よくみてください箱右上の「ATI」…じゃなかった「AGP」の3文字を。
そうです、今時AGP規格のグラフィックボード「H435F512HA」です。
しかし需要が需要なのでさすがに相当な割高。この4350もローエンドチップとはいえ7000円以上というステキ価格。さすがに必須ではないパーツのためにこの値段出す度胸は無いのですが、どこぞの中古ショップのワゴンに入っていたのでつい購入してしまった。
●取り付け
さて、どのPCにつけるかを買ってから考える辺りがヒドイ。幸か不幸か我が家にはAGP世代で稼動するPCが4台あるのだが、その中でも一番古いPentiumIII800MHzマシンに搭載してみた。
今回使用するマザーボードFWD-P3C4XDはAGP4x動作のAGPproスロット。このグラフィックボードはAGP4x動作もOKらしい。現状で付いているのはRadeon9550。CPUに比べれば新しいが、性能はGeForceFX5200よりちょっとイイ程度。
OSはWindowsXPpro。注意すべきはRadeonのドライバ。HD4350にはWindows2000以前のドライバが無いので(Win2000で強引に動かす方法もあるらしいが)、XP以降のOSでなければならない。AGPだからといってレガシーOSなマシンにつけようとすると罠なので注意。
念のため既存のRadeon9550のドライバをアンインストールし、交換作業に。さりげに9550よりHD4350のがちょっとカード長が短い。せまっ苦しいケースなのでこの僅かな差もありがたい。
まあ特に問題も無く取り付け作業は完了。
●動作音
HD4350に装着された小型の冷却ファンはかなり景気よく回るので、静音PCになれていると驚きの音である。古い静音マシンをAVマシンとして復活させようとコレを付けたら絶望することになるかもしれない。
…が、今回のPCは2つのCPUがギッチリ並んだ上にラックサーバー用の薄型CPUクーラー。CPU冷却ファンがブォオオオオと轟音で吹き付けているのでそちらと混ざってよくわからない。まあ断じて静かではないグラボだ。
●ドライバと動画再生支援
とりあえず付属のディスクからドライバを入れると無事に動作。しかしこの付属ディスク、結構古い。ドライバの日付は09年頃である。案の定youtubeとかのFlash動画プレーヤーに対する動画再生支援機能が働かず、カクカク動画である。
とりあえず新しいドライバを入れるべきだろうとHISのサイトからドライバを用意する。
今は大抵のグラボの場合RadeonならAMD、GeForceならnVidiaのサイトから最新ドライバを持ってきたほうが話が早いのだが、このAGP版RadeonというのはAGP用のhotfixドライバを推奨してるっぽい。んでこのAGPhotfixドライバってのがAMDのサイトからだと探すのがめんどくさいのだ。
HISのサイトで配布されているのは10.7で11.Xが出ている現状では最新ではないが、動作確認がとれていることなのだろう。
さてダウンロードしてインストールしてみると…何故かCatalystインストールマネージャがハードウェアの検出中にとまってしまう。特にエラーメッセージもなく延々ハードウェアを探しているような状態だ。
ぶっちゃけ電源管理さえまともに対応できていないデュアルCPUマシン(OSを落とすとコンピューターの電源を切ることができます画面が出る)なので仕方ない。
インストールマネージャを使わなかった付属ディスクからはインストールできたのだから強引に当てたって問題ないだろうと、デバイスマネージャからinfを強制的に指定してみるとビンゴ。無事10.7があたったよ!CCCは古いママだがまあいいだろう。
ちなみに同じ要領でAMDからDLした最新の11.2を当ててみたら640*480の16色になっちまった。やはりHISさんは正しかった。
ドライバを10.7にしたことによりFlashプレーヤーに動画再生支援が入り、youtubeの高画質動画もとりあえず見れるようになった。動画再生支援の入るヤツならニコニコ動画のコメントもある程度滑らかに流れてくれる。
動画再生支援がきいているかどうかは体感差も当然ながら、GPUの稼働率を表示できるソフトを使うとわかりやすい。今回のPCは既にThilmera7という多目的なモニタリングソフトを入れてあったのでそれを参考にした。
まあ支援聞いてないと紙芝居状態なのでみりゃわかるんだが。
こうして動画再生支援が効いてHDMI出力もできて、軽いネトゲなら動いちゃうPentiumIII EB 800Mhz(Coppermine)マシンができたとさ。
…普通に今時のパソコンで動画見ろよ!!
