PCカード規格は、デスクトップPCでいえばISAバスをベースに設計された16bitバスであり、最大転送速度は5MB/s(40Mbps)に過ぎず、100BASE-TXの規格上限である100Mbpsを大きく下回るのです。そのため、一般的に100BASE-TXをサポートするPCカード製品は、CardBus規格(PCIバスをベースに設計された32bitバスであり、速度もPCIバスとほぼ同じ132MB/sに対応したもの)に対応させていることが多いのです。
しかしCardBusは下位互換性は確保されているものの上位互換性は持っておらず、16bitのPCカードスロットにのみ対応しているPCでは、CardBus用の製品を利用することは出来ないのです。誤挿入を防止するように形状が工夫されていて、そもそも装着が出来ません。
搭載CPUが486互換品や、低クロックのPentium辺りであった本体ではCardBusスロットが用意されておらず、そのようなPCでも100BASE-TXのネットワークに、速度低下を招くことなく参加出来るよう、この製品が用意されていたということだと思われます。
私自身、当時はPentium 100MHz程度のPC-9800シリーズのノートPCを使うことが多く、そのようなPCでLANを利用するために入手したものです。
もっとも、当時はようやくモデムやISDNでインターネットに一般ユーザーが参加し始めたという時期であり、LANを使っているPC環境を持っている人や職場はまだ少数派でした。
LANを活用出来る環境が整った頃には、私が使っているPCにも100BASE-TX対応のNICが標準搭載されていたり、非搭載であってもCardBusをサポートしたPCカードスロットを装備していたりと、敢えてこのカードを使わなければいけない状況は無くなっていて、2枚購入した内の1枚は一応使って見たものの、もう1枚は未だに使われることなく未使用のまま保管されています。
状況によっては大いに役立った可能性はあるのですが、私の環境でこの製品の特徴を活かせる場面は結局ありませんでした。
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購入金額
1,000円
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購入日
不明
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購入場所
ふっけんさん
2013/11/30
jive9821さん
2013/11/30
当時は自宅のLANの大半が10BASE-T(PC-98のCバス用NICをよく使っていました)でしたし、10BASE-TのNEC純正PCカードなどは数多く持っていましたので、将来を見越して買ったつもりが将来に役立たなかったという、むなしい事例となってしまいました。
確かに100BASE-TXを搭載したPCの間でしか、大量のファイル転送などはする気になりませんでしたね。
はにゃさん
2013/12/01
一時期重宝してたカードでしたが、気が付くと身の回りから無くなってました。
非CardBusスロットしか持たないノートが一台だけ残っているのですが、10BASE-Tカードでたまに使用してます。
Schrödingers Katzeさん
2013/12/01
…アドレスバスを使って、32bitないし、24bit転送しちゃうぞとかいう板とかカードとかありましたねぇ。SCSIでは。一部のコントローラだと、ごねるようですが、そういう使い方をする信号じゃないですし。元のバスの速度自体が速くないので、それでも劇的には早くなりませんでしたけども。
あと、両モード対応なんてカードも幾つかありましたが…あれ、そういう色物っていつものあの会社が絡んでるような…。
過渡期に出たノートだと、本体のパフォーマンスに対して、カードバスになってないので、拡張したものが思いっきり足を引っ張るなんて事もありました。
あとから出てるわけですから、普通のカードスロットがカードバスに化けることはまぁありませんな。
むしろ、後継規格のものが、以前のもので使えるケースのほうがレアなんじゃないかと思います。
特に特性が大きく変わってしまってるようなものでは、それを強制するとお値段に跳ね返ってしまいますし。
jive9821さん
2013/12/01
PCカード自体が過去の遺物ですからね。私自身も以前は大量に持っていたはずのカードが、気がつくとなくなっていたという状態です。
PC-9800系のノートも、さすがにもう使う機会はありませんし…。
>Schrödingers Katze さん
結局のところ大事なのは、まさに「100BASE-TXでリンクする」という点だけだったのでしょうね。
規格の話として書いたのは当然な話ばかりなのですが、最近PCを使い始めた人だと「PCカード」そのものが理解不能かもしれませんので、一応補足として記載しています。