所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。音楽嗜好の範囲を広げるときに下流に出会い源流に遡ったのか、オリジンから派生系へたどったのか、その作品の出会いを熱く語ります。
もはや何も言うことはない。でもなぜかzigsowには登録なかったりして。
Boz Scaggs。彼はAOR、もしくはアダルトコンテンポラリー、と呼ばれたジャンルを確立した。このアルバム“Silk Degrees”1枚で。
はっきり言って捨て曲無しの超名盤だが、Boz自身にとっても音楽史的にも重要な役割をもつ盤。Bozにとってはこのアルバムから泥臭さが抜け、万人向けのお洒落路線となり、受けも良くなりヒットしたという点でターニングポイントだが、何よりこのアルバムがなければ、TOTOは生まれることはなかっただろうと言われていることで音楽史的にはここも重要ポイント。
キーボード:David Paich
ドラムス:Jeff Porcaro
ベース:David Hungate
ギター:Fred Tackett
ギター:Louie Shelton
これがこのアルバムを通して参加しているコアメンバーだ。ギターの二人以外はまさにTOTOのオリジナルメンバー。そのギターはこのアルバムツアーではスケジュールの都合上、TOTOのオリジナルメンバーSteve Lukatherに代わる。これにJeffの実弟Steve Porcaro(キーボード)と、ヴォーカリストBobby Kimballを加えると1stアルバム
発表時のTOTOのオリジナルメンバーとなる。従って、TOTOと言うバンドはこのBozのアルバムツアーのために集まったメンツのバンド、といってもほぼ間違いがない。
で、自分としてはこのアルバムは歴史遡りもの。TOTOの1stで魅了され、彼らのオリジンは何処だろう、と興味を持ち聴いた(当時友人のアニキのレコードを貸してもらってテープにダビングした覚えがある)。
当然、でも、TOTOとは違ってよく言えばもっとソウルフルな、直裁的に言えばもう少し古臭い、サウンドで、TOTOを期待して聴いた自分には全体してはちょっと期待はずれだったのを思い出す。
ただ6曲目「Lowdown」のコード進行や、16ビートで刻むリズムは後のフュージョンの薫りがぷんぷんするし、9曲目「Lido Shuffle」のベースのかっこよさはTOTOiに通じるものがあり、曲ごとに見ると決して悪くはない。
つかラストの超名曲「We're All Alone」。この曲だけでアルバム一枚買う十分な価値がある。
中学生の頃高中正義のギターで聴いたこの曲は、これが元歌だったのね、と後で気づいたり。
カンドー。
てなカンジで。
登録は1800円で出た「CBS NICE PRICE LINE」のCDで。このアルバムは2007年のリマスタリングヴァージョンではライヴ音源が加わっているけど、この盤はアナログレコードと同等の10曲構成。おもしろいのは中の歌詞カードの「We're All Alone」の邦題が「二人だけ」になっていること。この曲はカタカナ読みの「ウィアー・オール・アローン」の方がもはや通りが良いのだけれど、この当時はどうだったんだろ?
【収録曲】()内邦題
1. What Can I Say(何て言えばいいんだろう)
2. Georgia
3. Jump Street
4. What Do You Want the Girl to Do(あの娘に何をさせたいんだ)
5. Harbor Lights(港の灯)
6. Lowdown
7. It's Over
8. Love Me Tomorrow(明日に愛して)
9. Lido Shuffle
10. We're All Alone(二人だけ)
「We're All Alone」
この盤を聴かずしてAORを語るなかれ
超名曲「We're All Alone」に隠されているが、Aメロとサビの落差が意外な「What Can I Say」、全米3位の小粋な「Lowdown」、TOTOにその影響が強く感じられる「Georgia」....全てが違う切り口で素晴らしい。
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購入金額
1,800円
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購入日
1990年頃
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購入場所
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