellowjacketsの盟友キーボードのRussell Ferranteの手になる「Revelation」ではエレピの軽やかなインストでフュージョんんんんんんんんん?ん?んんん??んブルースかっっという泣きっ泣きっの曲(HPの試聴ファイルではこれからRobbenのプレー...というところでブチ切れ、残念!!)。ラストの「Can't Let Her Go」ではちょっとプログレ的展開で押すロックナンバーだが、実弟Mark Fordのディストーションかかったようなハーモニカに比べてRobbenのプレイはこんなハードなチューンでも、「ひょっとしてアンプのオーバードライブのみ?」って思えるほど生っぽい演奏。
彼はこのあとさらにブルース界どっぷりになり、The Yellowjacketsの頃とはまったく違ってしまったのだが、最近少し戻ったと言うよりらせん状に階段を上ったという感じで流麗なスケーリングが戻ってきた!このあとどんな変貌を見せるのか....楽しみでもあり、不安でもあり。
そんな「フレーズとピッキングの神」のジャズとブルースの交差点にある作品です。
【収録曲】
1. Talk To Your Daughter
2. Wild About You (Can't Hold Out Much Longer)
3. Help The Poor
4. Ain't Got Nothing But The Blues
5. Born Under A Bad Sign
6. I Got Over It
7. Revelation
8. Getaway
9. Can't Let Her Go
Robben Ford Website←本アルバム全曲試聴ファイルあり
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購入金額
2,500円
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購入日
1988年頃
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購入場所
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