まさかAGPグラフィックスににWindows7を入れる人もそうそう居ないでしょうがやってみると意外な落とし穴があったので追記。
こちらのPentiumIIIにWindows7いれたレビューと内容ほぼ重複ですが。
Windows7には一部グラフィックチップ向けのMS製ドライバが入っており、XPでおなじみに「標準VGAアダプタ」のように低解像度にならず、インストール直後からある程度高解像度での出力が可能でAeroも使用可能になる場合がある。
しかしこのAGP版HD4350の場合それが仇となり、今回試した環境ではWin7インストール中にブルースクリーンが出てしまった。
上記のとおり、AGP版HD4350はXPの頃から一部ドライバでの動作が不安定でAGP hotfix版のインストールを推奨しているので、MS製ドライバもその不都合を食らってしまっているのでしょう。
という訳で一旦別のグラフィックボードか、オンボードグラフィックを使用してWin7をインストールする必要が出てくる。私の場合Radeon9550を使用したところインストールに成功し、意外なことにAeroさえ使用可能に。9550すげぇ。
まあ要は画面表示さえできればいいので標準VGAドライバが適応されるモノでかまわない。他PCで遊んだ際、専用ドライバの用意されていないGeForce4MXやParheliaにWin7をインストールしても何の問題も起きなかったので、まさにAGP版HD4350の特異な現象かと思われる。
インストールが終わったらHD4350につけかえる訳ですが、初回起動は成功するものの、MS製ドライバが当たるとブルーバックで起動不能になってしまう。
再起動前に標準VGAドライバに固定するか、もしブルーバックループ状態になってしまったらセーフモードで起動して、デバイスマネージャから標準VGAドライバに変更し、それで起動した後にAMD製のAGPhotfixドライバをインストールすることになる。
逆にここまでくると、XPの頃に起きたAMDインストールマネージャの動作不良や最新版ドライバでの不安定がなくなるので、現状AGPhotfixの最新版である11.8を入れれば念願のGPUコンピューティング。Windows7のエアロも動くし、フルHDのMP4ファイルが、PentiumIIIで再生できちゃいます。
まあ、AGPでここまでする意味があるかは皆様のご判断にお任せしますが!
ちなみにエクスペリエンスインデックスはこんな感じ。わりと高いですね。
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購入金額
3,800円
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購入日
2011年05月07日
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購入場所
Sofmap
ガトーさん
2011/05/25
私の場合は、なんとか使える状態にしたからって、頻繁に使う訳じゃないんですけどね(笑)
下小川さん
2011/05/26
なんかもう「この世代のパソコンでこんなことができる」とか「この妙な部品はどうなるんだろう」とかそんな事ばっかりやっててまともに「パソコン」として使われてる時間はかなり短くなってます。
はにゃさん
2011/10/12
私も PCI版 FX5200を 9821Raに挿したりしてたんで、こういうことをしたくなる気分、できたときの達成感はよーく判ります。
私の場合はその後、少しむなしさに襲われて、開き直る!というプロセスを踏みます。
Pentium3マシンが現役を退いたら、一回やってみようかな。
それもオンボード、シングルCPUの815マザーで。
下小川さん
2011/10/12
PCI版FX5200いいですねー。しかもPC98!
私も1個PCI版のGeForce4MX(IO-DATA扱い)を持っていて、Radeon9550の前はそちらを使っていました。PCIグラボの汎用性は最高です。
でもほんと、見返りは少ないので開きなおるしかありませんね!
シングルPentiumIIIでもきっと大丈夫!