Genesis(ジェネシス)はイギリスのロックバンドだが、その活動時期によって受ける印象はかなり異なるはずだ。
初期、Peter Gabrielがイニシアチブを取っていた頃は、彼の奇抜なファッションとともに演劇性の高いプログレッシブロックグループ、という評価だった。それがPeter Gabriel脱退後、Phil Collins主導でポップス路線を驀進、1980年代中期のGenesis~Invisible Touchという頂点を迎える。シングルもMama、That's All、Invisible Touch、Land Of Confusion と立て続けのヒットで、Invisible Touchは全米No.1を達成する。たぶん多くの人がこの80年代中盤をこのバンドの頂点とするだろう。
そんな後に出されたのが本作。さらにポップス路線を邁進するか、とおもいきや、かなりプログレ回帰。とにかく詞が暗いんですけど。かなり高尚で、かつ不条理や後悔が語られる詞。内容的にはかなり重い。また10分を超す大作が2曲も入るなど以前とは少し違う。
1曲目「No Son Of Mine」。出だしからそれまでのポップ路線とは全く異なる。猛獣の吠え声のようなギターと淡々と続くリズムに乗せてメッセージ性の高い歌詞をシャウトするPhil。「おまえは私の息子ではない。おまえは出て行ったのだ、私たちを残して」。3曲目の「Driving The Last Spike」、プログレの王道で途中で曲調が大きく変わる10分超の大作。一方「Jesus He Knows Me」のようなハイスピードのポップチューンもあり、その意味でもこのバンドの一つの到達点とも言える作品。
本作を最後にPhil Collinsは脱退してしまうので、またジェネシスは迷走を始める。その後Phil Collins再加入というカンフル剤も、彼の健康問題で擱座。そういった意味でも、この「ポップスを極めた後のプログレアルバム」である本作は貴重である。
Amazonは例によって試聴ファイルがあるmp3につないでありますが、当然所持するのはCDです。
【収録曲】
1. No Son Of Mine
2. Jesus He Knows Me
3. Driving The Last Spike
4. I Can't Dance
5. Never A Time
6. Dreaming While You Sleep
7. Tell Me Why
8. Living Forever
9. Hold On My Heart
10. Way Of The World
11. Since I Lost You
12. Fading Lights
Official Genesis Website
「Jesus He Knows Me」
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購入金額
2,500円
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購入日
1992年頃
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購入場所
ナンチャンさん
2011/04/25
ピーター・ガブリエルの何ともいえない声が好きですね。
当然フィル・コリンズも好きです。
cybercatさん
2011/04/25
>ピーター・ガブリエルの何ともいえない声が好きですね。
「華」という意味ではPhil Collinsより彼の方がむしろ上かもしれませんね。
>当然フィル・コリンズも好きです。
同じグループか?というほど方向性は違いましたが、彼のソングライティングの才能、編曲能力はすばらしいと思います。
ナンチャンさん
2011/04/25
cybercatさん
2011/04/25
(特にアメリカで)商業的に成功したのはPhil主導時代ですが、「月影の騎士」とかよかったなぁ。
shimijimi999さん
2011/06/05
cybercatさん
2011/06/05
>今聴いても全然色褪せてないなあ。
「Driving The Last Spike」、あの味のあるPhil Collinsのボーカルがイイですよね!